甲斐拓也、楽天入団会見で背番号37に 嶋基宏が楽天で長く背負った番号

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巨人から金銭トレードで東北楽天ゴールデンイーグルスに加入した甲斐拓也捕手(33)が11月3日、本拠地の楽天モバイル 最強パーク宮城(仙台市)で入団会見を開いた。背番号は37。2007年から2019年まで嶋基宏が背負い、2020年から空き番号になっていた楽天の捕手の番号だ。甲斐は事前に嶋へ連絡を入れ、話を聞いたうえで受け継ぐと決めたと明かした。
入団会見で決まった背番号37
会見は11月3日(火・祝)の13時に始まり、Rakuten TVと楽天イーグルス公式YouTubeでライブ配信された。一般の現地観覧は受け付けず、ファンクラブ会員15人だけが招待された。この日は秋季練習の一般無料公開日で、甲斐は会見の前にグラウンドへ姿を見せ、ファンと選手にあいさつしている。
会見には石井一久GMが同席した。球団が公表したあいさつで、甲斐は「今はわくわくした気持ちと、早く野球がしたい、駆け回りたいという気持ちです」と語り、優勝を目指してどんなことでもやりたいと続けた。あいさつは、精一杯頑張るので応援をよろしくお願いしますという言葉で結ばれている。球団は同じ日、甲斐のウェルカムグッズをオンラインショップで売り出した。
背番号を決めるまでの経緯も、本人の口から説明があった。石井一久GMから37番を勧められ、自分でもいろいろと考えたという。楽天で37番がどれだけ重い番号かは知っていた、とも話している。
決め手になったのは嶋の存在だった。甲斐は嶋と合同で自主トレーニングを行ったことがあり、嶋を「尊敬する先輩」と呼ぶ。野球選手としてだけでなく人としても尊敬しているとして、嶋に連絡を入れて話を聞いた。石井GMからも嶋からも、37番を着けてもう一度輝いてほしいという言葉をもらったと明かしている。
楽天にとって、37は7シーズン続いた空き番号だった。2027年シーズン、8年ぶりにグラウンドへ戻る。
楽天の37を13年背負った嶋基宏
嶋は2006年の大学生・社会人ドラフト3巡目で、國學院大學から楽天に入った。岐阜県出身で、中京大学附属中京高等学校の卒業生だ。球団創設3年目の2007年から37を着け、楽天に在籍した2019年まで一度も番号を変えなかった。球団創設から数えると、楽天の37を背負った2人目の選手にあたる。
NPBの記録では、楽天での13年間で1402試合に出場し、930安打、26本塁打を記録した。打率は.242。1年目の2007年から125試合に出場し、4年目の2010年には127試合で133安打、打率.315を残している。数字の大きさより、捕手としてチームを支えた年月の長さが目を引く。
その中心にあったのが2011年と2013年だ。2011年の東日本大震災のあと、楽天の選手会長だった嶋は「見せましょう、野球の底力を」とファンに呼びかけた。2年後の2013年、楽天は球団初のリーグ優勝と日本一を果たし、正捕手としてマスクをかぶったのが嶋だった。
だが2019年は57試合の出場にとどまる。オフに野球協約の減額制限を超える年俸の提示を受け、自由契約を経て東京ヤクルトスワローズへ移った。ヤクルトでの背番号は45で、3年間の1軍出場は39試合だった。2022年限りで現役を退き、2023年からはヤクルトでコーチを務め、ヘッドコーチも経験した。選手とコーチで過ごしたヤクルトの6年間で、リーグ優勝と日本一も味わっている。
2025年10月30日には中日ドラゴンズがヘッドコーチ就任を発表し、2026年シーズンは中日のヘッドコーチ(背番号77)として過ごした。
楽天を離れてから、37を着けた選手はいなかった。
62、19、10、そして37
甲斐にとって、楽天の37は支配下選手として4つ目の背番号になる。育成選手として入団したときの背番号は130だった。
| 所属 | 期間 | 背番号 |
|---|---|---|
| ソフトバンク | 支配下登録後〜 | 62 |
| ソフトバンク | 2020〜 | 19 |
| 巨人 | 2025〜 | 10 |
| 楽天 | 2027年〜 | 37 |
ソフトバンクで着けた19は、野村克也が現役時代に背負った番号だった。巨人の10は、2024年12月の入団会見で阿部慎之助監督(当時)から受け継いだ番号だ。そして楽天では、野村監督のもとでプロ生活を始めた嶋の37を背負う。捕手として名を残した先人たちの番号を、甲斐は続けて着けることになる。
