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床田寛樹がFA宣言、広島から今オフ3人目「迷っている」 球団は宣言残留を容認

床田寛樹がFA宣言、広島から今オフ3人目「迷っている」 球団は宣言残留を容認

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広島の床田寛樹投手(31)が11月6日、国内FA権の行使を表明した。森下暢仁、坂倉将吾に続き、広島から今オフ3人目のFA宣言となる。球団は宣言残留を認めており、床田は「迷っている」と胸の内を明かした。11日からは他球団との交渉も始まる。

申請書類を提出、11日から全球団と交渉できる

床田は11月6日午前、マツダスタジアムの球団事務所を訪れ、国内FA権の申請書類を提出した。権利を取得したのは今年4月。プロ10年目の左腕にとって、初めての権利行使だった。

会見では「迷っている」と話し、いろいろな話を聞いてから決めたいという考えを口にした。報道陣には、決めきれずに悩んでいる胸中を明かしている。宣言残留を認めてもらえたので考える時間がつくれる、とも話し、最後は、家族と話して「後悔のない」選択をしたいと語った。プロ1年目からけがもあったのに使い続けてくれた球団への感謝も、言葉にしている。

今後の日程も決まっている。FA宣言した選手は宣言期間が終わった後の11月10日にNPBから公示され、11日から国内の全球団と交渉ができるようになる。広島との残留交渉も、宣言後に続く。

森下、坂倉に続く3人目 球団で初めての事態

広島では11月4日に森下暢仁投手が、5日に坂倉将吾捕手が、それぞれ国内FA権の行使を表明していた。床田を加え、3日続けて投打の主力が権利を使ったことになる。同じ年に広島から3人がFA宣言するのは球団史上初めてだ。

これまでの球団最多は2人。2007年オフの新井貴浩と黒田博樹だった。しかも広島からFA宣言した選手は、これまで全員がチームを離れている。

関連記事:坂倉将吾が国内FA権を行使、カープに「感謝もある」 推定年俸1億4000万円のFAランクと、獲得調査のロッテ・西武、宣言残留の行方

1つの球団から3人がFA宣言した例は、他にもある。2018年オフの西武では中村剛也、炭谷銀仁朗、浅村栄斗が宣言し、炭谷が巨人へ、浅村が楽天へ移り、中村は残った。2011年オフのソフトバンクからは和田毅、杉内俊哉、川崎宗則の3人が出たが、移籍先は米大リーグが2人、国内は巨人へ移った杉内だけだった。

もし広島の3人がそろって国内の他球団へ移れば、1993年オフのFA制度導入以来、初めてのケースになる。最近8年で7度のBクラスに沈むチームにとって、主力3人の去就は来季の土台そのものに関わる。

4年連続の規定投球回、通算65勝の左腕

床田は兵庫県出身。箕面学園高等学校から中部学院大学へ進み、2016年のドラフト3位で広島に入団した。

道のりは平らではなかった。

1年目の2017年に開幕ローテーション入りしたものの、左肘を痛めて離脱し、同年7月に靱帯の再建手術(トミー・ジョン手術)を受けた。2018年は一軍での登板がなく、先発陣に定着したのは3年目の2019年。この年は25試合で7勝を挙げ、防御率2.96と結果を残している。

2022年にも試練が待っていた。8月3日、敵地でのDeNA戦で、5回の打席で一塁へのゴロを打ち、走り出した直後に転倒し、右足関節の骨折と診断された。自力では立ち上がれず、担架で運ばれた。この時点で自己最多の8勝を挙げていたが、シーズンはそこで終わり、規定投球回にも届かなかった。ちょうど1年後の2023年8月3日、同じDeNA戦で9回を無失点に抑え、床田は前年にけがをした相手から結果を残している。

