のぞみ・みずほ指定席が2027年7月値上げ 東京―新大阪は700円増、グリーン料金も12月から最大4510円上がる

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
JR東海とJR西日本は2026年10月16日、東海道・山陽新幹線「のぞみ」「みずほ」の普通車指定席の特急料金を、2027年7月1日購入分から引き上げると発表した。東京―新大阪は片道700円増の1万5420円になる。
いつから、いくら上がる?東京―新大阪は1万5420円に
全列車のグリーン料金も2027年12月15日乗車分から上がり、上げ幅は最大4510円。普通車自由席の特急料金は据え置く。指定席特急料金は「購入日」、グリーン料金は「乗車日」と基準が分かれている点に注意が必要だ。
指定席の新料金は、2027年7月1日(木)に買うきっぷから適用される。両社は国から認可を受けた上限額の範囲内で、届け出によって料金を改める。
主な区間の発売額は次の通りだった。いずれも通常期に「のぞみ」「みずほ」の普通車指定席を大人1人・片道で使う場合の、運賃と料金を合わせた額だ。
| 区間 | 現行 | 改定後 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 東京―名古屋 | 1万1300円 | 1万1880円 | +580円 |
| 東京―新大阪 | 1万4720円 | 1万5420円 | +700円 |
| 東京―岡山 | 1万7770円 | 1万8530円 | +760円 |
| 東京―広島 | 1万9760円 | 2万620円 | +860円 |
| 新大阪―広島 | 1万950円 | 1万1210円 | +260円 |
| 新大阪―博多 | 1万6020円 | 1万6300円 | +280円 |
上げ幅は東海道新幹線区間を含む長い区間ほど大きい傾向がある。東京と小倉・博多を結ぶ区間が最大の880円増で、東京―京都は700円増、東京と品川・新横浜の間は120円増にとどまる。
一方、新大阪―新神戸や岡山―福山など、山陽新幹線の短い区間は10円増にとどまる。新大阪から西だけで完結する移動なら、上げ幅は10〜280円の範囲に収まる。
東京―新大阪を例に取ると、運賃と料金の合計は約5%上がる計算だ。出張で往復する人なら、1往復あたり1400円の負担増になる。
自由席・ひかり・こだまはどうなるのか
普通車自由席の特急料金は変わらない。「のぞみ」「みずほ」の自由席を使う限り、2027年7月以降も今と同じ料金で乗れる。ただし繁忙期には「のぞみ」が全席指定で走る日もあり、その日に自由席特急券で乗るとデッキや通路で過ごすことになる。座って移動したいなら指定席が必要だ。
「ひかり」「こだま」については、発表の対象が「のぞみ」「みずほ」の指定席特急料金に限られており、普通車指定席の料金改定は示されていない。注意したいのは乗り継ぎのケースだ。「のぞみ」「みずほ」の指定席と「ひかり」などを乗り継ぐ場合に上乗せする加算額も、指定席特急料金と同じ額だけ引き上げる。
九州新幹線に直通する場合も扱いは同じだった。東海道・山陽新幹線の区間で「のぞみ」「みずほ」の指定席を使えば、改定の対象になる。
基準が「購入分から」である点も見落とせない。2027年6月30日までに買ったきっぷなら、乗るのが7月以降でも現行の料金になる。
グリーン料金は12月15日乗車分から約1.6倍に
グリーン料金の改定は、2027年12月15日(水)に乗る分から適用される。こちらは購入日ではなく乗車日が基準で、「のぞみ」「みずほ」に限らず全列車のグリーン車が対象となった。「ひかり」「こだま」のグリーン車も値上がりする。
グリーン料金は営業キロ(運賃計算に使う距離)で6段階に分かれ、どの段階も現行のおよそ1.6倍に上がる。大人と子どもは同じ料金だ。
| 営業キロ | 東京からの例 | 現行 | 改定後 | 差額 |
|---|---|---|---|---|
| 100キロまで | 小田原 | 1300円 | 2100円 | +800円 |
| 200キロまで | 静岡 | 2800円 | 4500円 | +1700円 |
| 400キロまで | 名古屋 | 4190円 | 6700円 | +2510円 |
| 600キロまで | 新大阪 | 5400円 | 8400円 | +3000円 |
| 800キロまで | 岡山 | 6600円 | 1万400円 | +3800円 |
| 801キロ以上 | 広島 | 7790円 | 1万2300円 | +4510円 |
指定席特急料金の値上げと重なるため、「のぞみ」「みずほ」のグリーン車を使う場合の負担はさらに膨らむ。主な区間の発売額(通常期・大人1人・片道、運賃と料金の合計)は次の通りだった。
| 区間 | 現行 | 改定後 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 東京―名古屋 | 1万4960円 | 1万8050円 | +3090円 |
| 東京―新大阪 | 1万9590円 | 2万3290円 | +3700円 |
