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星知弥、国内FA権を行使せず残留へと報じられる 池山隆寛監督も来季の残留を要望

星知弥、国内FA権を行使せず残留へと報じられる 池山隆寛監督も来季の残留を要望

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ヤクルトの星知弥投手(32)が、今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使するかどうかを考えてきた。報道によると、池山隆寛監督は10月28日、本人の権利を尊重しながら来季の残留を望む考えを示した。翌29日には、星が権利を行使せず残留する意思を固めたと報じられた。FA宣言の期限は11月9日だ。

池山監督が戸田の秋季練習で残留を要望

池山監督は10月28日、埼玉県戸田市の戸田球場で行われた秋季練習を視察し、取材に応じた。報道によると、FAは選手個人の権利だとして星の判断を尊重する姿勢を見せたうえで、来季もチームに残ってほしいと語った。

池山監督が挙げた理由は、勝ちゲームの7回、8回を任せてきた実績だった。来季も救援陣の競争に加わってほしいと期待を寄せ、チームにとって貴重な選手になった1年だったとも評価している。

就任1年目の池山監督にとって、今季は悔しさの残るシーズンだった。開幕から首位争いを演じながら夏場に失速し、最終的にセ・リーグ5位で4年連続のBクラスに終わる。チーム本塁打は12球団最少の83本。10月20日に東京都内のヤクルト本社で成田裕オーナーにシーズンを報告した際には、来季の目標にAクラス入りと優勝を掲げた。上位に戻るには、接戦の終盤を任せられる救援投手が欠かせない。

星への信頼は、苦しい場面でも変わらなかった。4月24日、バンテリンドームナゴヤでの中日戦。4-3とリードした9回に登板した星は、先頭の細川成也に左前打、1死後に代打の川越誠司に左中間への二塁打を許し、1死二、三塁から村松開人に右翼へ逆転サヨナラ3ランを浴びた。試合直後、池山監督はベンチ前に出て引き揚げてくる選手を迎え、一人ひとりの肩をたたいて励ましている。その後も星は7回、8回を中心に投げ続け、自己最多の登板数までたどり着いた。

熟考から残留へ、球団と複数回の話し合い

星は10月19日にNPBが公示した2026年度のFA有資格選手名簿で、今季新たに国内FA権を取得した選手に名を連ねた。国内FA権を行使すると、国内の全球団と自由に契約交渉ができるようになる。ヤクルトからは宮本丈内野手も今季、国内FA権を取得したが、10月15日に権利を行使せず残留する意向を明らかにしている。名簿によると、ヤクルトでFA権を持つ選手は星を含めて9人。山田哲人内野手、中村悠平捕手、小川泰弘投手らベテランも名を連ねており、球団にとって今オフは主力の去就が重なる時期になった。

関連記事:FA有資格者104人をNPBが公示 2026年の新規国内FA権は森下暢仁・周東佑京ら21人

去就についての本人の言葉は、シーズン最終戦の後にあった。10月8日、甲子園での阪神戦。ヤクルトが4-0で勝ったこの試合の8回に登板し、3者連続三振で締めて自己最多となる51試合目の登板を終えた。それまでの最多は2023年の47試合で、4試合上回ったことになる。試合後には、体力的にも精神的にもしんどいシーズンだったと1年を振り返り、FA権の行使は時間をかけてゆっくり考えたいと話していた。報道によると、この時点ですでに残留が基本線とされていた。

そして10月29日、星が国内FA権を行使せず残留する意思を固めたと報じられた。報道によると、球団と複数回にわたって交渉を重ねたうえでの決断で、本人は相当に悩んだものの、スワローズの一員として神宮球場のマウンドで投げ続けたい思いが勝ったという。来季も今季と同じように勝っている場面で投げ、自分のポジションを確立したいとも語ったと伝えられている。

