正力松太郎賞2026、小久保裕紀監督が2年連続2度目の受賞 歴代受賞者と選考委員

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その年のプロ野球の発展に最も貢献した監督や選手に贈られる正力松太郎賞の選考委員会が11月4日に東京都内で開かれ、ソフトバンクの小久保裕紀監督(55)の2年連続2度目の受賞が決まった。チームをパ・リーグ3連覇と2年連続の日本一に導いた手腕が評価され、選考は全会一致。賞の創設から50回目の節目で、2年連続の受賞は工藤公康以来となる。
全会一致で決定、山本浩二が代わって座長に
正力松太郎賞は、日本プロ野球の生みの親とされる読売新聞社社主・正力松太郎の業績をたたえて1977年に創設された。2026年が第50回にあたる。受賞者には金メダルと賞金500万円が贈られる。
日本野球機構(NPB)の発表では、選考委員は王貞治、山本浩二、門田隆将、髙田繁、辻発彦の5人。選考委員会の座長を務めるソフトバンク球団会長の王は体調不良のため欠席し、元広島監督の山本が代わって座長を務めた。残る4人の委員が全会一致で小久保監督を推した。
山本は日本シリーズで3試合続けて延長戦を制した戦いぶりを挙げ、勝負どころで勝ち切る力を「小久保監督の手腕」と評価した。元ヤクルト監督の髙田はレギュラーシーズン、クライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズを通じた強さに議論の余地はないとし、元西武監督の辻はチームに隙がない点を挙げた。ノンフィクション作家の門田は、日本シリーズ第4戦で先発の前田悠伍を5回2死で代えた継投の判断にも触れている。
選考では、セ・リーグで三冠王に輝いた阪神の佐藤輝明も名前が挙がった。だが、過去の三冠王が正力賞を受けていないことなどもあり、受賞は小久保監督に絞られた。佐藤には特別賞も贈られず、2026年の特別賞は該当者なし。特別賞の受賞者が出なかったのは6年ぶりとなる。
投手を対象とする沢村栄治賞は、これより先の10月26日に発表され、阪神の髙橋遥人が初めて受賞した。2026年度の両賞は、セ・リーグを制した阪神と、パ・リーグを制したソフトバンクから1人ずつ選ばれた。
リーグ3連覇、ポストシーズンは7戦全勝
選考の決め手は、2026年シーズンの数字を見れば分かる。ソフトバンクはパ・リーグで143試合を戦い、91勝49敗3分け、勝率.650で3年連続の優勝を果たした。2位の西武とは11.5ゲーム差。他球団を寄せつけない独走だった。
ポストシーズンでも1つも負けていない。CSファイナルステージで日本ハムに3連勝し、日本シリーズでは横浜DeNAに4連勝。2年連続13度目の日本一を決めた。
シリーズは接戦続きだった。10月24日の第1戦は延長11回、25日の第2戦と27日の第3戦はともに延長10回までもつれ、3試合とも1〜2点差で勝ち切っている。開幕から3試合連続の延長戦は日本シリーズ史上初めて。10月28日の第4戦は先制を許しながら4回に逆転し、4-2で締めくくった。
2年前の2024年、ソフトバンクは同じDeNAとの日本シリーズで2連勝から4連敗を喫し、日本一を逃している。その相手に、今度は1つも星を落とさなかったのだ。
関連記事:ソフトバンクが4連勝で2年連続日本一、MVPは正木智也 第3戦でサヨナラ弾、慶應義塾高・慶大から今季28本塁打の経歴
小久保監督「変わる勇気と変わらぬ決意」
小久保監督は球団を通じてコメントを出した。昨年に続く受賞を光栄だとし、チームを代表して関係者とファンへの感謝を伝えている。
シーズンについては「新たなチャレンジをし、変わる勇気と変わらぬ決意でシーズンを突き進むことができた」と語った。賞は「高い組織力」と、選手一人一人が役割を果たした証しだと受け止めている。コーチ、スタッフ、フロントの支えとファンの声援も大きな力になったという。
最後は来季に向け、新たな目標を持って「新たな挑戦をし続け」、ファンに誇りに思ってもらえるチームづくりを続けると締めくくった。
2025年の受賞時、小久保監督は今年こそ頂上まで登り切るという思いでシーズンに入ったと語っていた。1年後のコメントにある「変わる勇気と変わらぬ決意」は、2026年のチームスローガン「全新」を受けた言葉で、新たなチャレンジを掲げて臨んだシーズンだった。
歴代受賞者、2年連続は史上3人目
就任1年目の2024年、小久保監督はリーグ優勝を果たしたものの日本シリーズでDeNAに敗れ、この年の正力賞はDeNAの三浦大輔監督に贈られた。初受賞は翌2025年だった。就任2年目でチームをリーグ2連覇と5年ぶりの日本一に導き、2025年11月13日に受賞が決まっている。この年は特別賞にドジャースの山本由伸が選ばれた。
2016年以降の受賞者は次のとおり。NPBの公式記録で確かめた。
| 年 | 受賞者(所属) | 主な理由 |
|---|---|---|
| 2016年 | 栗山英樹監督 | 10年ぶりの日本一 |
| 2017年 | デニス・ | 日本一、 |
| 2018年 | 工藤公康監督 | 2年連続の日本一 |
| 2019年 | 工藤公康監督 | 3年連続の日本一 |
| 2020年 | 工藤公康監督 | 4年連続の日本一 |
| 2021年 | 高津臣吾監督 | 20年ぶりの日本一 |
| 2022年 | 中嶋聡監督 | 26年ぶりの日本一 |
| 2023年 | 岡田彰布監督 | 38年ぶりの日本一 |
| 2024年 | 三浦大輔監督 | セ・ |
| 2025年 | 小久保裕紀監督 | リーグ2連覇、 |
| 2026年 | 小久保裕紀監督 | リーグ3連覇、 |
日本一チームの監督が選ばれる年が大半を占める。2017年のサファテは救援投手として日本シリーズMVPに輝き、選手として受賞した。2021年から2025年までは毎年、本賞とは別に特別賞も贈られ、大谷翔平(2021、2023、2024年)、村上宗隆(2022年)、山本由伸(2025年)らが選ばれている。
同じ人物の2年連続受賞は、史上3人目となる。直近の例は工藤で、2018年から2020年まで3年連続で受けた。工藤は西武の投手だった1987年と、ソフトバンクの監督に就任した2015年にも受賞しており、通算5度は最多。ソフトバンク球団会長の王貞治は1977年の第1回受賞者で、通算4度受けている。
ソフトバンクからの受賞は、南海、ダイエー時代を含めて13度目。12球団で最も多い。
現役時代は2041安打、侍ジャパンも率いる
小久保監督は1971年10月8日、和歌山県和歌山市生まれ。和歌山県立星林高等学校から青山学院大学へ進み、大学在学中の1992年にはバルセロナ五輪の野球日本代表に選ばれた。主将を務めた4年時には、青山学院大学を初の大学日本一に導いている。
1993年のドラフト2位でダイエーに入団した。2年目の1995年に本塁打王、1997年に打点王を獲得し、巨人への移籍を経てソフトバンクへ戻り、2012年に通算2000安打を達成して現役を引退した。通算成績は2041安打、413本塁打。引退後は野球日本代表「侍ジャパン」の監督を務め、ソフトバンクでは2軍監督を経て2024年から1軍の指揮を執る。
就任から3年で、リーグ優勝3度、日本一2度。来季はリーグ4連覇と3年連続の日本一がかかる。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 高瀬翔吾]








































































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