藤浪晋太郎、MLBxで計13本塁打 オリオールズのユニホームで参加、松坂らレッドソックスに初戦敗退

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
DeNAを今季限りで戦力外となった藤浪晋太郎投手(32)が11月7日、みずほPayPayドーム福岡で日本初開催されたMLB主催のホームラン競争イベント「MLBx: Fukuoka」に出場し、計13本のサク越えを放った。2023年に在籍したオリオールズのユニホーム姿で、アダム・ジョーンズ、杉谷拳士とチームを組んだ。チームは初戦で松坂大輔らのレッドソックスに敗れたが、本職の投手が打席で見せ場をつくった。
オリオールズの背番号14で13本のサク越え
MLBx: Fukuokaは11月7日午後3時に始まり、約2万6000人の観客が集まった。12人の出場者が3人ずつ4チームに分かれ、MLB球団やホークスのユニホームを着て戦う。藤浪が袖を通したのは、2023年に在籍したオリオールズの背番号14だった。
チーム名も「オリオールズ」。メンバーは、オリオールズで攻守の中心を担ってMLBオールスターに5度選ばれ、2020〜2021年にはオリックスでもプレーしたアダム・ジョーンズと、元日本ハムの杉谷拳士の2人だ。打席はマウンド後方付近に特設され、藤浪はそこから外野スタンドへ打球を運び続けた。
藤浪はこの日のために打撃練習をしてきたと話している。本数は計13本。自身の打席で11本、代打で入った場面で2本を打ったという。終了後の取材では「楽しめました」と充実感を口にし、2分間打ち続けるのは「しんどい」とも話した。投球と打撃のどちらが難しいかを問われると、笑いながら投球の方が難しいと答えたという。
初戦でレッドソックスに敗退、優勝はチームホークス
4チームによる一発勝負のトーナメントで、オリオールズは初戦(準決勝)で松坂大輔らのレッドソックスと対戦した。スコアは47-48で、わずか1点差での敗退だったという。
明暗を分けたのは杉谷の打席だった。快音が続かず、打席開始から1分が過ぎると交代できる「タグイン」を自ら使ってジョーンズへバトンを渡したが、2人合わせても11得点にとどまったという。試合後、杉谷は「すいませんでした!」と頭を下げ、続いて取材に応じた藤浪は「やりにく」と苦笑いした。
「勝負事なので勝ちたかった」。藤浪は悔しさも口にしている。
優勝したのは、ソフトバンクOBの松中信彦、松田宣浩、李大浩でつくる「チームホークス」だ。準決勝、決勝と連勝し、日本初開催の初代王者となった。決勝の相手はオリオールズを破ったレッドソックス。李大浩は決勝で15本のサク越えを放ってMVPに選ばれた。準決勝で25得点、決勝で24得点を挙げたという。
ホークスの3人は優勝後、松田の決めポーズ「熱男」を決めた。松中がこの球場でホークスのユニホームを着るのは2015年以来で、1週間禁酒して臨んだという。松中は「すばらしいメンバーの中で勝てたので、世界一なんじゃないかなと」と笑った。
レッドソックスの背番号18で出場した松坂は、元投手ながらスタンドへ打球を運び、「楽しかったのでまた参加したい」と話した。レッドソックスには、2016年に楽天でプレーしたジョニー・ゴームズも名を連ねた。
このほか、松井稼頭央はメッツ、岩村明憲はレイズのユニホームで出場した。2013年にシーズン60本塁打の日本記録をつくったウラディミール・バレンティン、ソフトボール界のスター選手レイチェル・ガルシアも名を連ねる。ガルシアは21得点を記録したという。
「走らない。打って、捕る」MLBxの仕組み
MLBxは、MLBが野球の普及を目的に考案し、2022年に始めた3対3の対戦イベントだ。米国内の15会場に加え、ロンドン、ソウル、メキシコシティでも開かれてきた。2026年はフィラデルフィアでのオールスター週間や、アトランタのトゥルーイスト・パークでも開かれている。日本での開催は初めてで、MLBが在日米国大使館と組み、米国建国250年の記念行事の一つとして行った。当日は女性ボーカルグループ「Little Glee Monster」のスペシャルライブも行われた。
塁も走塁もない。打者は1人2分の持ち時間の間、投手が投げ続けるボールを振り続け、外野フェンスの向こうを狙う。3人が順番に打席に入り、打ち終えた選手はそのまま外野の守備に就く。攻撃と守備で稼いだ点の合計がチームの得点になる。
| 項目 | 得点のルール |
|---|---|
| ホームラン | 柵越えで1点 |
| センター後方の的 | 打球が当たれば2点 |
| 守備のキャッチ | 外野のキャッチゾーンで捕れば守備側に1点 |
| ホットストリーク | 打席中に1度だけ宣言でき、 |
打席開始から1分が過ぎると、ベンチの仲間と交代できる。当たりが出ない打者は仲間に託し、調子のいい打者はそのまま振り切る。杉谷がジョーンズに打席を譲ったのも、このルールだった。同点の場合は、各チームの代表1人によるスイングオフで決着をつける。
投手ながらNPB通算3本塁打、打撃の練習も1週間
藤浪は大阪桐蔭高校のエースとして2012年に甲子園の春夏連覇を成し遂げ、同年のドラフト1位で阪神に入団した。1年目から3年連続で2桁勝利を挙げ、2015年には最多奪三振のタイトルを手にしている。
打撃でも知られた投手だった。NPBでは通算3本塁打を記録している。MLBの公式サイトも出場選手紹介で、投手でありながら打撃でもファンを沸かせてきたと紹介した。
出場決定時には、普段見せる機会のないバッティングも含めてファンと一緒に楽しみたいとコメントを寄せていた。ただ、当初は打撃のイベントだと知らずにオファーを受けたという。本番に向けては、1週間、毎日マシンで打ち込んできたと明かしている。
その成果が13本だった。
DeNA戦力外、来季の所属は未定
2022年オフにポスティングシステムでアスレチックスへ移籍し、2023年途中にトレードでオリオールズへ加わった。その後もMLB挑戦を続け、2025年7月にDeNAへ入団して日本球界に戻った。
DeNAでの2年目となった2026年は、1軍で3試合に登板して0勝1敗、防御率6.30。2軍では16試合(12先発)で5勝3敗、防御率3.11だった。DeNAは9月29日、来季の契約を結ばないことを藤浪に通知したと発表している。2シーズンで1軍登板は9試合、勝ち星は1つにとどまった。
関連記事:DeNA、21年ドラフト1位の小園健太ら10人と来季契約結ばず 藤浪晋太郎・佐々木千隼ら29日通告の10選手一覧(育成4人含む)
本人は現役続行を望む。9月27日のファーム最終戦の後には、NPBでのプレーを希望すると話していた。MLBxの会場では去就について触れず、11月8日時点で新たな所属先の発表はない。
本職のマウンドではなく打席で、かつてのユニホームに再び袖を通した一日。次に藤浪がマウンドに立つ場所は、まだ決まっていない。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 疾風(HAYATE)]

















































































コメントはこちら