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片岡叶夢、1回1分28秒KOで2戦連続KO A級昇格、習志野市立習志野高等学校で高校3冠

片岡叶夢、1回1分28秒KOで2戦連続KO A級昇格、習志野市立習志野高等学校で高校3冠

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

高校3冠の”ザ・ドリーム”片岡叶夢(18)=大橋=が10月29日、東京・後楽園ホールのフェニックスバトル162でジャクパン・サントン(タイ)に1回1分28秒KO勝ちした。6月のデビュー戦に続く連続KOでプロ2連勝。B級(6回戦)で2勝を挙げ、A級(8回戦以上)への昇格を決めた。同じ興行のメインでは兄の雷斗が東洋太平洋ライトフライ級王座を手にしている。

88秒で決着、左ボディーアッパーが起点に

試合は興行の第1試合に組まれたバンタム級6回戦だった。前日計量では片岡が53.4kg、サントンが53.2kgで、ともにリミットの53.5kgを下回っている。計量を終えた片岡は、1回計量と試合を経験してプロの雰囲気も分かったと話し、「良い緊張感がある」と続けていた。

サウスポーの片岡は開始から距離を詰め、左ボディーアッパーを突き刺した。ここから相手を崩し、1回1分28秒で10カウントを聞かせる。ゴングから88秒。相手のサントンは36歳のベテランで、この試合を終えた時点の戦績は17勝(13KO)15敗となった。

決め手となった左ボディーアッパーについて、片岡は手応えがあったと語っている。

課題も口にした。長いラウンドを想定して準備し、接近して攻めようと切り替えたところで試合が終わったため、もう少しやりたかったという。プロ用の8オンスグローブで戦った経験はまだ少なく、安心感はつかめていないとも話した。ガードをより丁寧にする必要があると、自ら課題を挙げている。

試合後は、まず勝ててほっとしたと口にした。

B級2勝でA級へ、タイトル戦も視野

プロボクシングでは、試合のラウンド数がライセンスの級で決まる。B級は6回戦、A級は8回戦以上に出場できる区分だ。片岡は6回戦で2戦2勝とし、プロ2戦目でA級に上がった。

デビューは6月10日、同じ後楽園ホールで行われたフェニックスバトル157。54.0kg契約の6回戦でタイの選手と対戦し、3回TKOで白星を挙げていた。初戦はTKO、2戦目はKOと、2試合とも相手を倒し切って勝っている。

次の段階について、片岡は来年は強い相手と戦ってランキング入りしたいと話した。「ベルトに近づけるように」とも語り、チャンスがあればタイトル戦にも挑みたいという。地域タイトルを来年の目標に掲げており、いつ声がかかってもいいように準備を続けるとしている。

習志野市立習志野高等学校で積み上げた全国3冠

片岡は2008年1月29日生まれ、千葉県出身。身長171cmのサウスポーだ。4歳でキックボクシングを始め、兄の雷斗の影響で小学3年からボクシングに打ち込んだ。

高校は習志野市立習志野高等学校に進んだ。1年生だった2023年10月、鹿児島県で開かれた特別国民体育大会(燃ゆる感動かごしま国体)の少年男子フライ級で優勝する。会場は阿久根総合運動公園総合体育館。10月11日の準決勝で熊本県代表を判定で破ると、翌12日の決勝も宮崎県代表に判定で勝ち、1年生で全国の頂点に立った。

同じ日、同じ会場の少年男子ライトフライ級決勝では、兄の雷斗も習志野高の選手として優勝している。

3年生になった2025年は階級をバンタム級に上げた。8月の岡山インターハイで優勝し、10月の国民スポーツ大会でも少年男子バンタム級を制した。千葉県ボクシング連盟は、鹿児島の特別国体、岡山インターハイに続く全国3冠の達成として伝えている。インターハイでは初戦から3試合続けてRSC(レフェリーストップ)で勝ち、8月2日の準決勝へ進んでいた。そこから決勝まで勝ち抜き、バンタム級の頂点に立っている。

リングの外では、高校3年時に第38回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストにも挑戦した。卒業後、兄と同じ大橋ジムからプロの道に進んでいる。

兄・雷斗は3戦目で東洋太平洋王座

フェニックスバトル162は大橋ジムが主催し、全6試合が組まれた。第2試合のWBOアジアパシフィック・フライ級タイトルマッチ、第3試合の東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ、セミファイナルの東洋太平洋・日本フライ級タイトルマッチと、タイトル戦が並ぶ興行だった。オープニングを務めたのが弟の叶夢で、メインに兄の雷斗が登場する兄弟の出場順となった。興行はLeminoプレミアムで10月29日17時45分から独占ライブ配信され、見逃し配信は11月12日23時までの予定となっている。

兄弟が並んだ興行は、兄の勝利で締めくくられた。メインの東洋太平洋ライトフライ級王座決定戦10回戦で、片岡雷斗(20)=大橋=が同級1位のアルアル・アンダレス(フィリピン)を9回2分56秒TKOで下し、空位の王座を獲得した。

アマチュア6冠の”ザ・サンダー”にとって、プロ初のベルトとなる。3月24日のデビュー戦では、いきなり日本ランカーと拳を交えて6回TKOで勝っている。そこから数えて、わずか7カ月での戴冠だった。試合後の雷斗は、アンダレスの打たれ強さをたたえ、自身初のベルトを重いと表現した。プロ3戦目での東洋太平洋王座獲得は、国内男子の最速タイ記録だ。大橋秀行会長は、次戦での世界挑戦に進む考えを示した。

関連記事:片岡雷斗、東洋太平洋王座決定戦の前日計量をクリア 3戦目での戴冠なら国内男子最速タイ

弟の叶夢がオープニングで勝ち、兄がメインで初のタイトルを手にした。3年前の鹿児島で同じ日に優勝した2人が、プロのリングでも同じ日にそろって勝った。

次の舞台は8回戦以上

A級に上がったことで、片岡は8回戦以上の試合に出られるようになる。次戦の日程や相手は、10月30日時点で発表されていない。大橋ジムのフェニックスバトルは11月10日に163、12月3日に164と続き、164の対戦カードは10月28日に発表された。

本人は、これからは手応えのある相手と戦えるはずだと話している。対戦相手のレベルが上がれば、2戦続けた早い回での決着とは違う展開も増えるだろう。8オンスのグローブへの慣れ、長いラウンドの組み立てという自ら挙げた課題に、どう答えを出すか。

大橋ジムでは兄が世界挑戦に向けて動き出す。弟が目指すのは、まずランキング入りと地域タイトルだ。

関連記事:フェニックスバトル164、12月3日のカード発表 1000万円トーナメント決勝は渡邊海と木谷陸

[文/構成 by スポーツ担当ライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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