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豊昇龍、九州場所出場へ 師匠・立浪親方が方針示す 右膝手術を経て2場所ぶりの本場所

豊昇龍、九州場所出場へ 師匠・立浪親方が方針示す 右膝手術を経て2場所ぶりの本場所

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右膝の手術で秋場所を全休した横綱・豊昇龍(27)=立浪部屋=について、師匠の立浪親方(元小結・旭豊)が10月20日、九州場所への出場を明言した。報道によると「今回の巡業から出ていて、九州(場所)から復活します」と話したという。九州場所は11月8日、福岡国際センターで初日を迎える。

10月20日、師匠が九州場所への出場を明言

報道によると、立浪親方は10月20日、豊昇龍が九州場所に出場する考えをはっきり口にした。秋巡業に途中から合流して調整を続けていることに触れたうえで、九州場所から本場所の土俵に戻ると話している。

同じ20日、立浪親方は東京都江東区役所を訪れ、大久保朋果区長を表敬訪問した。2027年4月15日に有明アリーナで「令和9年春巡業 大相撲有明場所」を開くことが決まり、その開催を区に伝える場だった。主催者側の発表によると、江東区での巡業は10年ぶり5回目で、両国国技館を上回る約1万6000人の収容規模になるという。親方は「1万5000人のスケールでやるのは、たぶん初めてだと思う」と規模に驚きを見せた。

有明場所には横綱の大の里と豊昇龍をはじめ、約150人の力士が参加する予定だと主催者側は説明している。半年後の弟子の姿について、親方は「その頃には優勝していてほしいなと思う」と期待をにじませた。

ここまでの道のりは平たんではない。9月下旬の段階では、立浪親方は「本人は『九州場所から大丈夫です』と言っている」と説明する一方、出場の最終判断は九州に入ってからと前置きしていた。「巡業でガッチリやらないと間に合わない。本人には、ちょっと甘いところがあるから」と、秋巡業での稽古を復帰の条件に挙げてもいた。

それから約3週間。巡業での稽古を見届けた師匠の言葉は「出場」へと一歩進む。

名古屋場所で右膝が悪化、7月下旬に手術

けがの始まりは5月の夏場所だった。初日の高安戦で敗れた際に右太もも裏を痛め、2日目から休場。日本相撲協会には「右ハムストリングス損傷で約2週間の安静を要する見込み」との診断書を出していた。

続く7月の名古屋場所は休場明けで出場したものの、6日目の伯乃富士戦で古傷の右膝を悪化させる。13日目まで7勝6敗と精彩を欠き、14日目の7月25日から休場した。提出した診断書の病名は右内側側副靱帯損傷と右ハムストリングス損傷で、療養期間は約6週間とされた。本人が「ふがいない相撲は取れない」と申し出ての決断だった。

名古屋場所が終わると、豊昇龍は都内の病院を受診し、7月下旬に右膝の内側側副靱帯を修復する手術を受けた。8月19日に両国国技館での健康診断に姿を見せた際には「前から痛めてたけど、こんなにひどかったとは」と打ち明け、医師から「手術しなければ1年かかる」と告げられたことが決め手になったと明かしている。約1週間の入院を経て、夏巡業は「右膝内側側副靱帯損傷」の診断書を出して休場した。

秋場所が近づいても、回復は間に合わなかった。9月4日の稽古総見では四股を踏み、胸を出す動きにとどまり、相撲を取る稽古は再開できていない。立浪親方は「力を出せる状態ではない。次は優勝する状態で出したい」と説明。親方によると、手術後は精神的な落ち込みや不眠も重なり、名古屋場所で150キロだった体重は10キロ落ちたという。

3場所連続の休場、昇進後10場所で優勝なし

9月の秋場所は、初日を前にした9月11日に休場が決まった。夏場所、名古屋場所に続く3場所連続の休場で、横綱在位10場所のうち5度目。初日から休場するのは2018年初場所の初土俵以来初めてだった。

