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ダルトン・スミス対プエジョの結果、2-1判定でスミスがWBCスーパーライト級初防衛

ダルトン・スミス対プエジョの結果、2-1判定でスミスがWBCスーパーライト級初防衛

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WBC世界スーパーライト級王者ダルトン・スミス(29)=英国=が現地時間10月24日(日本時間25日)、地元の英シェフィールドで元2団体王者アルベルト・プエジョ(32)=ドミニカ共和国=を12回2-1の判定で下し、初防衛に成功した。ジャッジ2人が115-113でスミス、1人が116-112でプエジョを支持する僅差の決着。スミスは無敗を守り、20戦20勝(14KO)となった。

スミス対プエジョの判定スコアと試合結果

試合の舞台はシェフィールドのユーティリタ・アリーナ。英国の興行大手マッチルーム・ボクシングが主催し、DAZNが中継した興行のメインイベントで、スミスにとっては2026年1月に手にした王座の初防衛戦だった。

公式の採点は次のとおりだった。

ジャッジ(国籍)スコア支持
ジョン・リョナ(スペイン)115-113スミス
キーラン・マッキャン(英国)115-113スミス
レイ・ダンセコ(フィリピン)116-112プエジョ
結果2-1のスプリット・デシジョン勝者:ダルトン・スミス(王座防衛)

2人のジャッジの差はわずか2ポイント。12ラウンドのうち1ラウンドの振り分けが変われば引き分けになる計算で、もう1人はプエジョに4ポイント差を付けた。採点が真っ二つに近い形で割れた一戦だった。

試合後の戦績は、スミスが20戦全勝(14KO)、プエジョが27戦25勝(11KO)2敗。プエジョにとっては、2025年7月に王座を失ったスブリエル・マティアス(プエルトリコ)戦に続く2つ目の黒星になった。

12ラウンドの攻防、ダウンはなし

どちらも決定的な場面を作れず、どちらかがはっきり主導権を握る展開にはならなかった。公式記録上のダウンはない。

サウスポーのプエジョは、右のジャブと足を使った出入り、カウンターでスミスの前進を何度も止める。スミスは右ストレートを当てて前に出たものの、連打で長く追い込む場面は少なく、互いに決め手を欠くラウンドが続いた。10回には偶然のバッティングで、スミスが右目付近をカットしている。

流れが動いたのは終盤だ。プエジョは最後の数ラウンドで手数を増やし、左を当てて追い上げた。一方のスミスは最終12回、勝ちを確信したかのように見せるしぐさを交えた。この最終回の振る舞いには、海外の専門メディアから勝負を決めるには早すぎたとの指摘も出ている。

判定には賛否が分かれた。疑問の残る判定だったと書く媒体があれば、接戦だったからといって判定が不当だとは限らないと冷静に受け止める論評もあった。スミス陣営は、父でトレーナーのグラント・スミスを含め、勝利に十分な内容だったとの見方を示している。

勝者として名前を呼ばれたのはスミスだった。

試合後、スミスはDAZNのインタビューで「彼らは世界のトップだ。自分がなぜナンバーワンなのかを、今まさに証明している」と語った。マティアスに続いて同じ階級の実力者を連破した自負を、短い言葉に込めた。

スミスが王座を手にした経緯と、延期された初防衛戦

スミスは1997年2月8日、シェフィールド生まれ。「サンダー」の愛称を持つオーソドックスの選手で、2019年5月にプロデビューした。英国王座、コモンウェルス王座、WBCシルバー王座、欧州王座と段階を踏んで世界ランキングを上げていく。

アマチュア時代には2018年にイングランドのABA選手権でライトウェルター級を制した。プロ転向後は2024年3月に元世界挑戦者ホセ・セペダ(米国)を5回KO、2025年1月には欧州王座戦を1回TKOで終わらせるなど、14のKO勝ちを積み上げている。

世界王座を手にしたのは2026年1月10日だ。米ニューヨーク州ブルックリンのバークレイズ・センターで、当時のWBC王者スブリエル・マティアスに5回2分24秒TKO勝ち。敵地で王者を倒し切り、英国の新たな世界王者になった。

ところが、初防衛戦はすぐには実現しなかった。プエジョとの指名試合は当初、6月6日に同じユーティリタ・アリーナで組まれていたが、スミスが4月27日に練習中のけがを理由に出場を辞退し、延期になる。スミスはのちに、ひじの手術を受けたことを明かした。仕切り直しの舞台が10月24日のシェフィールドだった。

地元開催の世界戦は、スミスにとって特別な意味を持つ。試合前、プエジョは地元シェフィールドに乗り込み、スミスの前でベルトを奪うと公言して挑発していた。その相手を退け、ベルトはシェフィールドに残った。

元WBA・WBC王者プエジョの経歴

プエジョは1994年7月22日、ドミニカ共和国サンフアン・デ・ラ・マグアナ生まれのサウスポー。「ラ・アビスパ(スズメバチ)」の愛称で知られる。

2022年8月、バティル・アフメドフ(ウズベキスタン)に判定勝ちしてWBA世界スーパーライト級王座を獲得した。2024年6月にはゲイリー・アントワン・ラッセル(米国)との判定2-1の接戦を制してWBC暫定王座に就き、その後正規王者へ昇格。2025年3月にはサンドル・マルティン(スペイン)を退けて防衛したが、同年7月にマティアスに12回0-2の判定(ジャッジ1人は引き分け)で敗れ、王座を失った。

プエジョが2024年に下したラッセルは、2026年2月に日本の平岡アンディ(当時大橋ジム所属)がWBA世界スーパーライト級王座に挑戦した相手だ。ラッセルにプロ初黒星を付けたのが、プエジョだった。

関連記事:平岡アンディvsラッセル ボクシング世界戦が持つ意味 34年ぶり日本人WBAスーパーライト級王者誕生なるか

マティアス戦の後、プエジョは2026年7月の調整試合でTKO勝ちを収め、WBCの指名挑戦者としてスミス戦に臨んだ。マティアスに王座を奪われ、そのマティアスを倒したスミスに挑む。王座奪回まであと一歩だったが、届かなかった。

スミスの次戦候補はシャクール・スティーブンソン

初防衛を果たしたスミスの次の相手として、報道で名前が挙がっているのがWBO世界スーパーライト級王者シャクール・スティーブンソン(米国)との王座統一戦だ。スミスは以前から、地元シェフィールドのサッカー場ヒルズボロ・スタジアムで大きな試合を開く夢を語っており、試合後もスティーブンソン戦を英国のスタジアム興行で実現させることを目標に掲げたと報じられている。

ただし、10月26日時点で次戦の正式な発表はない。2-1の僅差に終わった内容から、プエジョとの再戦を求める論調も海外メディアに出ている。

スーパーライト級は、各団体の王者と上位ランカーがひしめく階級だ。スミスは20戦全勝を守ったものの、判定の評価は割れたまま次の試合へ向かう。統一戦に進むのか、プエジョとの決着戦を先に組むのか。陣営の判断が、スミスの次の1年を左右する。

[文/構成 by スポーツ担当ライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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