GMO懸賞金サイト、開設6時間で113件の情報提供 総額上限100万ドルの条件と、個人情報を公開された人への特別お見舞金

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
GMOインターネットグループは10月28日、不正アクセス事案の攻撃者につながる情報を募る懸賞金サイトに、開設から6時間で113件の情報が寄せられたと公表した。報奨金は制度全体で上限100万米ドル(約1億5000万円)。攻撃者側に個人情報を公開された利用者には、公開された情報の区分に応じて1万〜2万5000円(複数の区分は合算)の「GMO特別お見舞金」を支払う。攻撃者はまだ特定されていない。
開設6時間で113件 第14報で示された数字
GMOが28日18時20分時点の第14報で明らかにした。懸賞金サイト「GMOサイバー犯罪撲滅・懸賞金」は同日正午(日本時間)に受付を始め、18時までに113件の情報が届いた。いずれも内容の確認と精査を進めている段階で、有力な手がかりが含まれていたかどうかは明らかにしていない。
件数は今後、平日(祝日を除く)の18時に懸賞金サイトで更新する。更新を続ける期間は、犯人の逮捕や国際指名手配に至るまでだ。
GMOは第14報で「情報をご提供くださった皆様に、厚く御礼申し上げます」とした。「貴重なお時間を割いてお寄せいただいた一つひとつの情報を大切に受け止め、内容の確認・精査を進めております」とも記している。
第14報には、ほかにも2つの数字が並んだ。攻撃者側のサイトのURLや掲載内容を広める X(旧Twitter)上の投稿に対し、18時時点で累計20件の警告連絡を送った。もう1つは端末の解析結果で、これは後の見出しで触れる。
事案の経緯は 5000万ドル要求から情報公開まで
対象は、GMOインターネットが運営する「お名前.com デスクトップクラウド」への不正アクセスだ。FX(外国為替証拠金取引)の自動売買などに使われる仮想サーバーのサービスで、GMOは10月21日の第1報でサーバーの順次停止を伝えた。影響を受けた可能性があるサーバーは2万6739件に上る。
熊谷正寿代表は26日、自身のブログで攻撃者から5000万ドル(約80億円)を要求されたと公表し、応じない方針を示した。GMOは22日に警察へ相談している。デスクトップクラウドの利用者に手元のパソコンの電源を落とすよう求めたり、FX口座の不正取引による損失の補償と一律5000円の見舞金を決めたりと、対応は続いてきた。
局面が変わったのは27日だ。第10報によると、同日12時30分、攻撃者とみられる者が「当社およびお客様に関する情報と称するもの」を公開したことをGMOが確認した。事実と異なる内容が含まれるおそれがあるとして、中身を確認中としている。第11報では、そのサイトにアクセスした人の情報が攻撃者に取得されていることも確認した。
報道によると、攻撃者側は27日正午が期限だった支払い要求にGMOが応じなかったとして、顧客とされる1人分の個人情報を公開し、毎日正午に新たな公開をすると予告した。28日正午の時点で更新はなかったという。
これに対しGMOは27日夜の第12報で、「犯人とみられる者からの要求には永久に応じません」と表明した。同時に打ち出したのが、懸賞金と特別お見舞金の2つの制度だ。
懸賞金は総額上限100万ドル 誰が情報を寄せられるのか
懸賞金の上限100万米ドルは、1件や1人あたりの金額ではなく、制度全体の総額だ。GMOは1ドル150円で約1億5000万円と換算しており、報道では為替の見方によって約1億5000万円から約1億5800万円まで幅がある。
受付は専用サイトと専用メールで、期間は犯人の逮捕まで。日本語・英語・中国語に対応し、国内外の個人と法人が情報を寄せられる。GMOが募る情報は次の4つの分野だ。
| 分野 | 具体例 |
|---|---|
| 関与者の身元・所在 | 実行者・ |
| 攻撃・脅迫に使われた基盤 | サーバー、 |
| 資金の流れ・利益の帰属 | 暗号資産アドレス、 |
| 犯行の経緯・指示系統 | 指示内容、 |
一方、推測だけの情報、根拠のない名指し、公開情報を転載しただけのものは原則として対象外になる。報奨金を払うかどうかは、情報の新しさ、正確さ、裏付けが取れるか、解明にどれだけ役立ったかで判断する。寄せただけで支払いが約束されるわけではない。
報奨金を受け取れない人
情報を寄せることはできても、次に当てはまる人には報奨金を払わない。
- 犯行に関わった人
- 違法な手段で情報を手に入れた人
- うその情報や捏造・盗用を含む情報を寄せた人
- GMOや関係会社の役職員
