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床田寛樹、代理人同席で広島と交渉 FA権行使は熟考、今後は主に代理人が交渉

床田寛樹、代理人同席で広島と交渉 FA権行使は熟考、今後は主に代理人が交渉

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今季国内FA権を取得した広島東洋カープの床田寛樹投手(31)が10月27日、マツダスタジアム内の球団事務所(広島市南区)で、代理人を交えて球団との初交渉に臨んだ。球団からは「来年以降も一緒にやりたい」と伝えられたが、FA権を使うかどうかは決めていない。条件面は、この日は提示がなかったとする報道と、すでに示されていたとする報道に分かれた。今後は主に代理人が球団と話を進める。

10月27日の初交渉で床田が語ったこと

交渉の席に着いたのは、球団側が鈴木清明球団本部長と井生崇光管理部次長、選手側が床田と代理人だった。床田が代理人と一緒に球団と向き合ったのは、この日が初めてとなる。

交渉を終えた床田は報道陣の取材に応じ、球団から「来年以降も一緒にやりたい」と言われたことを明かした。そのうえで、残るか出るかのどちらかに気持ちが傾いているわけではないと説明し、「まだ時間はある」「のんびり考えようかな」と、結論を急がない姿勢を見せている。

年齢の話にも触れた。31歳でFA権を手にした床田にとって、権利を行使できる機会は「最初で最後」になるとの認識を示し、しっかり考えて決めたいと話した。報道によると、国内の複数球団が床田の獲得に向けた調査を進めているという。これまでの報道では巨人の名前が挙がり、オリックスも獲得調査に乗り出したと伝えられた。

条件面の扱いは、媒体によって伝え方が分かれた。この日は具体的な条件提示がなかったとする報道がある一方、球団はすでに条件を示しており、その上で改めて残留を求めたとする報道もある。どちらの報道も、提示額や契約年数など条件の中身には触れていない。

国内FA権の取得と宣言の期限

日本野球機構(NPB)は10月19日、2026年度のFA有資格選手名簿を公示した。床田は森下暢仁投手、坂倉将吾捕手とともに、今季新たに国内FA権を得た選手として名を連ねている。公示時点の有資格者は104人で、その後オリックスの石川亮捕手が今季の国内FA権取得者として追加され、10月28日時点のNPBの名簿は105人となっている。

関連記事:FA有資格者104人をNPBが公示 2026年の新規国内FA権は森下暢仁・周東佑京ら21人

国内FA権は、国内の他球団と自由に移籍交渉ができる権利だ。宣言した選手は所属球団を含む複数の球団と交渉でき、条件を比べたうえで行き先を選ぶ。行使するには、日本シリーズ終了日の翌日から土曜・日曜・祝日を除く7日以内に、所属球団へ意思を伝える必要がある。

その日本シリーズは、福岡ソフトバンクが横浜DeNAに開幕から3連勝し、日本一連覇に王手をかけた。第4戦は10月28日、みずほPayPayドーム福岡で行われる。この試合で決着すれば宣言期間は10月29日から始まり、11月3日の文化の日と土日を除いて数えると、期限は11月9日になる。シリーズが長引けば、その分だけ期限も後ろへずれる。

床田が話したとおり、宣言するかどうかを決めるまでには、まだ日数が残っている。

宣言残留を認める広島の方針

広島は、床田らがFA宣言をした場合でも、球団に残る道を閉ざさない。鈴木球団本部長は10月15日、FA権を新たに得た床田、森下、坂倉の3人について、宣言をしても残りたいのであれば残ればいいという趣旨の考えを示し、いわゆる宣言残留を認める方針を明らかにした。

関連記事:広島、FA宣言残留を認める方針 宣言残留とは何か、床田寛樹・森下暢仁・坂倉将吾の去就

宣言残留を認めない球団もあるなかで、この方針は選手にとって他球団の評価を聞いてから広島に残る選択肢が残ることを意味する。ただ、床田とはこの時点で日程が合わず、球団と話す機会はなかった。現役を長く続けたい気持ちはすでに球団に伝えており、近いうちに代理人が交渉の席に着く見通しと報じられていた。新井貴浩監督は10月19日、3人と直接話して自分の考えを伝えたことを明かしている。新井監督は、3人が努力して手にした権利であり、本人の野球人生なので悔いのない決断をしてほしいという思いを語った。床田が代理人を交えて球団と向き合ったのは、その発言から8日後のことだった。

トミー・ジョン手術から開幕投手へ

床田は1995年3月1日生まれで、兵庫県出身の左腕だ。箕面学園高等学校から中部学院大学へ進み、2016年のドラフト会議で広島から3位指名を受けてプロの世界に入った。

順調なスタートではなかった。プロ1年目の2017年4月に初勝利を挙げたものの、左肘の違和感で戦列を離れ、同年7月に靱帯の再建手術(トミー・ジョン手術)を受けている。2018年は一軍での登板がなく、先発ローテーションに定着したのは3年目の2019年で、この年は25試合に登板して7勝6敗の成績を残した。

そこから広島の先発陣の柱へと育っていく。2023年と2024年は2年続けて11勝を挙げ、2025年は9勝12敗と黒星が先行し、3年連続の2桁勝利には届かなかったが、12月の契約更改では3500万円増の年俸1億8500万円(推定)でサインした。2026年は自身初の開幕投手を任されている。

今季は23試合に登板して8勝6敗、防御率2.76。143回1/3を投げ、4年連続で規定投球回に届いた。完投は1試合で、その試合は四球を1つも出さずに投げ切った。NPBの公式記録による成績は次のとおりだ(10月28日時点)。

項目2026年通算(9シーズン)
登板23175
勝敗8勝6敗65勝59敗
投球回143回1/31072回2/3
奪三振84694
防御率2.762.96

通算の防御率も2点台を保っている。左の先発として長いイニングを計算できる投手が市場に出るかどうかは、他球団の補強計画にも響く。

森下暢仁と坂倉将吾の状況

床田と同じく今季国内FA権を得た森下と坂倉も、権利を使うかどうかを考えている。鈴木本部長は10月14日に坂倉と、15日に森下と話し、残ってほしいという気持ちを伝えた。報道によると、条件面は3人とも代理人を通じて交渉を続けるという。

森下は今季23試合で7勝11敗、防御率3.60。坂倉は140試合に出場して打率.251、15本塁打、74打点を記録し、主に4番を任された。報道では、床田と森下には巨人などが、千葉県出身の坂倉には地元のロッテなどが調査を進めているとされる。

関連記事:上林誠知、FA権の行使を熟考 中日・工藤新監督は残留を希望、球団とは2度話し合い

3年続けてBクラスに沈んだ広島は、先発の柱2人と4番打者が同じオフに権利を持つ状況を迎えた。日本シリーズの決着とともに、3人が宣言するかどうかの期限が動き出す。床田の答えが出るのは、その期限が来る前になる。

[文/構成 by スポーツ担当ライター 高瀬翔吾]

寄稿者

高瀬翔吾
Webメディアでスポーツ、エンタメ、時事ニュースなど、累計数千本の記事制作に携わってきたスポーツ系ライター。野球分野では、プロ野球の試合結果や選手の記録をはじめ、MLB、高校野球、ドラフト、移籍、契約更改などの記事を継続的に担当。数字や公式記録を基に情報を整理する記事を得意としており、結果を伝えるだけでなく、その記録が持つ意味や、選手・球団を取り巻く背景までわかりやすく解説することを心がけている。主な執筆分野は、プロ野球、MLB、高校野球、侍ジャパン、ドラフト、移籍情報。

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