10月29日時点で、球団からの正式な発表はまだない。契約年数や年俸などの条件も明らかになっていない。

宇都宮工業高から明治大、救援で積み上げた10年

星は1994年4月15日生まれの32歳で、栃木県出身。栃木県立宇都宮工業高等学校から明治大学に進み、2016年のドラフト会議で2位指名を受けてヤクルトに入団した。身長183センチ、体重91キロの右投げ右打ちで、背番号は24だ。

プロ1年目の2017年は先発も任され、24試合で110回1/3を投げて4勝7敗、71三振を奪った。ところが、その後は故障にも苦しみ、2019年は10試合、2022年は7試合の登板にとどまった。2020年には36試合に投げたものの防御率は5.25で、救援の一角に定着するまでには時間がかかった。

転機は救援に専念してからだった。2023年に47試合で20ホールドを挙げると、2025年は抑えも任されて17セーブ、防御率1.67を記録する。2025年の数字を細かく見ると、43回を投げて41三振を奪い、自責点はわずか8。1イニングにほぼ1つのペースで三振を取り、走者を出しても失点につなげなかった。

今季は役割が変わり、主にセットアッパーとして51試合に投げて2勝4敗1セーブ、31ホールド、防御率2.63。登板数とホールド数はともに自己最多となった。抑えから一つ前の回へ回っても、チームが勝っている試合の終盤を任され続けた。

NPB公式記録による年度別の投手成績は次のとおりだ。

年度登板勝-敗-S-H防御率
2017244-7-0-24.73
2018182-0-0-04.02
2019101-3-0-08.53
2020360-1-0-35.25
2021250-0-1-74.81
202270-1-0-04.38
2023472-2-0-203.38
2024361-0-1-23.62
2025441-2-17-171.67
2026512-4-1-312.63
通算29813-20-20-824.04

通算298試合のうち、直近4年だけで178試合を占める。20代の終わりから救援の中心に定着した投手だと、数字がはっきり示している。今季は48回を投げて33三振を奪い、自責点は14だった。

FA宣言の期限は11月9日

国内FA権を行使する選手は、日本シリーズ終了の翌日から土曜、日曜、祝日を除く7日以内に、所属球団へ意思を伝える必要がある。

2026年の日本シリーズは10月28日、みずほPayPayドーム福岡での第4戦でソフトバンクがDeNAに逆転勝ちし、4連勝で2年連続13度目の日本一を決めて幕を閉じた。この結果、申請期間は10月29日から始まる。11月3日の文化の日を除いて数えると、7日目は11月9日の月曜日だ。期間が終わると、NPBが権利を行使する選手をFA宣言選手として公示し、他球団との交渉が解禁される流れになる。

星の決断が報道どおりなら、ヤクルトは今季のブルペンを支えた右腕を引き留めることになる。残留すれば、来季はプロ11年目のシーズンだ。池山監督が求めた勝ちゲームの終盤を、背番号24が再び担う。他球団でも、新たに国内FA権を手にした選手がそれぞれ去就を考えている。

関連記事:上林誠知、FA権の行使を熟考 中日・工藤新監督は残留を希望、球団とは2度話し合い

権利を持つ選手の多くが、11月9日の期限までに結論を出す。星については、球団が残留を正式に発表するかどうかが次の焦点になる。

[文/構成 by スポーツ担当ライター 高瀬翔吾]

寄稿者

高瀬翔吾
Webメディアでスポーツ、エンタメ、時事ニュースなど、累計数千本の記事制作に携わってきたスポーツ系ライター。野球分野では、プロ野球の試合結果や選手の記録をはじめ、MLB、高校野球、ドラフト、移籍、契約更改などの記事を継続的に担当。数字や公式記録を基に情報を整理する記事を得意としており、結果を伝えるだけでなく、その記録が持つ意味や、選手・球団を取り巻く背景までわかりやすく解説することを心がけている。主な執筆分野は、プロ野球、MLB、高校野球、侍ジャパン、ドラフト、移籍情報。

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