- 捜査機関の職員など
- 法令や制裁規制などにより支払いが禁止される人
GMOは、応募を目的として、不正アクセスやマルウェア(悪意のあるプログラム)の使用、認証情報の不正な取得や購入、犯人との独自の交渉、個人情報の公開といった行為をしないよう求めている。第14報でも、自力で犯人を特定したり接触したりすることや、裏付けのない情報を投稿することを控えるよう呼びかけた。
制度の狙いについて、GMOは第12報で「適法に取得・保有された情報の提供を通じて、捜査機関による事件の解明を支援し、被害の拡大防止と同種犯罪の抑止につなげるもの」と説明している。身代金や、盗まれた情報を買い取る代金ではない点も明記している。
懸賞金をかたる詐欺にも注意がいる。GMOは情報を受け付ける際に、パスワード、認証コード、秘密鍵、事前の手数料を求めないとしている。
個人情報を公開された人へ 特別お見舞金は区分ごとに支払う
「GMO特別お見舞金」の対象は、攻撃者側(GMOの表現では「犯人」)が公開した情報に自分の情報が含まれていると確認された利用者だ。公開が確認された情報の区分ごとに、次の金額を支払う。
| 公開された情報の区分 | 金額 |
|---|---|
| 氏名・ | 1万円 |
| 取引口座のID・ | 1万5000円 |
| 機微情報・ | 2万5000円 |
複数の区分にまたがる場合は合計額になり、3区分すべてなら5万円となる。GMOは「1公開につき上限300万円」としている。
このお見舞金は、第4報で示した全利用者への一律5000円の見舞金や、不正取引による損失の補償とは別に支払う。公開の状況が変われば、内容を見直す可能性もあるという。
自分の情報が含まれているかどうかは、GMOが確認したうえで対象者に個別に連絡するとしている。利用者が攻撃者側のサイトを見に行って確かめる必要はない。
攻撃者は特定されず サイト停止と端末解析でわかったこと
28日夜の時点で、攻撃者は特定されていない。それでも、この2日間で状況はいくつか動いた。
第13報によると、日本時間28日午前4時ごろ、攻撃者側のサイト(GMOの表現では「犯人サイト」)のドメインが停止されたことをGMOが確認した。新しいサイトを見つけた場合はすぐにテイクダウン(削除や停止)の対応を取り、関連サイトの監視を続ける。ただ報道によると、停止の確認後も一時的に一部で閲覧できる状態になっていたとの指摘が、セキュリティー会社から出ていた。
利用者のパソコンについては、明るい材料も出た。GMOが預かった端末を解析したところ、マルウェアへの感染やランサムウェア(身代金要求型ウイルス)攻撃の痕跡は、これまでのところ見つかっていない。調査は続けており、端末を再び使う前にはセキュリティースキャンとバックアップを取るよう求めている。
攻撃者側が予告した毎日正午の公開について、28日正午の時点では新たな公開は確認されていない。懸賞金に寄せられた113件が、攻撃者の特定にどこまで近づくのか。精査の結果はまだ出ていない。
利用者が気をつけること 見ない・広めない・応じない
GMOは、攻撃者側が公開した情報の閲覧や転載、拡散を控えるよう繰り返し求めている。第12報と第13報で示した注意点をまとめると、次のとおりだ。
- 公開された情報にアクセスしない。転載、再投稿、リンクの共有、引用投稿もしない
- すでにアクセスしてしまった場合は、パソコンのフルスキャンを行う
- 不審なメールやSMSのリンクを開かない
- 被害金の回収などを名目に費用を求める連絡には応じない
アクセスした人の情報が攻撃者に取得されていることは、第11報で確認済みだ。のぞいただけでも、自分の情報を相手に渡すおそれがある。
悪質な拡散をする人に対しては、刑事告訴を含む法的な対応を準備しているという。X上の20件の警告連絡は、攻撃者側のサイトのURLや掲載内容の拡散を防ぐためのものだ。
利用者向けの相談窓口は電話03-5456-2560で、24時間受け付けている。問い合わせフォームも案内している。
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GMOは今後、寄せられた件数を平日(祝日を除く)の18時に懸賞金サイトで知らせるとしている。29日以降の数字と、GMOが精査の結果をどう伝えるかが次の焦点になる。
[文/構成 by ライター 飯田タツヤ]











































































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