ソフトバンク城島健司CBO、織田翔希の指名に含み 「可能性がないことはない」

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
ソフトバンクの城島健司CBO(50)が10月21日、東京都内のホテルで開いたスカウト会議の後に取材に応じ、米球界挑戦を表明している横浜高の織田翔希投手(18)の指名について「可能性がないことはない」と含みを持たせた。名前は伏せたまま、1位指名も公表しなかった。ドラフト会議は10月22日16時50分に始まる。
名前を伏せて語った「可能性がないことはない」
城島CBOの肩書は、チーフ・ベースボール・オフィサー。2025年から務める立場で、ドラフト前日のスカウト会議を終えた。報道陣の前で口にしたのは、特定の選手への迷いだった。
「うちの評価は非常に高い選手」と説明し、「名前は言えませんけども」とも口にした。昨年の佐々木麟太郎の件に触れ、2年続けて同じ形にはしにくいとの考えをにじませながらも、「可能性がないことはない」と続けた。最終的な判断はまだ下していないとも話している。
名前は出さない。それでも、米球界挑戦を表明した織田を指していることは、複数の報道がそろって伝えた。
城島CBOは「勝算がゼロだとは思っていない」とも語った。魅力のある選手を「トライもしないで逃していいものなのか」と問いかけ、日本のプロ野球やホークスのために、ファンはどちらを喜ぶのかを考えているとも話した。スカウト陣が時間をかけて出した評価について「評価は揺るぎない」と言い切る一方、指名するかどうかは22日までに決めなければならないと明かしている。
ソフトバンクは1位指名の事前公表を3年続けて見送った。小久保裕紀監督は昨年に続いてドラフト会議に出席せず、今年は王貞治会長も同席しない。1位が競合した場合は、城島CBOがくじを引く。
最速157キロ右腕、10月15日に米球界挑戦を表明
織田は2008年6月3日生まれ、福岡県北九州市出身の右腕だ。身長186センチから投げ込む最速157キロの速球が持ち味で、今年夏の甲子園では大会最速となる156キロを記録した。
横浜高では2年生だった2025年春の選抜大会で優勝の原動力となる。3年生の今年夏の全国高校野球選手権では準々決勝の花巻東戦で9回を投げ切って完封し、チームを18年ぶりの夏4強へ導いた。8月20日の準決勝は智弁和歌山に1―7で敗れ、織田も3回途中4失点で降板している。9月のU―18(18歳以下)アジア選手権では日本代表として投げ、今秋ドラフトの1位候補として名前が挙がり続けた。プロ野球志望届も提出している。
転機は10月15日だった。横浜市内の同校で記者会見を開き、日本のプロ野球を経ずに米球界へ挑戦する意向を表明。「世界一になりたいという思いがあった」と決断の理由を語り、「覚悟を決めて挑戦していきたい」と続けた。進路は米大リーグ傘下のマイナー契約に限らず、米国の大学への進学も選択肢に入れていると明かしている。
会見の前には、日本の各球団と面談を重ねていた。ドラフト1位が有力視される高校生が、プロ野球を経由せずに米球界へ進む例は異例だ。プロ野球志望届を出していても、日本の球団に指名された場合に入団するかどうかは本人の判断になる。
日本ハムは指名リストから外す 分かれる球団の判断
各球団の対応は分かれた。
日本ハムも同じ21日に都内でスカウト会議を開き、1位指名選手を決めたが、名前は公表しなかった。指名候補は65人ほどに絞り込み、1位が競合した場合のくじは木田優夫GM代行が引く。木田GM代行は、織田について米球界挑戦の表明を受けてリストから外し、その後の会議は織田がいない状態で話し合ったと説明。どこで野球を続けても頑張ってほしいとエールを送った。
日本ハムには、2012年のドラフトでメジャー挑戦を表明していた花巻東高の大谷翔平を1位で指名し、入団にこぎつけた過去がある。その球団が今回は、織田を指名リストから外した。ソフトバンクの城島CBOが「可能性」を口にしたのとは、はっきり違う判断となった。
関連記事:新庄監督「引かないですよ」 日本ハムの22日ドラフトくじ役は木田優夫GM代行
昨年は佐々木麟太郎を1位指名 城島CBO自身の入団の経緯も
ソフトバンクには前例がある。
2025年のドラフト会議では、花巻東高から米スタンフォード大へ進んだ佐々木麟太郎を1位で指名した。前年に続いて1位を事前に公表しないまま臨んだ会議で、米国でプレーする選手の名前を入札したことになる。DeNAとの競合になり、城島CBOがくじを引き当てて交渉権を手にしている。だが佐々木は2026年7月のMLBドラフトでマーリンズから8巡目で指名を受け、同球団への入団を選んだ。ソフトバンクにとっては、1位の枠を使いながら選手が入団しない結果となった。
城島CBOは21日、この経緯について、1位の選手が加わらなくてもチームは今季リーグ優勝を果たしたと説明し、佐々木への指名にも球団としての意味があったと話した。「うちしかできないことだった」。昨年の判断を、城島CBOはそう位置づけている。ソフトバンクは9月17日にパ・リーグ3連覇を決め、10月24日に開幕する日本シリーズでDeNAと戦う。
織田を指名して入団に至らなければ、2年続けて1位の枠を失うことになる。それでも城島CBOが可能性を残す背景には、自身の経験も重なる。
1994年、大分の別府大付高(現明豊高)の捕手だった城島は、プロではなく駒沢大への進学を表明していた。それでもダイエー(現ソフトバンク)は1位で指名する。翌1995年から監督に就く王貞治が直接説得に動き、城島は翻意してプロの道を選んだ。のちにダイエー、ソフトバンクの正捕手となり、米大リーグのマリナーズでもプレーしている。
指名をきっかけに進路が変わった選手が、今は指名する側に座っている。
22日16時50分から 1位指名は会議当日に
ドラフト会議は10月22日16時50分に始まる予定で、1巡目は12球団が一斉に選手の名前を書いて入札する。複数の球団が同じ選手を指名した場合は、くじで交渉権が決まる。くじを外した球団は再び入札し、1位が12人そろうまでこれを繰り返す。2巡目以降は、今季の順位をもとにした順番で指名が進む。
報道によると、今年は12球団とも1位指名を事前に公表しないまま当日を迎えた。織田の米球界挑戦の表明は、各球団の1位選びにも影響を与えている。
関連記事:ドラフト会議、12球団とも1位を事前公表せず13年ぶり 22日午後4時50分開始
ソフトバンクは他球団の動きも見ながら、会議当日まで1位を絞り込む。城島CBOが名前を伏せて語った「可能性」が入札でどう表れるのか。答えは22日の夕方に出る。
[文/構成 by スポーツライター TAKU]












































































コメントはこちら