WBO最新ランキング 川浦龍生がSフライ級1位、松本流星が正規王者に昇格 中谷潤人は2位

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
WBO(世界ボクシング機構)の最新の世界ランキング(10月度、10月28日付)で、川浦龍生(32)=三迫=がスーパーフライ級1位に上がった。ミニマム級では暫定王者だった松本流星(28)=帝拳=が、オスカー・コラーゾ(29)=プエルトリコ=の王座返上を受けて正規王者に昇格。井上尚弥(33)=大橋=が王者に立つスーパーバンタム級で、中谷潤人(28)=M・T=はWBO公式サイトの表で2位に入っている。
3人の現在地 WBO公式ランキングの中身
WBOは11月3日(日本時間4日)までに、10月度の男子世界ランキングを公表した。11月5日にWBO公式サイトで確かめた表は「As of October 28, 2026」(10月28日付)のもので、日本勢の名前が軽量級にずらりと並ぶ。
まずスーパーフライ級。王者は寺地拳四朗(34)=BMB=で、1位に川浦、2位に坪井智也(30)=帝拳=が入った。9月度は1位がユーリ阿久井政悟(31)=倉敷守安=、2位が川浦、3位が坪井だったので、川浦と坪井がそろって一つずつ順位を上げた計算になる。阿久井の名前は10月度の表から消えた。阿久井は11月29日、東京・両国国技館でWBA王者ダビド・ヒメネス(コスタリカ)への挑戦が決まっている。
ミニマム級の王者欄には、松本の名前が載った。9月度の表では王者がコラーゾ、暫定王者が松本という並びだった。コラーゾの名前は、ミニマム級の他団体王者を示す欄にWBA王者として残る。
スーパーバンタム級は王者が4団体を統一する井上で、WBOでは「スーパー王者」の扱いだ。公式サイトの10月度の表では、1位がカール・ジェームス・マーチン(フィリピン)、2位が中谷、3位がラモン・カルデナス(米国)、4位がジョンリール・カシメロ(フィリピン)と、9月度から上位4人の顔ぶれと順番は変わっていない。
一方で、11月4日には、マーチンがランキングから外れて中谷が1位に繰り上がったとの報道も出た。マーチンは10月31日、サウジアラビア・リヤドでアラン・ピカソ(メキシコ)に判定勝ちし、WBCフェザー級シルバー王座を手にしている。ただ、11月5日時点でWBO公式サイトに掲載されている表は、マーチン1位・中谷2位のままだ。
「1位」は自動的に挑戦権を意味しない
世界ランキングの1位は、王者への挑戦にどうつながるのか。
WBOの世界王座戦規定では、ヘビー級を除く各階級の王者は、王座獲得または前回の指名試合から9か月を超えない間隔で、指名挑戦者と12回戦で防衛戦を行うと定める。指名挑戦者を決めるのは王座委員会で、1つの階級で最大2人まで指名できる。順位は判断材料になるが、1位になった時点で自動的に挑戦権が生まれる仕組みではない。
スーパーフライ級の王者・寺地は11月29日の両国国技館で、10月度6位のハシエル・アマドル(メキシコ)を相手に初防衛戦に臨む。1位の川浦にとっては、この試合の勝者と、その後に王座委員会がどう動くかが次の焦点になる。
松本流星、”暫定”が外れるまでの1年
松本の正規王者昇格は、曲折の末に決まった。
始まりは2025年9月。松本は愛知・IGアリーナでのWBA世界ミニマム級王座決定戦で高田勇仁(ライオンズ)に5回負傷判定勝ちし、プロ7戦目で世界王者になった。2026年3月には横浜BUNTAIでの高田との直接再戦に3-0の判定で勝ち、初防衛に成功する。だが当時、同じ階級のWBAにはスーパー王者としてコラーゾがいた。コラーゾとの統一戦は実現せず、松本は6月1日付でWBA王座を返上した。
次の舞台はWBOだった。コラーゾが10月にWBA・WBC統一フライ級王者リカルド・サンドバル(米国)へ挑む計画が持ち上がり、WBOはその試合が始まった時点でコラーゾのミニマム級王座を空位とし、暫定王者を正規王者に上げる方針を示していた。松本は9月27日、トヨタアリーナ東京で行われたWBO暫定王座決定戦で、ラッセル・アコスタ(メキシコ)に3-0の12回判定で勝ち、暫定王座を手にした。
ところが、コラーゾは練習中に肋骨を痛め、サンドバル戦を取りやめた。ミニマム級王座を持ったままになったため、WBOは10月19日付の文書で、コラーゾと松本の団体内統一戦の交渉を命じた。WBOは文書の注記で、1階級に1人の世界王者という方針に沿った指令だと説明している。10月22日には、すぐに興行権の入札へ進むよう求める帝拳プロモーションの請願をWBOが受理し、WBOは10月26日付で入札を11月2日午前10時(プエルトリコ時間)に本部で行うと命じた。最低入札額は8万ドルだった。
