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高森悠叶、東日本新人王スーパーフライ級決勝で佐藤竜冴に2回TKO負け 後楽園ホールで

高森悠叶、東日本新人王スーパーフライ級決勝で佐藤竜冴に2回TKO負け 後楽園ホールで

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

プロボクシングの第83回東日本新人王決勝が11月3日、東京・後楽園ホールで行われ、スーパーフライ級の高森悠叶(24)=大橋=は佐藤竜冴(23)=横浜光=に2回2分41秒TKOで敗れた。2回にダウンを奪われ、立ち上がった後の連打でレフェリーが試合を止めた。高森は試合後、「もう少し前に出ても良かったかなと思う」と悔しさを口にしている。12月19日の全日本新人王決定戦には、勝った佐藤が東軍代表として進む。

2回2分41秒、右のダウンから連打でストップ

決勝は各階級とも5回戦で組まれ、この一戦も規定は5ラウンドだった。準決勝を4回戦で勝ち上がった高森にとっては、ラウンド数の増える舞台での戦いになった。

序盤はオーソドックス同士のジャブの差し合いから始まる。ここで先手を取ったのは佐藤だった。少しずつ圧力を強めて前へ出ると、2回に右のパンチを打ち込んでダウンを奪う。高森はカウント中に立ち上がり、再開後は守りを固めて立て直しを図った。

だが、流れは戻らなかった。

佐藤は再開後も右、さらに左ボディーと攻め手を緩めず、連打を浴びた高森を見てレフェリーが割って入った。記録は2回2分41秒、レフェリーストップによるTKO。規定の5ラウンドの半分も終わらないうちに、勝負は決まった。

高森は前日の11月2日、東京都文京区の日本ボクシングコミッション(JBC)で行われた計量でスーパーフライ級のリミット52.1キロちょうどでパスしていた。佐藤は51.8キロ。計量後には「全部で相手を上回る」と意気込み、体重の落ち方もスムーズだったと話していた。9月の準決勝からあまり体重を増やさずに練習を続けられたといい、試合間隔の短さを前向きに捉えていた。

調整が順調だった分、結果とのギャップは大きい。決勝の舞台で、準決勝までのような競り合いに持ち込む前に試合が終わった。

関連記事:東日本新人王決勝の前日計量、輪島功一の孫・磯谷広太が63.3キロでクリア 2度目の決勝でトロフィー狙う

「ディフェンスでしのごうと思った」試合後に語った悔い

高森は今年の新人王トーナメントで、決勝までの3試合をいずれも競り合いの末に勝ち上がってきた。9月18日に後楽園ホールで行われた準決勝では、越前屋亮=湘南山神=との4回戦に判定で勝ち、決勝の切符を手にしている。粘り強く判定をものにしてきた選手にとって、2回での決着は想定とは違う展開だった。

試合後、高森は2回のダウンの後について、守りでしのごうと考えていたと明かした。そのうえで「もっとやってきたことを出したかった。もう少し前に出ても良かったかなと思う」と語っている。ダウンの後に守りを選んだ判断を、本人は反省点に挙げた。

一方で、次のステップはすでに見え始めている。報道によると、高森は4回戦を戦うC級で4勝を挙げており、来年は6回戦(B級)で戦う見通しだ。指導する元日本スーパーフェザー級王者の岡田誠一トレーナーは「高森はスタミナがあるので、6回戦の方が向いている」と話し、ラウンド数が増える舞台への移行を後押しした。

プロボクサーのライセンスは、デビュー時のC級の試合は原則4回戦で、4勝を挙げるとB級へ上がる資格を得て6回戦に出られるようになる。新人王戦はそのC級の選手が中心のトーナメントで、多くの選手にとって初めての大きな目標になる。高森にとって決勝は、6回戦へ上がる前の一戦でもあった。

新人王戦の決勝で敗れても、キャリアが止まるわけではない。長いラウンドで持ち味を出せるかどうかが、来年の焦点になる。

会社員と両立する「デュアルキャリア社員」

高森は2002年8月3日生まれ、秋田県出身。大橋ジムの公式サイトによると、2024年10月17日にプロデビューした右構えの選手で、得意なパンチに右ストレートを挙げる。目標は世界チャンピオン、憧れのボクサーには同じジムの井上尚弥の名前を書いている。報道によると、新人王戦は今回が2度目の挑戦だった。