数字は厳しい。豊昇龍は2025年初場所で2度目の優勝を果たし、場所後に第74代横綱へ昇進した。それから秋場所までの10場所、横綱として賜杯を抱いていない。報道によると、年6場所制となった1958年以降では、昇進後に優勝のない場所が続いた横綱として、最長の11場所に次ぐ長さになるという。

秋場所前、立浪親方は「次ダメならそういう話も出てしまう」と、次に出る場所に進退がかかるとの考えを示していた。秋場所後の9月28日には横綱審議委員会の大島理森委員長が、優勝を目指せる姿で土俵に戻ってほしいと、万全な状態での復帰に期待を寄せている。九州場所は、横綱としての立場が問われる場所だ。

それでも、師匠の信頼は揺らいでいない。秋場所後には「ケガとはいえ、何回も言い訳にはならない」とくぎを刺しつつ、「やってくれると思う。力はあるのだから」と言葉に力を込めた。秋場所中の9月26日には「ケガ(の状態)はだいぶいいみたい。体重も戻っている」と、回復が進んでいることを伝えていた。

秋巡業で番数を重ね、大の里と三番稽古

秋巡業は10月6日に茨城県つくば市で始まり、豊昇龍は10日の長野県松本市から合流した。最初は四股やぶつかり稽古で体を慣らし、相撲を取る稽古は14日の岐阜県高山市で再開。同じ横綱の大の里と10番取って7勝3敗だった。

関連記事:高山場所、岐阜県高山市で9年ぶりに開催 横綱の大の里と豊昇龍がぶつかり稽古、会場は飛騨高山ビッグアリーナ

16日の京都市では大の里らと計19番取り、8勝11敗。このうち大の里とは14番取って6勝8敗と負け越し、最後の三番稽古では後半に息が上がった。土俵下で見守った八角理事長(元横綱・北勝海)は、番数を重ねなければ重さが出てこないと指摘し、豊昇龍も「理事長が言うように番数を増やさないといけない」と受け止めた。相撲を取ってみた手応えについては「心配だったけれど意外と相撲とれた。予想以上だよ」と表情を緩めている。師匠の立浪親方は「まだまだ」と、さらに調整が必要だとの見方を崩さなかった。

18日の兵庫県姫路市では、平幕の湘南乃海と平戸海を相手に連続で18番取り、12勝6敗。体格もタイプも違う2人との稽古をこなし、「順調。感覚を早く戻したい」と前を向いた。右膝のぐらつきや稽古後の腫れ、痛みについても「大丈夫」と答えている。

番付発表は10月26日、九州場所は11月8日初日

日本相撲協会の日程では、九州場所(十一月場所)の番付発表は10月26日。初日は11月8日、千秋楽は11月22日で、会場は福岡国際センターだ。秋巡業は10月25日の山口県宇部市まで続き、豊昇龍は残りの日程でも稽古を重ねる。

秋場所では大の里が6度目の優勝を果たし、九州場所では連覇を狙う。豊昇龍が出場すれば、7月の名古屋場所以来となる本場所の土俵。横綱2人がそろう場所は、本人にとって巻き返しの舞台になる。豊昇龍はモンゴル・ウランバートル出身で、叔父は元横綱・朝青龍。2023年名古屋場所で初優勝し、場所後に大関へ上がった。横綱として初めての賜杯へ、福岡で再び歩み出す。

[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]

寄稿者

疾風(HAYATE)
スポーツニュースサイトでの執筆を経て、ゴルフ、競馬、大相撲、フィギュアスケート、陸上など、競技の枠を越えてスポーツ記事を書いてきたWEBライター。経験は6年。大会結果や記録、番付、レース展開など、数字と公式記録を土台に「何がすごかったのか」を整理する記事を得意としている。ルールや採点方式が分かりにくい競技でも、初めて観る人がその一戦を楽しめるよう、背景や見どころまでかみくだいて伝えることを心がけている。主な執筆分野は、ゴルフ、競馬、大相撲、フィギュアスケート、陸上、バスケットボール。

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