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鳥取・平井伸治知事、来春の知事選に出ず5期で退任へ 東京出身の元自治官僚が鳥取の知事になったワケと後継指名「その考えはありません」

鳥取・平井伸治知事、来春の知事選に出ず5期で退任へ 東京出身の元自治官僚が鳥取の知事になったワケと後継指名「その考えはありません」

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鳥取県の平井伸治知事(65)が10月21日、県庁での定例記者会見で、2027年4月の知事選に立候補せず、5期目の今期限りで退任する考えを表明した。「区切りを付けて次の方に託すことが正しい選択ではないか」と語り、後継指名については「その考えはありません」と即答した。東京都出身で旧自治省の官僚だった平井氏は、鳥取県総務部長、全国最年少の副知事を経て2007年に初当選。県政史上最長となる5期20年の任期を終えることになる。

平井伸治知事が5期で退任へ 会見で語った不出馬の理由

表明は、平井知事が自ら切り出す形で行われた。「次の4月の統一地方選挙の鳥取県知事選挙には出馬しない考えを固めました」。

理由として主に挙げたのは、二つの節目だった。一つは、2033年に県内で48年ぶりに開かれる国民スポーツ大会(旧国民体育大会)だ。競技施設の整備やスポーツ人材の育成には課題が多く、「2、3年でできることではない」と説明したうえで、「私は喜んで身を引くべきだと思う」と続けた。

もう一つが、10月17、18日に倉吉市で開かれた国内最大級の防災イベント「ぼうさいこくたい」(防災推進国民大会)だ。平井知事はこの大会を終えて「県職員のパワーや能力を実証した。私がいなくなっても県庁を信頼してもらえるという確信を持った」と手応えを語った。

会見では、もう一つの思いも明かしている。「今年3月、私は深い失望感にとらわれた」とし、その思いは今も「胸に大きな穴が開いたまま」だという。そのうえで「私は自分の人格や一人の人間としての尊厳を放棄したわけではありません」と語り、これも今期で区切りをつける判断の理由に挙げた。

選挙への自信も隠さなかった。会見では次のように胸の内を明かしている。

「選挙に出て、戦って、あまり負ける気はしないというのが正直なところ。私は『県民の道具』。県民の皆さんや県のために何がベストか、何をすべきかだけを考えて、進退について結論を出そうと思ってきた」

会見の中盤、1期目によく締めていたというネクタイに触れ、「初志は……」と言いかけたところで言葉に詰まった。「多くの皆様のおかげで、初志を貫徹することができた」と続けると、冷静に話すつもりだったのに涙ぐんでしまったことをわび、「感謝の気持ちでいっぱい」と県民への思いを口にした。目に涙を浮かべた知事は、その涙を「悔しさではなく、ありがとうの涙だ」と表現している。

9月の県議会定例会では、進退について「現状は白紙であり、当面の仕事に専念したい」と答えていた。知事選まで約6カ月。このタイミングでの表明となった。

東京出身の平井知事はなぜ鳥取の知事に 自治省から総務部長、最年少副知事へ

平井知事は1961年9月17日生まれの65歳で、東京都の出身だ。1984年3月に東京大学法学部を卒業し、同じ年に自治省(現・総務省)へ入った。鳥取で生まれ育った人物ではない。

鳥取との縁が生まれたのは、自治官僚として県庁に赴任した1999年7月だった。この年の春に知事に就いたのが、同じ自治省出身の片山善博氏。平井氏は片山県政のもとで総務部長を務め、2001年6月には当時全国最年少で副知事に就いた。県の公式プロフィールにも「全国最年少で鳥取県副知事」と記されている。

転機は2007年に訪れる。片山氏が2期8年で知事を退き、その後を受けた4月の知事選で平井氏が初当選した。当時45歳。総務部長と副知事として県政に携わったあと、総務省に戻って政党助成室長や自治体国際化協会ニューヨーク事務所長を務めていた人物が、今度はトップとして県を率いることになった。

以後も再選を重ね、当選は5回を数える。2033年の国民スポーツ大会を控えて退任を選んだのは、この長い在任の区切りでもある。

平井知事の5期20年 「スナバ」発言から全国知事会長まで

人口が全国で最も少ない県の知事として、平井氏が力を入れたのは知名度の底上げだった。

広く知られるのが「スタバはなくても日本一のスナバ(砂丘)がある」という発言だ。ほかにも「蟹取県へウェルカニ」など、ダジャレを交えたフレーズで観光客の呼び込みを図った。2012年に始めた「まんが王国とっとり」は、水木しげるさんや青山剛昌さんら県ゆかりの漫画家を前面に出す取り組みで、今では海外からの旅行者を呼ぶ重要な柱に育っている。

政策面では、2013年に手話を独自の言語と位置づける「手話言語条例」を全国で初めて制定した。この条例をきっかけに、高校生が手話の表現を競う「手話パフォーマンス甲子園」も始まっている。

全国の知事の間でも存在感は大きかった。2021年8月の全国知事会長選では知事40人の推薦を受けて無投票で当選し、同年9月から2年間、第14代会長を務めた。任期中は東京一極集中の是正や新型コロナウイルス対策などに取り組んだ。現在も全国知事会副会長、中国地方知事会長などの役職に就いている。

後任は誰に? 後継指名せず、次の鳥取県知事選は2027年4月

次の鳥取県知事選は、統一地方選の一環として2027年4月11日に投開票される予定だ。21日時点で、立候補を表明した人はいない。

後継指名を記者から問われた平井知事は、迷わず否定した。

「その考えはありません。それがデモクラシーであり、地方自治の原点」

そのうえで「(知事選の)6カ月前のタイミングで(退任を)申し上げた。時間的な余裕は確保されたはずだ。ぜひ素晴らしい後継者を皆さんで考えていただければ」と、後継者選びを委ねる姿勢を示した。自民党県連は今後、後任候補探しを進めると報じられている。

本人の今後の政治活動については「真っ白。何も考えていない」と述べるにとどめた。

東京から官僚として赴任し、副知事を経て20年にわたり県政のかじを取った平井知事。次の知事選びは、県民の手に委ねた。任期は2027年4月まで続く。

[文/構成 by 凪]

寄稿者

凪
凪(なぎ)です。時事ニュースからスポーツ、社会の話題まで、その日いちばん気になる出来事を短く分かりやすく整理しています。Web記事を書き始めて7年。結果や数字は公式の発表で確かめてから書き、見出しだけで誤解されない記事を心がけています。好きなものは朝のコーヒーと、深夜のスポーツ中継。

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