リングの外では会社員の顔を持つ。ITコンサルティング事業などを手がけるクラウディオ社に入社し、開発エンジニアとして働く。同社でアスリートとデジタル分野のキャリアを両立させる制度「デュアルキャリア社員」として採用され、仕事と競技を並行して続けてきた。

計量の日には、会社について「アスリートに理解がある会社なので、すごく良くしてもらっている」と話していた。試合前は仕事を減らしてもらっていたといい、「会社の方にも恩返ししたい」と話していた。その恩返しは、来年以降に持ち越しとなった。

勝った佐藤竜冴は7戦無敗、6勝すべてKO

勝った佐藤は、この勝利で7戦無敗、6勝すべてをKOで挙げた(1分け)。9月17日の準決勝では久我柊生=本多=から初回に2度ダウンを奪い、1回1分57秒TKOで決勝に進んでいる。決勝前の戦績は5勝5KO1分けで、決勝でもKO勝ちを重ねた。

大会後の表彰では、佐藤が敢闘賞に選ばれた。最優秀選手賞(MVP)はスーパーバンタム級で西本剛=角海老宝石=に1回TKO勝ちした小林蓮=RK蒲田=、技能賞はスーパーライト級で竹内凰騎=T&T=に3-0判定勝ちした磯谷広太=三迫=が受けた。

佐藤は試合後、ダウンを奪った右の打ち下ろしについて、特に手応えはなく淡々と戦った結果だと語った。KOの中身にもこだわりがあり、「一発で失神させるのが本物のKOやと思う」と話している。京都府出身で、ボクシングを始めたのは19歳のころで、上京して横浜光ジムに入門した経歴の持ち主だ。全日本新人王決定戦に向けては「後悔しないよう、毎日一生懸命生きて」練習を積むと話し、西軍代表との一戦を見据えていた。

同じ大橋ジムの林兼士はミニマム級で優勝

大橋ジムにとっては明暗が分かれた一日だった。高森と同じ大橋ジムの林兼士はミニマム級で関純輝=角海老宝石=に3-0(50-44×3)の判定で勝ち、東日本新人王となった。3回に左でダウンを奪い、最後まで主導権を渡さなかった。

大会は観衆1840人。12階級のうち、ライトフライ級は當山楓真=ワタナベ=との決勝が不戦となって児島義輝=角海老宝石=の優勝が決まり、11試合が行われた。主な階級の勝者は次のとおり。

階級勝者敗者決着
ミニマム級林兼士(大橋)関純輝(角海老宝石)判定3-0
スーパーフライ級佐藤竜冴(横浜光)高森悠叶(大橋)2回2分41秒TKO
スーパーバンタム級小林蓮(RK蒲田)西本剛(角海老宝石)1回2分20秒TKO
スーパーライト級磯谷広太(三迫)竹内凰騎(T&T)判定3-0
ミドル級筒井ちび太(パンチアウト)岡村弥徳(八王子中屋)5回31秒TKO

各階級の東日本新人王は、12月19日に後楽園ホールで行われる全日本新人王決定戦で、11月7日に決まる西軍代表と対戦する。スーパーフライ級は佐藤が東軍代表として出場し、決勝で敗れた高森はこの全日本の舞台には進まない。

関連記事:東日本新人王決勝戦、11月3日に後楽園ホールで当日券を販売 11階級の決勝カードとU-NEXT配信

高森の次の目標は、6回戦での再出発になる。「もう少し前に出ても」という反省を、ラウンドの増える舞台でどう生かすか。会社員として働きながら世界を目指す24歳の挑戦は、ここから仕切り直しとなる。

[文/構成 by MediaDogs編集部]

寄稿者

MediaDogs編集部
メディアドッグス株式会社のMediaDogs編集部チーム。インターネットマーケティングに約10年携わるメンバーで編成し、企画・取材・執筆から公開後の改善まで一貫して担当。「出会いを、設計する。」のもと、人と企業が正しく出会える場をつくるために、一次情報の確認とファクトチェックを徹底。情報をわかりやすく誠実に届け、読者の疑問を解決します。

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