三菱UFJのデジタル銀行「エムットバンク」、キャッシュカードを発行せず ATMの出金はスマホのQRコードで、2027年1〜3月ごろ開業 みんなの銀行との関係も

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
三菱UFJ銀行が2027年に開業させるデジタル銀行「エムットバンク」で、キャッシュカードを発行しない方針だと11月4日に報じられた。現金は、スマートフォンアプリのQRコードを使ってATMから引き出す。運営するのは三菱UFJ銀行の100%子会社「三菱UFJエムット銀行」で、サービス開始は2027年1〜3月ごろの予定だ。システムの土台には、ふくおかフィナンシャルグループ傘下のみんなの銀行の仕組みを使う。
カードの代わりにスマホのQRコードでATMから出金
報道によると、エムットバンクの利用者は、スマートフォンアプリのQRコードを使ってATMで出金などをする。大手銀行系の銀行がキャッシュカードを出さないのは初めてだという。
狙いはセキュリティにある。カードと暗証番号で本人を確かめる従来の方法に比べ、スマホのパスコード入力やアプリへのログインといった手順が加わるため、悪用されにくくなると説明されている。
使えるATMは次のとおりと報じられた。
| ATM | 対応 |
|---|---|
| セブン銀行ATM | 最初に対応 |
| ファミマATM | 順次使える予定 |
| 三菱UFJ銀行の既存ATM | 検討中 |
スマホでの出入金は、まずセブン銀行のATMから始まる。ファミリーマートでは2026年6月1日、店内のATMをセブン銀行のATMに置き換える作業が東京都や埼玉県の一部店舗で始まり、4年程度で全国約1万6千台に広げる計画だ。こちらも順次、エムットバンクの出入金に使えるようになる予定だ。
一方、ATMで引き出すときの手数料や、1日に引き出せる上限額は、11月4日時点で発表されていない。
エムットバンクとは 三菱UFJ銀行の100%子会社が運営
エムットバンクは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が個人向けに打ち出したブランド「エムット」と連携するデジタル銀行だ。エムットは2025年6月に始まり、MUFGはこのブランドでさまざまなサービスを出してきた。
準備会社のMUデジタルバンク設立準備が銀行業の営業免許を取ったのは2026年9月24日。同じ日に社名を「三菱UFJエムット銀行」に改め、サービス名を「エムットバンク」とすることも発表した。免許を交付した片山さつき金融担当相は「利便性の高い金融サービスを提供することを期待する」と述べたと報じられている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 三菱UFJエムット銀行 |
| サービス名 | エムットバンク |
| 開始予定 | 2027年1〜 |
| 本店 | 東京都品川区西五反田 |
| 代表者 | 山下邦裕CEO |
| 資本金 | 474億5000万円 |
| 株主 | 三菱UFJ銀行100% |
口座開設や取引はインターネットで完結し、三菱UFJ銀行の店舗も利用できる設計だという。AIを使った資産づくりのサービスも予定している。MUFGは9月の発表で、この銀行を通じてエムットの「利得性と利便性」を高めると説明した。
開業時期は、2025年5月にMUFGがリテール戦略を発表した時点では「2026年度後半」とされていた。2027年1〜3月は、その2026年度後半の終わりにあたる。
三菱UFJ銀行の口座と何が違うのか
まず押さえておきたいのは、エムットバンクが三菱UFJ銀行とは別の銀行だという点だ。自前の銀行免許を持つ会社が運営し、三菱UFJ銀行はその株主という立場になる。
キャッシュカードを出さない方針は、この新しいデジタル銀行についての話だ。いま三菱UFJ銀行に口座を持っている人のキャッシュカードや口座の扱いを変えるという発表は、11月4日時点で出ていない。
店舗を使えることは、ネット専業の銀行と違う点として2025年5月の発表時から挙げられていた。ただ、預金の金利や各種の手数料、三菱UFJ銀行の口座からエムットバンクへ移る方法など、利用者が比べたくなる条件の多くは、11月4日時点で発表されていない。三菱UFJ銀行の既存ATMで使えるかどうかも、検討中と報じられた段階だ。
みんなの銀行との関係 システムの土台を採用
検索で「エムットバンク」と並んで出てくるのが、みんなの銀行だ。ふくおかフィナンシャルグループ傘下のデジタル銀行で、2021年5月にサービスを始めた。
両行のつながりは、銀行の中身を動かすシステムにある。MUFGは2025年5月、デジタル銀行の基盤にみんなの銀行のBaaS(銀行の機能を他社に貸し出す仕組み)を採用し、預金や送金の記録を扱う勘定系を含めてGoogle Cloud上に組み立てると発表した。2026年9月の免許取得の際にも、基幹システムはふくおかフィナンシャルグループ傘下の企業が手がけると報じられている。
Google Cloudも2025年5月27日、MUFGの発表と同じ日に、三菱UFJ銀行のデジタル銀行に採用されたと発表した。同社は2019年に、みんなの銀行の勘定系にも選ばれていた。
みんなの銀行はすでに、セブン銀行のATMでスマホだけを使った入出金を受け付けている。アプリでATM画面のQRコードを読み取って操作する方式だ。エムットバンクの具体的な操作手順が同じになるかは、まだ発表されていない。
システムの土台は共通でも、銀行としては別々の会社になる。エムットバンクの口座は三菱UFJエムット銀行が、みんなの銀行の口座はみんなの銀行が受け持つ。
開業までに発表を待つこと
サービス開始まで、あと2〜5か月ほど。手数料や金利、ATMで1日に引き出せる額、スマホを買い替えたときの手続きといった細かな条件は、11月4日時点でまだ明らかになっていない。
ファミリーマートのATMの置き換えが進むほど、カードを持たずに現金を下ろせる場所は増えていく。
大手銀行のグループが、キャッシュカードのない銀行を一から立ち上げる。現金を引き出す入り口がカードからスマホに移るとき、利用者がどこまでついてくるのか。答えは2027年の開業後に見えてくる。
[文/構成 by ライター 飯田タツヤ]








































































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