MediaDogs

新着記事

西武、支配下の戦力外通告は20日夕方時点でゼロ 栗山巧引退で事実上69人、22日ドラフト会議

西武、支配下の戦力外通告は20日夕方時点でゼロ 栗山巧引退で事実上69人、22日ドラフト会議

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

西武が、支配下選手に一人も戦力外通告を出さないまま10月22日のドラフト会議を迎える可能性が出てきた。報道によると、10月20日午後6時の時点で支配下選手への通告はなく、栗山巧外野手(43)の現役引退で支配下は事実上69人。この人数のままなら、ドラフトで2人目の交渉権を得た段階で上限の70人を超える計算になる。

西武の戦力外通告は育成2人だけ

西武がこの秋に発表した戦力外通告は、10月1日の1件だけだ。球団はこの日、シンクレア投手と奥村光一外野手の2人に来季の契約を結ばないと通告したと公式サイトで発表した。2人とも育成選手で、シンクレアは2023年の育成ドラフト1位、奥村は同じ年の育成6位で入団していた。

シンクレアは「体もまだ元気ですし、まだプレーできると思っています」とコメントし、現役続行への思いを口にした。奥村は「この3年間は、僕にとって宝物です」とファンに感謝を伝えている。

支配下選手への通告は、その後も出ていない。報道によると、第2次戦力外通告期間に入ってからも、10月20日午後6時の時点で支配下選手への通告は行われていなかった。球団の公式サイトでも、10月21日昼までに掲載されたお知らせは秋季練習の案内や選手の帰国、表彰などで、来季の契約を結ばないとする新たな発表はない。

報道は、21日に通告が行われる可能性にも触れている。ただ、ドラフト会議の前日は例年、球団本部の業務がスカウト会議中心になるという。

「事実上69人」の内訳

NPBの公式サイトに載る西武の所属選手名簿を数えると、支配下登録選手は栗山を含めて70人、育成選手は10月1日に戦力外を通告されたシンクレアと奥村を含めて33人だ。支配下の上限はちょうど70人で、枠は埋まっている。

ここから栗山が抜ける。兵庫・育英高から2001年のドラフト4巡目で入団し、西武一筋で25年。2008年に最多安打のタイトルを手にしてチームの日本一に貢献し、2021年には球団の生え抜きで初めて通算2000安打に届いた。昨年の契約更改の場で2026年シーズン限りでの現役引退を表明し、8月30日にベルーナドームで行われた楽天戦が引退試合となった。八回に中前打を放ち、通算安打を2152本に伸ばしている。

名簿上、栗山はまだ支配下選手として残る。ただ、来季の戦力には数えられない。報道が「事実上69人」とするのは、この70人から栗山を除いた人数だ。

69人のままドラフトを迎えた場合、1位で1人目の交渉権を得れば70人で枠が埋まる。2人目の交渉権を得た段階で、計算上は上限を超える。もちろん、指名した選手と契約を結ぶまでには時間があり、すぐに枠の問題が表に出るわけではない。それでも、近年6人前後を指名してきた西武にとって、何人分の空きを作るかは避けて通れない問題になる。

枠を使うのはドラフトの新人だけではない。育成選手を支配下に引き上げる場合も、1人につき1枠が必要になる。報道では、30人を超える育成選手の成長と支配下への昇格を見越すことも重要だとされている。

報道によると、球団は指名人数を例年より絞り、4〜5人を基本線とする選択肢も考えられるという。

通告が出ない背景にある「レギュラー未固定」

なぜ西武は、支配下選手に通告を出していないのか。

報道によると、広池浩司球団本部長は10月1日、育成2選手への通告を終えた後の取材で「うちもバシッとレギュラーが決まっているわけではないので」と話している。西武は2026年のレギュラーシーズンを2位で終え、クライマックスシリーズのファーストステージに進んだ。第1戦は延長十回のサヨナラ勝ちだったが、その後2連敗し、3位の日本ハムに1勝2敗で敗れている。

レギュラーシーズン中は多くの選手に出番があった。報道によると、支配下70人のうち59人が1軍の試合に出場し、1軍で登板がなかった支配下の投手は與座海人と狩生聖真の2人だけだった。球団関係者は、今年は戦力外の対象を選ぶのが難しいと話しているという。フェニックス・リーグに選手を送り、見極めを続けている。

