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田中諒が指名あいさつ 日本大学第三高等学校で高校通算30本塁打、目標は中村剛也

田中諒が指名あいさつ 日本大学第三高等学校で高校通算30本塁打、目標は中村剛也

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10月22日のプロ野球ドラフト会議で埼玉西武ライオンズから4位指名を受けた日本大学第三高等学校(東京都町田市)の田中諒捕手(17)が10月29日、同校で球団から指名あいさつを受けた。高校通算30本塁打の右の長距離打者で、目標に挙げたのは西武一筋で通算482本塁打の中村剛也内野手だ。球団は捕手として育てる方針を示した。

秋元宏作球団副本部長らが町田市の日大三高を訪問

指名あいさつは10月29日、東京都町田市図師町にある日本大学第三高等学校で行われた。西武からは秋元宏作球団副本部長と竹下潤スカウトが訪れ、田中にあいさつした。

田中は日本大学第三高等学校の3年生で、野球部では最終学年で主将を務めた。2008年11月6日生まれで、11月6日に18歳になる。身長180センチの右投げ右打ち。NPBが公表した選択選手一覧には「捕手」として名前が載っている。

席上で田中が口にしたのは、プロの舞台で目指す打者像だった。同じ西武の中村剛也を目指してやっていきたいと語り、中村と話す機会があれば、打ち方を形から全て聞いて自分に合った部分を吸収したいと意欲を示した。バッティングでチームに貢献したいとも話している。

捕手としての公式戦出場は3試合にとどまる。それでも田中は「今までやってきたことを自信を持ってやっていきたい」と話した。

「打てる捕手」として育成へ 球団が評価した点

経験の少ない捕手での指名。球団には狙いがある。

秋元球団副本部長は田中の守備について、スローイングもハンドリングも柔らかいと評価した。そのうえで「まずは捕手として育てていきたい」と方針を明かし、最近の強いチームには打てる捕手が必ずいると説明した。打てる捕手は貴重なので、しっかり育てたいという考えだ。

高校では一塁や外野も守り、ドラフト前は内野手として紹介されることも多かった。1年秋からベンチ入りし、当初は4番・一塁を任された。3年夏の西東京大会では、7月12日の初戦・翔陽戦で捕手としてマスクをかぶった一方、7月14日の2回戦・府中西戦と7月24日の準決勝・創価戦は3番・一塁で先発した。プロでは打撃を生かしながら、捕手としての経験を一から積んでいく。

ドラフト当日のインターネット中継では、新聞社スポーツ部の編集委員が田中を「右の大砲候補ですよね」と紹介し、プロでは打者として野手で勝負していくのではないかという見方も示した。球団の答えは捕手だった。

捕手を一から鍛えるには時間がかかる。球団が4位で指名に踏み切った背景には、30本塁打を積み上げた長打力への評価があった。

目標は通算482本塁打の中村剛也

田中が名前を挙げた中村剛也は、大阪桐蔭高校から2001年ドラフト2巡目で西武に入団し、プロ25年目の2026年もプレーした43歳の内野手だ。NPBの記録で通算2170試合に出場し、482本塁打を放っている。2026年は26試合で1本塁打だった。

本塁打王は2008年、2009年、2011年、2012年、2014年、2015年の6度。「おかわり君」の愛称で親しまれ、西武一筋で本塁打を積み重ねてきた。2025年シーズンを481本で終え、2026年の1本で482本に伸ばしている。500本まで残りは18本だ。

田中が中村の名前を出したのは、指名あいさつが初めてではない。10月22日のドラフト会議で指名を受けた直後にも、「中村剛也さんのように飛ばせる打者を目指したいです」と話したと報じられている。1週間後の指名あいさつでも、目標は変わらなかった。