翌2023年からは、けがに泣かされた左腕が先発の柱に変わる。2023年と2024年に2年続けて11勝を挙げ、2023年から2026年まで4年連続で規定投球回に届いた。2026年は自身初の開幕投手を任され、23試合で8勝6敗、防御率2.76。勝ち星はチーム最多だった。前年の2025年は9勝12敗と負け越したものの、完封を3度記録し、171回1/3を投げている。

NPBの記録では、通算成績は175試合で65勝59敗、防御率2.96となる(2026年シーズン終了時点)。

年度登板勝敗防御率
2023年2411勝7敗2.19
2024年2611勝9敗2.48
2025年269勝12敗3.15
2026年238勝6敗2.76
通算(10年)17565勝59敗2.96

推定年俸1億8500万円、移籍なら補償が必要なAランクか

床田の今季の年俸は推定1億8500万円。2024年の推定1億円から、2025年は推定1億5000万円、2026年は推定1億8500万円と、規定投球回に届き続けた3年で大きく上がってきた。報道によると、他球団が獲得した場合に人的補償か金銭補償が必要になるAランクとみられる。

FAのランクは、外国人選手を除いた球団内の年俸順位で決まる。AランクとBランクの選手を獲った球団は元の球団に補償をしなければならず、Cランクなら補償はいらない。獲る側にとっては、選手の年俸に加えて補償の負担も考える必要があるわけだ。

去就を巡る動きは、宣言の前から始まっていた。10月27日にはマツダスタジアムで、代理人を交えて初めて球団と交渉し、あらためて残留を求められた。その場で床田は「絶対に出たいというわけでもないし、絶対残りたいわけでもない」と話し、年齢的にも権利の行使を考えられるのは最初で最後だとして、じっくり考える姿勢を見せていた。

関連記事:床田寛樹、代理人同席で広島と交渉 FA権行使は熟考、今後は主に代理人が交渉

球団は床田を欠かせない戦力と位置づけ、年俸の増額と複数年契約を示したと報じられた。来年以降も一緒にやりたい、という意向もすでに本人へ伝えている。

阪神、オリックスなどが調査か 残留の道も残る

他球団の動きも伝わる。10月には阪神が獲得調査に乗り出すと報じられ、オリックスなど複数の球団も調査を進めているという。どの球団が11日以降に正式な交渉へ入るのかは、まだ公表されていない。

一方で、本人は長く現役を続けたいことを一番に挙げている。宣言残留とは、FA宣言をして他球団の評価を聞いたうえで、元の球団と契約して残ることを指す。広島はこれを認めており、残留も含めて選べる状況は宣言前と変わらない。他球団の提示と広島の条件を並べて比べられるのが、宣言残留を認められた選手の強みになる。

FA市場には、同じ広島の森下と坂倉も並ぶ。森下は推定年俸2億円でAランク、坂倉は推定1億4000万円でBランクとみられる。今季の森下は23試合で7勝11敗、防御率3.60。坂倉は140試合で打率2割5分1厘、15本塁打、74打点を記録した。森下には巨人が、千葉県出身の坂倉には地元のロッテが関心を寄せていると報じられ、ロッテは交渉が解禁される11日にも接触する方針だという。

投打の柱3人が一度に交渉の席へ着く。広島がどこまで引き留められるのか、その答えは11日の交渉解禁から少しずつ見えてくる。

[文/構成 by スポーツ担当ライター 高瀬翔吾]

寄稿者

高瀬翔吾
Webメディアでスポーツ、エンタメ、時事ニュースなど、累計数千本の記事制作に携わってきたスポーツ系ライター。野球分野では、プロ野球の試合結果や選手の記録をはじめ、MLB、高校野球、ドラフト、移籍、契約更改などの記事を継続的に担当。数字や公式記録を基に情報を整理する記事を得意としており、結果を伝えるだけでなく、その記録が持つ意味や、選手・球団を取り巻く背景までわかりやすく解説することを心がけている。主な執筆分野は、プロ野球、MLB、高校野球、侍ジャパン、ドラフト、移籍情報。

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