その一方で、主力の去就は揺れる。高橋光成投手は海外FA権を持ち、10月20日に始まった秋季練習の初日に「本当に悩んでいる」と胸の内を明かした。平良海馬投手はポスティングシステムでの大リーグ挑戦を希望している。平良は10月20日、捕手の小島大河とともに「2026プロ野球最優秀バッテリー賞」に初めて選ばれたばかりだ。2人が抜ければ先発投手陣に大きな穴が開き、補強の方向も変わる。報道は、FA市場への参入や育成選手の支配下昇格の可能性にも触れている。

関連記事:高橋光成、海外FA権の去就「本当に悩んでいる」 西武の秋季練習初日に参加

外国人選手の動きも補強に関わる。球団は10月14日にワイナンス投手、ラミレス投手、ネビン選手、カナリオ選手の帰国を発表し、ウィンゲンター投手と林安可選手の帰国も知らせた。報道によると、ネビン、カナリオ、林安可の外国人打者3人とウィンゲンターは来季の残留が決まっており、ラミレスとワイナンスについては契約を更新するかどうか慎重に判断するとみられている。

第2次期間は10月30日まで 他球団の動き

戦力外通告には2つの期間がある。第1次は9月28日から、クライマックスシリーズのファーストステージ前日の10月9日まで。第2次は、両リーグのクライマックスシリーズが10月17日にすべて終わったことを受けて10月18日に始まり、10月30日に締め切られる。ドラフト会議は第2次期間の5日目にあたる。

他球団は第1次の段階から動いた。報道によると、第1次期間には12球団で支配下・育成を合わせて80人を超える選手が構想外となり、最多はDeNAの15人、続いて巨人の13人だった。第1次で育成選手6人にだけ通告していた阪神も、第2次期間に入った10月19日、島田海吏外野手と豊田寛外野手の支配下2選手に戦力外を伝えた。同じ日には、クライマックスシリーズのファーストステージで西武を破った日本ハムも3選手への通告を発表している。ドラフト直前まで支配下に一人も通告していない西武の状況は、ほかの球団と比べても珍しい。

関連記事:戦力外通告2026はいつまで? 第2次期間が10月18日開始、30日に終了 22日にドラフト

ドラフト後に動くか

2026年のプロ野球ドラフト会議は、10月22日の午後4時50分から東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪で開かれる。西武は、指名の結果を見てから支配下の顔ぶれを決める可能性がある。報道では、ドラフトで交渉権を得た人数も踏まえて来季の構想を固め、それに合わせて通告を行う流れになるとみられている。

第2次期間の締め切りまでは、ドラフトの翌日から8日間残る。指名人数、主力2人の去就、外国人選手との交渉。いくつもの要素が重なり、西武の来季の陣容はドラフト会議の後にはっきりしてくる。

[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]

寄稿者

高瀬翔吾
Webメディアでスポーツ、エンタメ、時事ニュースなど、累計数千本の記事制作に携わってきたスポーツ系ライター。野球分野では、プロ野球の試合結果や選手の記録をはじめ、MLB、高校野球、ドラフト、移籍、契約更改などの記事を継続的に担当。数字や公式記録を基に情報を整理する記事を得意としており、結果を伝えるだけでなく、その記録が持つ意味や、選手・球団を取り巻く背景までわかりやすく解説することを心がけている。主な執筆分野は、プロ野球、MLB、高校野球、侍ジャパン、ドラフト、移籍情報。

コメントはこちら

*
*
* (公開されません)

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

エンタメ

More

スポーツ

晴れた日の野球場のマウンドに置かれた硬式野球ボール

米沢友翔、能登半島地震で「珠洲に残る」と言った長男に両親は「大阪へ戻って野球をし...

石川県珠洲市出身、関西大の左腕・米沢友翔。大学1年の正月に能登半島地震に遭い「珠洲に残る」と伝えた長男に、両親は「大阪へ戻って野球をしなさい」と背中を押した。左肘のけがを越え、54年ぶりの日本一で最高殊勲選手賞。ドラフト1位候補の原点をたど...
More

ライフハック/実用

More

グルメ

More

社会/ニュース

More
Return Top