右打ちで、体の大きな長距離砲。田中には、中村と重なる部分がある。

関連記事:中村剛也、代打でサヨナラ打 43歳1カ月で自身の持つ球団最年長サヨナラ安打記録を更新、西武5x-4ロッテ

甲子園準優勝の4番 高校通算30本塁打までの歩み

田中の名前が全国に知られたのは、2年生だった2025年夏の甲子園だった。日本大学第三高等学校は第107回全国高校野球選手権大会で決勝まで勝ち進み、8月23日の決勝で沖縄尚学に1-3で敗れて準優勝となった。

この大会で田中は背番号3を付け、4番・一塁として出場した。8月11日の2回戦・豊橋中央戦では同点の8回に勝ち越しのソロ本塁打を放ち、8月19日の準々決勝・関東一戦では5回に左翼席へソロ本塁打を運んだ。関東一を5-3で下したこの試合で、田中の一発はチームの5点目となった。2024年春に低反発の金属バットが導入されて以降、甲子園の1大会で複数本塁打を記録した選手は田中が初めてだった。

準々決勝の試合後、田中は「いいスイングができて今までで一番飛距離が出た」と語った。チームは準決勝で県岐阜商と延長10回タイブレークにもつれ込み、4-2で競り勝って決勝へ進んでいる。

最終学年は主将としてチームを引っ張った。3年夏の西東京大会では7月24日、神宮球場での準決勝で創価に4-7で敗れ、2年連続の甲子園出場はならなかった。1-7で迎えた9回に3点を返したが、あと一歩届かず。田中は1回の適時打を含む2安打2打点と結果を残し、試合後に「プロに行きたいと思ってます」と明言した。その後プロ志望届を出し、高校通算30本塁打の長打力を武器にドラフト当日を迎えた。

日本大学第三高等学校は2001年と2011年に夏の甲子園で優勝した強豪だ。2025年夏の準優勝に貢献した4番が、西武の4位指名でプロへの道を開いた。

ドラフト当日は涙 西武は支配下5人を指名

報道によると、10月22日のドラフト会議で名前を呼ばれた瞬間、田中は日大三高の野球部寮で涙を流した。同席した三木有造監督から「泣いてる場合じゃない」と声をかけられたという。田中はこのとき「ほっとしました」と話し、名前が呼ばれないまま終わるのではないかと不安だったことも明かした。西武については明るいイメージだと語っている。

西武がこのドラフトで指名した支配下選手は5人。1位から3位までは投手で、4位の田中が野手で最初の指名だった。NPBの選択選手一覧は次のとおり。

順位選手名守備所属
1位川尻啓人投手亜細亜大学
2位柿本晟弥投手パナソニック
3位沢山優介投手ヤマハ
4位田中諒捕手日本大学第三高
5位中津大和外野手日本生命

支配下で指名された5人のうち、高校生は田中だけだ。育成選手選択会議では三浦遼大(茨城アストロプラネッツ)、川島謙心(龍谷大学付属平安高)、後藤幸樹(沼津商業高)の3人を指名した。

関連記事:川尻啓人、指名あいさつで新人王を目標に 亜細亜大学での経歴、理想は山本由伸

契約金や年俸など、入団に向けた条件は10月30日時点で発表されていない。高校生捕手として西武のユニホームに袖を通す田中は、目標の中村と同じチームでプロの一歩を踏み出す。

[文/構成 by スポーツ担当ライター 高瀬翔吾]

寄稿者

高瀬翔吾
Webメディアでスポーツ、エンタメ、時事ニュースなど、累計数千本の記事制作に携わってきたスポーツ系ライター。野球分野では、プロ野球の試合結果や選手の記録をはじめ、MLB、高校野球、ドラフト、移籍、契約更改などの記事を継続的に担当。数字や公式記録を基に情報を整理する記事を得意としており、結果を伝えるだけでなく、その記録が持つ意味や、選手・球団を取り巻く背景までわかりやすく解説することを心がけている。主な執筆分野は、プロ野球、MLB、高校野球、侍ジャパン、ドラフト、移籍情報。

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