石井武志、初防衛戦の相手は11位メデシロに決定 9戦全勝5KOのフィリピン人と11月26日

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
WBA世界ミニマム級王者の石井武志(26)=大橋=の初防衛戦の相手が、同級11位のザイバージョン・メデシロ(21)=フィリピン=に決まった。大橋ジムが10月13日に発表した。試合は11月26日、東京・EBARA WAVEアリーナおおた(大田区総合体育館)で行うダブル世界戦のセミファイナルとして組まれ、メデシロは9戦全勝5KOの無敗のまま世界初挑戦となる。
11月26日のセミファイナル、相手は21歳の無敗選手
9月29日の発表会見の時点で、石井の初防衛戦の日程と興行は決まっていたものの、相手は「調整中」とされていた。それから2週間、大橋ジムが挑戦者の名前を明かした。
メデシロはWBAミニマム級11位にランクされる21歳で、右構えのオーソドックススタイルだ。2024年8月にプロデビューし、ここまで9戦全勝(5KO)。アマチュアでの実績も持つ。5月24日にはフィリピン・マニラで行われたWBCインターナショナル・ミニマム級王座決定戦10回戦で、沖縄の仲島辰郎(平仲BS)に9回TKO勝ちし、このベルト(JBC未公認)を巻いた。プロでマニラ首都圏の外に出て戦うのは、今回の日本が初めてになる。
興行はNTTドコモの映像配信サービス「Lemino」の「Lemino BOXING ダブル世界タイトルマッチ」。メインはIBF世界フライ級王者の矢吹正道(緑)が同級1位ミエル・ファハルド(フィリピン)を迎える3度目の防衛戦で、石井の試合はその前に行う。当日は「Leminoプレミアム」で午後3時30分から独占生配信される。
全7試合が組まれた興行には、2つの世界戦のほかにも見逃せない顔ぶれがそろう。元WBO世界バンタム級王者の武居由樹、藤木勇我、力石政法、中山聖也、和田まどかが出場予定だ。11月26日は木曜日で、平日の開催になる。
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日本の王者2人に、フィリピンの挑戦者2人という構図だ。メデシロとファハルドはともに香港のレノン・ツォイ氏がマネジメントを担っており、ツォイ氏はフィリピンの英字紙に「フィリピンのボクシングにとって歴史的な夜になる」と語っている。
「すぐにやりたかった」85日での再出陣
石井が王座を手にしたのは9月2日だった。初防衛戦の11月26日は、そこからわずか85日後になる。
指名試合で迎える予定だった初防衛戦は、指名が解除されたため相手探しからやり直しになった。大橋秀行会長(61)は、挑戦者を王者側が選べる「選択試合」だと明言していた。
間隔の短さを、石井本人は気にしていない。防衛戦を前に「早く防衛戦ができることに感謝。すぐにやりたかったので楽しみ」と話している。9月末の会見では「ミニマム級らしからぬボクシング」を目指すと語り、強打を持ち味に、もう一段強い王者になる考えを示している。王座獲得から2日後の9月4日には八重樫東トレーナーのもとで練習を再開しており、10月11日からは和歌山・白浜町で合宿に入った。下半身の強化を中心に、同じ興行に出る武居由樹、藤木勇我、中山聖也らと砂浜や山道を走り込んでいる。
試合の1か月前、10月26日に石井は27歳の誕生日を迎える。27歳で臨む最初の試合が、王者として最初の防衛戦になる。
開始65秒、井上尚弥の記録を抜いた戴冠
石井の名前が広く知られたのは、9月2日の横浜BUNTAIだった。WBA世界ミニマム級王座決定戦で同級1位の石井は、元WBO同級王者で同級2位のウィルフレド・メンデス(プエルトリコ)と対戦。ゴングと同時に前へ出ると、開始50秒ごろに鋭い左ボディーで相手の体勢を崩し、続く右でダウンを奪った。メンデスは立ち上がれず、1回1分5秒のKO勝ちとなった。
この65秒は、日本選手が世界戦で勝った最短タイムだ。2018年10月7日に井上尚弥(大橋)がフアンカルロス・パヤノを1回1分10秒で倒した記録を5秒縮めた。大橋ジムから出た世界王者は、石井が6人目になる。
試合後の石井は「今日死んでも良いと思って、覚悟を決めてこのリングに立った」と語り、大橋会長は井上の記録を石井が抜くとは思わなかったと驚いた。同じ日には東京・後楽園ホールでガッツ石松さんのお別れの会が開かれており、会長は「ガッツさんが降りてきたとしか思えない一日だった」と口にした。
関連記事:【全試合結果】吉良大弥が7回TKO、石井武志が65秒KOで世界王者|9.2 Lemino BOXING
キックボクサーから世界王者へ 13戦12勝9KO
石井は1999年10月26日生まれ、福岡県うきは市出身。高校卒業後にプロのキックボクサーとなり、大和KICKの52.5キロ級王者になった。だが、キックには自分に合う階級がなかった。
ボクシングへの転向を後押ししたのは、同じキック出身で元WBO世界バンタム級王者の武居由樹だった。武居の手引きで福岡から関東に出て大橋ジムに入門し、2022年5月に4回戦でデビュー。その年のうちにミニマム級の全日本新人王を手にした。
2023年9月にはフィリピン選手に判定で敗れ、これがプロで唯一の黒星になる。そこから立て直し、2024年9月に東洋太平洋(OPBF)ミニマム級王座を獲得。2025年3月の初防衛戦は5回KO、同年9月にはフィリピンのジェイク・アンパロに判定勝ちして2度目の防衛を果たした。
13戦目で世界初挑戦にこぎつけ、その試合を65秒で終わらせた。戦績は13戦12勝(9KO)1敗。身長156センチの右のボクサーファイターだ。
11月26日の興行では、石井をボクシングへ導いた武居由樹も同じリングに上がる。キックからボクシングへ、同じ道をたどった先輩と後輩が、同じ日のリングに名前を並べる。
無敗の挑戦者と強打の王者、ポイントは序盤
戦績を並べると、石井のKO率の高さが目立つ。12勝のうち9つがKOで、メデシロは9勝のうち5KOだ。メデシロも直近の9戦目、日本人の仲島を9回で止めてWBCインターナショナル王座を手にしており、日本選手と拳を交えた経験を持つ。
石井は9月末の会見で「僕のスタイルに必要な技術に取り組んでいる」と話し、八重樫東トレーナーも「次戦はこれまでと違った石井を見せられる」と手応えを口にした。65秒で終わった王座決定戦では見せる時間のなかった引き出しを、無敗の挑戦者相手に試す機会にもなる。
メデシロが勝てば、10月14日時点でIBFミニマム級王座を持つペドロ・タドゥランに続き、フィリピンに同じ階級の世界王者がもう1人生まれる。石井が勝てば、65秒の戴冠に続く初防衛となり、本人が視野に入れる他団体王者との統一戦が近づく。
日本で初めて試合をする21歳の無敗の挑戦者を、85日ぶりのリングで石井がどう迎えるのか。ゴングは11月26日に鳴る。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]












































































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