| 東京―岡山 | 2万3840円 | 2万8400円 | +4560円 |
| 東京―広島 | 2万7020円 | 3万2390円 | +5370円 |
| 新大阪―広島 | 1万4610円 | 1万7380円 | +2770円 |
| 新大阪―博多 | 2万2090円 | 2万6170円 | +4080円 |
東京―新大阪のグリーン車は約19%の値上げで、普通車指定席の約5%とは開きが大きい。差額3700円の内訳は、指定席特急料金の700円とグリーン料金の3000円になる。このうち指定席特急料金の700円は、グリーン車を使う場合も2027年7月1日購入分から先に上がる。
なぜ今、値上げに踏み切るのか
両社は指定席の値上げ理由について、所要時間の短縮や運転本数の大幅な増加などダイヤの便利さを高めてきた一方、最近のインフレで安全性やサービスを保つためのコストが上がっていると説明した。増えた収入は、安全性のさらなる向上やサービス改善に回すという。
グリーン料金は事情が少し違う。新型車両の投入で乗り心地を改善してきた一方、消費税率の改定に伴うものを除いてグリーン料金を据え置いてきたと両社は明かした。座席の作り替えや専用待合室の新設といった投資を進め、その内容に見合う料金に改める考えだ。
山陽新幹線では、JR西日本が先に動いていた。2022年7月に「のぞみ」「みずほ」の指定席特急料金の引き上げを発表し、2023年4月から区間に応じて110〜420円上げた経緯がある。今の新大阪―博多の1万6020円は、そのときの改定後の額だ。
今回は東海道新幹線を運行するJR東海も加わった。東京や名古屋を発着する区間でも、指定席が値上がりする。
グリーン車で何が良くなるのか
料金に見合うサービスとして、両社はグリーン車の設備を順次入れ替える。中心は座席の刷新だ。
N700A(数年以内に引退予定の車両を除く)とN700Sの8〜10号車に、2タイプの座席を入れる。8・9号車はドリンクホルダーやスマホホルダーを備えた「多機能アームレスト座席」、10号車は隣の席からの視線を遮る仕切りを付けた「パーティション座席」になる。
どちらの座席もクッション材を改良し、肘掛けに収める大型テーブルを付ける。リクライニングできる角度は123度から116度に調整し、跳ね上げ式のフットレストを採用して足元を広げる。いずれも2027年12月15日以降、順次切り替わる。
N700Sでは9号車に、化粧鏡や姿見、仕切りのカーテンを備えた「パウダーコーナー」を新設する。7〜10号車ではフルアクティブダンパ(揺れを抑える装置)の制御を改良し、すれ違うときの横揺れを約10%減らす。
値上げより先に始まるサービスもある。2026年10月26日以降、N700Sの8〜10号車で無料Wi-Fi「S Wi-Fi for Biz」の対象を広げる。これまでは7・8号車だけだったが、9・10号車でも使えるようになり、5G対応の透明ガラスアンテナも8〜10号車に載せる。今後新しく造る編成の9号車では、女性専用トイレのサニタリーボックスの構造を見直し、共用トイレにベビーチェアを置く。
ホームに出る前の時間も変わる。グリーン車とSupreme Class(スプリームクラス)の利用者だけが入れる専用待合室を、「のぞみ」停車駅の改札内に設ける。
| 駅 | 開始時期(予定) |
|---|---|
| 品川・新横浜・京都・小倉・博多 | 2027年12月15日 |
| 東京・新大阪 | 2028年度 |
| 名古屋 | 2029年度 |
| 広島 | 2028年度以降(時期未定) |
待合室には係員が常駐し、無料のソフトドリンクと無料Wi-Fiを用意する。席ごとにコンセントも付く。営業時間や利用条件は、後日あらためて知らせるとしている。
最上位クラスの「Supreme Class Cabin」(7号車・10号車)も、指定席とグリーン料金の改定に合わせて同じ時期に値上がりする。エクスプレス予約で東京―新大阪の10号車は、現行の4万2100円が2027年7月1日購入分から4万2800円に、12月15日以降の乗車分は4万5800円となる。2027年度中に入る「Supreme Class Seat」は、Cabinの10号車と同じ額で売り出す。
割引きっぷの扱いはまだ見えない
利用者が気になるのは、エクスプレス予約やスマートEXの割引商品がどうなるかだろう。発表資料には、Supreme Classを除いて、こうしたネット予約の割引商品の改定の有無は書かれていない。繁忙期や閑散期に上乗せ・差し引きする額を変えるかどうかも、資料からは読み取れない。
指定席の値上げまで約8カ月半、グリーン料金の改定まで約1年2カ月ある。2027年夏以降に東海道・山陽新幹線を使う予定があるなら、指定席は6月30日までの購入で現行料金になる点を頭に入れておきたい。割引商品の扱いは、両社の続報を待つことになる。
[文/構成 by さとう つづり]














































































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