ジェイソン・カンツラー氏、マリナーズ新監督に 36歳で監督経験なし、元高校の化学・物理教師からカブスの育成責任者になった経歴

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米大リーグのシアトル・マリナーズは日本時間4日、カブスで選手育成部門のディレクターを務めていたジェイソン・カンツラー氏(36)を新監督に迎えると発表した。監督経験はどのレベルでもなく、初めての監督職となる。36歳はメジャー30球団で2番目の若さ。選手時代はメジャーに届かず、高校で化学と物理を教えた時期もある異色の経歴の持ち主だ。
ジェイソン・カンツラー氏が36歳でマリナーズ新監督に
球団の発表は米国時間3日、日本時間4日未明だった。今季限りで監督を退いたダン・ウィルソン前監督の後任となる。契約年数などの条件は明らかにされていない。
36歳という年齢は、いまのメジャー監督で2番目に若い。最年少はナショナルズのブレイク・ブテラ監督(34)だ。
人選を主導したのは、ジェリー・ディポト編成本部長だった。2015年に招いたスコット・サーベイス氏、2024年のウィルソン氏に続き、ディポト氏が選んだ監督は3人続けて「初めて監督を務める人物」となった。
カンツラー氏の経歴 マイナー選手から高校教師、コーチへ
カンツラー氏はニューヨーク州立大学バッファロー校で外野手としてプレーし、2013年にミッドアメリカン・カンファレンス(MAC)の年間最優秀選手に選ばれた。同じ年のドラフトでミネソタ・ツインズから20巡目、全体590位で指名を受け、プロの道へ進む。
だが、マイナーで過ごした3シーズンで上がれたのは、マイナーの中位にあたるハイAまでだった。メジャーの舞台に立つことなく、ユニホームを脱いでいる。
次に選んだのは教壇。
テキサス州ヒューストン近郊の高校で化学と物理を教えるかたわら、大学生が集まる夏季のケープコッド・リーグでアシスタントコーチを務め、野球とのつながりを保った。
転機は2019年に訪れる。アストロズにマイナーの打撃コーチとして採用され、のちにマイナー全体の打撃指導をまとめるコーディネーターも任された。2022年にはメジャーのコーチ陣に加わり、この年チームはワールドシリーズを制している。翌2023年はアシスタント打撃コーチとして、メジャーの打者を見る立場だった。
2024年1月、カブスへ移って選手育成部門のディレクターに就いた。マイナーの組織全体と選手、コーチ陣を束ねる役割で、3シーズンにわたって若手を送り出す仕組みを動かした。ここまでの主な歩みは次のとおりだ。
| 年 | 所属 | 役職 |
|---|---|---|
| 2013-15 | ツインズ傘下 | マイナーの外野手 |
| 引退後 | テキサス州の高校 | 化学と物理の教師 |
| 2019-21 | アストロズ傘下 | マイナーの打撃指導 |
| 2022-23 | アストロズ | メジャーのコーチ |
| 2024-26 | カブス | 育成部門ディレクター |
| 2026年11月 | マリナーズ | 監督に就任 |
マリナーズがカンツラー監督を選んだ理由
最終候補に残ったのは、カンツラー氏と元アストロズ監督のジョー・エスパダ氏の2人だった。2人は2022、23年にアストロズのメジャーのコーチ陣で一緒に働いた間柄でもある。10月下旬には本拠地T-モバイル・パークで最終の対面面接があり、カンツラー氏はディポト氏やジャスティン・ホランダーGMのほか、オーナーグループやメジャーのコーチ陣とも顔を合わせた。
ディポト氏は球団の声明で「ジェイソンには、ここシアトルで優勝チームにふさわしい基準をつくる手助けができる考え方、専門知識、伝える力、そして熱量がある」と評価した。選考で目指したものについては「私たち全員に、もっと良くなるよう求めることができる監督を見つけることが目標だった」と明かしている。
ホランダーGMは、選考の過程を通じてカンツラー氏が一貫して優れたリーダーシップを示し、選手やスタッフ、フロントとつながり、協力し合える力も見せたと説明した。「ジェイソンこそ、この組織を再びポストシーズンへ導くのにふさわしい人物だと、私たち全員が信じている」と期待を込める。
報道によると、球団はメジャーの舞台で若い選手を伸ばす力を重く見たという。育成部門の責任者から監督へ、という異例の人選の背景には、この点がある。
カンツラー氏本人は「マリナーズの一員になれて本当にうれしい。すぐに全力で走り出すのを楽しみにしている」とコメントした。チームには試合のあらゆる面で豊富な才能がそろっているとし、コーチ陣とともにその力を引き出すことに意欲を見せた。
前任ウィルソン監督の解任と2026年のマリナーズ
前任のウィルソン氏は2024年途中に監督に就き、2025年は90勝を挙げてア・リーグ西地区を制した。地区優勝は24年ぶり。ア・リーグ優勝決定シリーズではブルージェイズと第7戦までもつれ、ワールドシリーズ進出まであと1勝に迫った。
それから1年で、景色は一変する。2026年は76勝86敗と負け越し、ポストシーズンを逃した。故障者が相次ぎ、ブルペンも振るわず、主力打者の不調も重なった。前年に本塁打を量産した捕手のカル・ローリーも、打率.182、23本塁打、69打点にとどまっている。
球団はレギュラーシーズン最終戦の後にウィルソン氏の解任を発表し、翌日にはコーチ4人とも契約を更新しないと明らかにした。前年の勢いを取り戻せないまま、チームは指揮官の交代に踏み切った。
マリナーズは、メジャー30球団で唯一、ワールドシリーズに出たことがない球団だ。選手としてはメジャーに届かず、教室で化学と物理を教えた36歳が、その悲願を背負ってベンチに入る。
[文/構成 by ライター 凪]








































































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