比嘉大吾が練習を再開、再起戦へ始動 7月に増田陸との世界戦で判定負け

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元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(31)=志成=が、10月20日までに練習を再開した。7月20日のWBA世界バンタム級王座決定戦で増田陸(帝拳)に判定1-2で敗れてから3カ月、報道によると年内に再起戦が計画されており、その準備の始動となる。比嘉は次戦について「ノンタイトル戦になると思う」としたうえで、「なんとしても勝って世界戦につなげないと」と語った。
10月からジムワークを再開、次戦はノンタイトル戦の見込み
比嘉は10月に入ってから練習を始め、ミット打ちやサンドバッグ打ちで汗を流した。報道で年内に予定されているとされる再起戦に向けた調整で、本人は取材に「今月からはじめてます。次はノンタイトル戦になると思うんですが、なんとしても勝って世界戦につなげないと。自分、頑張ってます」と話している。
再起戦の日程・会場・対戦相手は、10月21日時点で発表されていない。世界ランキングは10月20日時点の報道でWBAバンタム級5位。7月の王座決定戦では同級2位として臨んでおり、敗戦で順位を下げたものの、世界ランカーの位置は守っている。
4試合連続の世界挑戦、すべて小差で王座に届かず
比嘉の直近の2年間は、世界戦の連続だった。
2024年9月、WBO世界バンタム級王者の武居由樹(大橋)に挑み、小差の判定で敗れる。2025年2月はWBA同級王者の堤聖也(角海老宝石)と打ち合い、9回にダウンを奪い合う激戦の末、ジャッジ3人とも114-114の引き分けに終わった。同年7月にはWBA王者アントニオ・バルガス(米国)に挑戦し、4回に左フックでダウンを奪いながら、最終12回にカウンターでダウンを喫して再び引き分けとなった。
勝てば王座、という試合を3度続けて落としたことになる。比嘉はそのたびに引退を表明し、2025年のバルガス戦の後も「引退する」と現役を退く意向を示していた。今年に入ってからは就職活動もしていたが、営業職への就職とボクシングを続ける人生を両方思い描き、「よかったのはボクシングをやっている人生だった」と翻意し、4月から練習を再開している。
増田陸との王座決定戦は判定1-2の惜敗
迎えた2026年7月20日、東京・両国国技館でのWBA世界バンタム級王座決定戦。同級2位の比嘉は、同級1位で世界初挑戦の増田陸と12回を戦った。増田は3月15日、横浜BUNTAIでの挑戦者決定戦で元5階級制覇王者のノニト・ドネア(フィリピン)を8回TKOで破り、勢いに乗って王座決定戦へ進んできた相手だった。
序盤から低い姿勢で前に出て圧力をかけ、6回には偶然のバッティングで左目の上をカットしながらも前進を止めなかった。10回には接近戦で連打を浴びせたが、11回には増田の左を受けて後退する場面もあった。判定は1-2。ジャッジ1人は115-113で比嘉を支持したものの、残る2人は117-111で増田につけ、増田が新王者となった。
日本のボクサーとして初めての4試合連続世界挑戦は、またしてもあと一歩で終わった。2018年にWBCフライ級王座を失ってから8年3カ月ぶりとなる国内最長ブランクでの世界王座返り咲きも、持ち越しとなった。
「負けても引退しません」と宣言して臨んだ7月の一戦
過去3度と違ったのは、試合前の姿勢だ。増田戦が決まった6月19日の会見で、比嘉はこれまでの引退表明を「引退詐欺をしてしまった」と振り返り、「引退しません」と宣言。負けても現役を続けると公言していた。
試合後は「そんなに甘くないんだなと思った」と結果を受け止めつつ、酒を飲んで遊ぶ生活も「ずっとやっていたら飽きる。ボクシングは休んでから続けると思う」と現役続行を明言した。ファンの声援には涙を流しながら「入場から泣けた」と明かし、「みんなの支えがあって仕上げられた」と感謝を口にした。
言葉どおり、体を休めた後すぐに動き出した。比嘉は練習再開にあたり、過去との違いをこう説明している。
「これまでは試合前に3カ月、3カ月、8カ月何もしなかったです。引退するつもりだったのでその間は改善するところもほとんど考えなくて。でも、今はそういう意識を持ってます」
引退を前提に何もしない期間をつくっていたこれまでとは、準備の始め方が変わった。手数の少なさや、自分の距離ではない場面での試合運びを課題に挙げ、改善に取り組んでいる。
高校卒業時からコンビを組む野木丈司トレーナーは「増田戦のあと大吾は本気で悔しがっていた。あれが収穫だったと思います」と話した。王座に届かなかった悔しさを、次の準備に向ける段階に入っている。
浦添市出身、15連続KOでフライ級の頂点に立った元王者
比嘉は沖縄県浦添市出身。沖縄県立宮古工業高校を卒業後、2014年6月にプロデビューし、強打でKO勝ちを重ねていく。
2017年5月にWBC世界フライ級王座を獲得すると、2018年2月4日には沖縄県立武道館で2度目の防衛戦に臨み、モイセス・フエンテス(メキシコ)を1回KOで下した。沖縄での世界戦は37年ぶりで、チケットは一般発売から約10分で売り切れている。この勝利でデビューからの連続KO勝利を15に伸ばし、浜田剛史らが持つ日本記録に並んだ。
ところが同年4月、3度目の防衛戦の前日計量で体重超過となり、王座を失う。ボクサーライセンスの停止処分を経て2020年2月にリングへ戻り、階級をバンタム級に上げて再起の道を歩んできた。7月の増田戦の時点で、プロ戦績は21勝(19KO)4敗3分けとなっている。
沖縄県勢の世界正規王者は、比嘉が2018年にベルトを失って以来出ていない。地元の期待を背負う立場は、今も変わらない。
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再起戦の先にある5度目の世界挑戦
比嘉が目指すのは、5度目となるバンタム級の世界王座挑戦と、フライ級に続く世界2階級制覇だ。そのためにはまず、報道で年内とされる再起戦で勝ち、世界ランキングを保つ必要がある。
一方、比嘉が王座を争った相手同士の対戦も決まった。WBA世界バンタム級の正規王者となった増田は、11月29日に両国国技館で、前王者で同級1位の堤聖也を相手に初防衛戦を行う。比嘉と引き分けた堤と、比嘉に勝った増田。この一戦の勝者が、比嘉が7月に届かなかったベルトを持つことになる。
堤と比嘉は同学年で、高校時代にアマチュアで対戦して以来の間柄だ。プロでは2020年10月26日に後楽園ホールのノンタイトル10回戦で初めて拳を交え、この時も引き分けている。増田は2023年の日本タイトル戦で堤に判定で敗れており、プロ唯一の黒星を喫した相手との再戦になる。
4試合続けて小差で王座を逃した31歳は、引退を口にせず次の試合へ向かう。再起戦の日程と対戦相手の発表が、5度目の挑戦に向けた次の節目となる。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]












































































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