入札は開かれなかった。11月2日(日本時間3日)、WBOはコラーゾ陣営から王座返上の正式な通知を受けたと発表し、入札を中止。1階級1王者の方針に基づき、松本を正規王者とする裁定を出すと明らかにした。15戦全勝(12KO)のコラーゾは、今後は階級を上げて複数階級制覇を目指す方針と報じられている。
関連記事:松本流星、アコスタに3-0判定でWBO暫定王座獲得 9戦全勝で「夢はかなえられる」
これで松本は9戦全勝(4KO)のまま、WBO世界ミニマム級の正規王者になった。WBAの正規王座、WBOの暫定王座と続いた”王者の上に別の王者がいる”立場から抜け出し、他団体の王者との統一戦も視野に入る。
中谷潤人と川浦龍生、それぞれの直近の歩み
中谷は5月2日、東京ドームで井上の4団体統一王座に挑んだ。32戦全勝同士の一戦は日本ボクシング史上最多の5万5千人を集め、井上が判定で制した。中谷にとってはプロ初黒星だった。
試合で左眼窩(がんか)底を骨折した中谷は手術を受け、約3か月の休養を経て8月1日に所属ジムでの練習を再開した。10月25日から28日には神奈川・相模湖で走り込みの合宿を行ったという。今月の診察で医師の許可が出れば実戦練習に入る予定で、スーパーバンタム級での4階級制覇を目標に、2027年1月から3月の再起戦を見据えている。WBOフライ級、同スーパーフライ級、WBC・IBFバンタム級と3階級で世界王座を手にしてきた28歳にとって、復帰戦の相手と時期が次の注目点になる。
川浦はWBOアジアパシフィック・スーパーフライ級王者だ。2024年8月に大橋哲朗(真正)を11回TKOで破って王座に就き、田井宜広(RST)、白石聖(志成)の挑戦を退けた。2026年2月10日には東京・後楽園ホールで韓亮昊(六島)に2-1の判定で勝ち、3度目の防衛を果たしている。戦績は15勝9KO2敗。徳島市立高等学校から中央大学に進み、2022年に三迫ジムへ移籍した。試合後に口にした「よかったのは勝ったことだけ」という言葉どおり、内容に満足しないまま世界1位まで上がってきたサウスポーだ。
日本選手が並ぶWBO10月度ランキング(主な階級)
WBOの10月度ランキングで、スーパーバンタム級からミニマム級までに名前が載った主な日本選手は次のとおり。
| 階級 | 順位 | 選手 |
|---|---|---|
| スーパーバンタム級 | スーパー王者 | 井上尚弥 |
| スーパーバンタム級 | 2位 | 中谷潤人 |
| バンタム級 | 1位 | 武居由樹 |
| バンタム級 | 4位 | 那須川天心 |
| バンタム級 | 7位 | 伊藤千飛 |
| バンタム級 | 15位 | 比嘉大吾 |
| スーパーフライ級 | 王者 | 寺地拳四朗 |
| スーパーフライ級 | 1位 | 川浦龍生 |
| スーパーフライ級 | 2位 | 坪井智也 |
| スーパーフライ級 | 5位 | 中川健太 |
| フライ級 | 3位 | 富岡浩介 |
| フライ級 | 6位 | 高見亨介 |
| フライ級 | 10位 | 田中将吾 |
| ライトフライ級 | 2位 | 尾崎優日 |
| ライトフライ級 | 6位 | 谷口将隆 |
| ミニマム級 | 王者 | 松本流星 |
| ミニマム級 | 10位 | 森且貴 |
| ミニマム級 | 13位 | 北野武郎 |
フェザー級でも武藤涼太(松田)が3位、中野幹士(帝拳)が4位、下町俊貴が6位に入った。重い階級ではスーパーフェザー級の尾川堅一が3位につける。
関連記事:坂井優太がWBAバンタム級7位、片岡雷斗はライトフライ級9位 揃ってWBA世界ランキング入り
11月29日の両国国技館では、寺地の初防衛戦と阿久井のWBA王座挑戦が同じ日に組まれている。結果しだいでスーパーフライ級の勢力図は大きく動き、1位の川浦と2位の坪井の次の一手にも影響する。松本の初防衛戦の相手と、中谷の再起戦の日程は、11月5日時点でまだ発表されていない。
[文/構成 by MediaDogs編集部]








































































コメントはこちら