甲斐は大分県出身で、楊志館高等学校から2010年の育成ドラフト6位でソフトバンクに入団した。2013年11月に支配下登録され、2017年から正捕手に定着する。2018年の日本シリーズではシリーズ新記録の6連続盗塁阻止でMVPに選ばれ、素早い送球は「甲斐キャノン」と呼ばれた。
同じ2010年のドラフトでは、2位の柳田悠岐、育成4位の千賀滉大、育成5位の牧原大成もソフトバンクに入っている。正捕手となった甲斐は2017年から2020年まで4年続けて日本一を経験し、日本代表としても2019年のプレミア12、2021年の東京五輪、2023年のWBCに出場した。3つの大会で、日本はいずれも優勝している。
巨人での2年と金銭トレードの経緯
ソフトバンクでの最後の年となった2024年、甲斐は119試合で打率.256、5本塁打、43打点を残し、チームのリーグ優勝を支えた。そのオフに国内FA権を行使して巨人へ移った。報道によると契約は5年総額15億円(推定)で、2029年まで残っていた。
1年目の2025年は右手中指の骨折で離脱するまで主戦捕手として出場し、68試合で打率.260、4本塁打を残した。ところが2年目の2026年は2軍で過ごす時間が長く、1軍の出場は13試合、20打数2安打にとどまる。2本の安打はどちらも本塁打だった。巨人での2年間の出場は、合わせて81試合。
楽天は10月30日、球団公式サイトで「金銭トレードにて、読売ジャイアンツから甲斐 拓也選手を獲得することに合意いたしました」と発表した。交換の選手はいない金銭トレードで、金額は公表されていない。発表は、巨人が松井秀喜新監督のもとで秋季キャンプを始めた日と重なった。巨人の水野雄仁編成本部長は、甲斐に出場の機会がなかなかなかったと説明し、これからも活躍できる場を用意したかったという考えを示している。
トレードを聞いた甲斐は、巨人の選手やスタッフとの別れに寂しさもあると打ち明けた。巨人での2年間は「財産になった」と話している。
関連記事:甲斐拓也が楽天へ金銭トレード 「勝ちに飢えている」と心境
NPBの記録で、甲斐のプロ通算は2026年シーズン終了時点で1104試合、647安打、68本塁打、312打点、打率.225。ゴールデン・グラブ賞は7度、ベストナインは3度受けている。
| 選手 | 期間 | 試合 | 安打 | 本塁打 | 打率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 嶋基宏(楽天時代) | 2007〜 | 1402 | 930 | 26 | .242 |
| 甲斐拓也(プロ通算) | 2014〜 | 1104 | 647 | 68 | .225 |
2人の数字を並べると、嶋が楽天の13年で出場した試合数は、甲斐のプロ通算を300試合近く上回る。37を背負うことの重みは、この出場数にも表れている。
最下位からの立て直しと捕手争い
楽天の2026年は58勝84敗1分けで、8年ぶりのパ・リーグ最下位に終わった。シーズン途中の6月には三木肇監督に代わって吉井理人監督が指揮を執っている。
捕手陣は大きく入れ替わる。捕手としてチーム最多の100試合に出場した太田光は国内FA権の行使を表明し、伊藤光、石原彪、大栄利哉には来季の契約を結ばないと通告した。10月のドラフト会議では、1位で青山学院大学の渡部海、4位で東芝の萩原義輝と、2人の捕手を指名している。打撃で結果を出しているYG安田は一塁での起用が多く、この秋は三塁の守備にも取り組んでいる。
チームの立て直しで、扇の要となる捕手の役割は大きい。
吉井監督は11月2日、都内でのオーナー報告のあとの取材で、甲斐について経験が豊富で強いチームにもいた選手だと評した。そのうえで、若い選手を引っ張ってほしいと期待を語った。石井GMは10月30日の取材で「勝者のメンタリティーを持っている」と述べている。
11月3日、甲斐は「勝ちに飢えている」と口にし、それはチームも自分も同じだと話した。シーズンの最後の最後まで野球をしたいという趣旨の言葉も残している。
日本一を知る捕手が、嶋の37を着けて仙台で再出発する。11月5日には34歳の誕生日を迎える。
[文/構成 by MediaDogs編集部]








































































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