矢吹正道の次戦は11月26日、ファハルドと3度目の防衛戦 ダブル世界戦はLeminoプレミアムで午後3時30分から独占生配信

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
IBF世界フライ級王者の矢吹正道(34)=緑=が11月26日、東京・EBARA WAVEアリーナおおた(大田区総合体育館)で同級1位の指名挑戦者ミエル・ファハルド(フィリピン)と3度目の防衛戦に臨む。セミはWBA世界ミニマム級王者の石井武志(大橋)の初防衛戦。全7試合を動画配信サービス「Leminoプレミアム」が午後3時30分から独占生配信する。
配信は月額制のLeminoプレミアム、チケットは10月3日発売
大橋ボクシングジムが9月29日、横浜ベイシェラトンホテル&タワーズで会見を開き、「NTTドコモ presents Lemino BOXING ダブル世界タイトルマッチ」の開催を発表した。11月26日は木曜日で、平日の午後に始まる興行となる。
配信するのはNTTドコモの「Lemino」だ。ライブ配信は有料の「Leminoプレミアム」だけで、「Leminoセレクト」での配信はない。視聴可能期間は11月26日午後3時30分からの予定で、見逃し配信もある。
料金はWeb登録かドコモショップでの契約なら月額1,540円(税込)で、App StoreやGoogle Playからの購入だと月額1,650円(税込)に上がる。Lemino公式によると、Leminoプレミアムに初めて申し込む人は月額使用料が31日間無料になる。ただし、アプリ内課金やプリペイドカード、視聴用シリアルコードでの登録はこの初回初月無料の対象外だ。1試合ごとに買うペイ・パー・ビュー(PPV)の案内はなく、月額会員として見る仕組みになっている。
ドコモの料金プラン「ドコモ MAX」「ドコモ ポイ活 MAX」の契約者は、「選べる特典」でLeminoを選ぶと追加料金なしで見られる。Leminoは10月1日から、NTTドコモとWOWOWの共同事業になる。
会場で見る場合は、午後3時開場、午後3時30分試合開始の予定。チケットは10月3日正午に発売され、アリーナSRS席の11万円から指定D席の1万1000円まで6段階に分かれる。車いす席(1万1000円)と車いす+介助者席(2万2000円)も用意された。
全7試合の対戦カード、セミの挑戦者は調整中
発表された全カードは次のとおり。セミファイナルの石井の挑戦者は、9月30日時点でまだ決まっていない。
| 試合順 | 試合 | 階級・ラウンド | 対戦カード |
|---|---|---|---|
| 第7試合(メイン) | IBF世界フライ級タイトルマッチ | フライ級・12回戦 | 矢吹正道(緑)-ミエル・ファハルド(フィリピン) |
| 第6試合(セミ) | WBA世界ミニマム級タイトルマッチ | ミニマム級・12回戦 | 石井武志(大橋)-調整中 |
| 第5試合 | ノンタイトル戦 | スーパーバンタム級・8回戦 | 武居由樹(大橋)-大嶋剣心(KOD LAB) |
| 第4試合 | WBCユース・ライト級王座決定戦 | ライト級・8回戦 | 藤木勇我(大橋)-ロネリック・バレステロス(フィリピン) |
| 第3試合 | ノンタイトル戦 | 8回戦 | 力石政法(大橋)-メルチョール・ロダ(フィリピン) |
| 第2試合 | ノンタイトル戦 | 8回戦 | 中山聖也(大橋)-ヴィンセント・ラカール(フィリピン) |
| 第1試合 | WBA女子世界アトム級挑戦者決定戦 | アトム級 | 和田まどか(DANGAN)-エマ・ネスビット(ニュージーランド) |
もう一つの世界戦に出る石井(26)は、9月2日のWBA世界ミニマム級王座決定戦でウィルフレド・メンデス(プエルトリコ)を1回1分5秒KOで下し、王座についたばかりだ。日本男子の世界戦で最速のKOタイムを記録してから、わずか85日で初防衛戦を迎える。戦績は12勝(9KO)1敗。会見では「すぐにでもやりたかった」と話し、王座を手にした試合から間もなく練習を再開したことを明かしている。
第5試合には、前WBO世界バンタム級王者の武居由樹(30)=大橋=が登場する。5月の再起戦に続く再起2戦目で、4度のタイトル挑戦経験がある大嶋剣心(31)=KOD LAB=とスーパーバンタム級8回戦を戦う。
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第4試合はアマチュア49戦全勝の藤木勇我(18)=大橋=のプロ3戦目。フィリピン・ユース王者のバレステロスとWBCユース・ライト級王座を争う、初めてのタイトル戦だ。
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第3試合には矢吹の実弟で、WBA世界スーパーフェザー級5位の力石政法(32)=大橋=が出る。再起2戦目の相手はフィリピンのメルチョール・ロダ。兄弟が同じ興行のリングに立つのは2017年11月以来、約9年ぶりとなる。第2試合では、アマチュア7冠の中山聖也(19)=大橋=がプロ2戦目でヴィンセント・ラカールと8回戦を行う。
第1試合は因縁の再戦。WBA女子世界アトム級2位の和田まどか(31)=DANGAN=は7月、ニュージーランドで同級3位のエマ・ネスビットとの挑戦者決定戦に臨み、1-2の判定で敗れた。この結果を受けてWBAが両者に即時再戦を指令し、4カ月後の東京で2度目の対戦が組まれた。
3度目の防衛戦、ファハルドは14勝のうち12KOの強打者
矢吹は世界2階級制覇王者。IBF世界ライトフライ級王座を持ったまま、2025年3月29日に愛知県国際展示場でIBF世界フライ級王者アンヘル・アヤラ(メキシコ)に挑み、3度のダウンを奪って最終12回1分54秒TKOで王座を奪った。
防衛ロードはここから始まる。2025年12月27日の初防衛戦では、元IBF世界ライトフライ級王者フェリックス・アルバラード(ニカラグア)から11回と12回にダウンを奪い、12回1分59秒KOで退けた。アルバラードにとっては、プロ47戦目で初めてのダウンであり、初めてのKO負けだった。
2度目の防衛戦は2026年6月6日、愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)での「3150FIGHT 10」のメインだった。同級3位のレネ・カリスト(メキシコ)から初回に2度のダウンを奪い、118-108、118-108、116-110の3-0判定で勝っている。試合前には興行の資金面を担っていた企業が撤退し、開催が危ぶまれる騒動もあった。
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判定勝ちでも、矢吹本人の評価は厳しかった。試合後に「今日の内容じゃ大きなことは言えないけれど、こういう試合をすることで成長できる」と語り、翌日の一夜明け会見では100点満点で10点という自己採点を変えなかった。戦績は20勝(18KO)4敗。KO率は9割に達する。
迎える挑戦者のファハルドは、14勝(12KO)3敗2分けのフィリピン人ボクサー。4月にアルゼンチンで行われたIBFの挑戦者決定戦で地元のトビアス・レイエスを初回で仕留め、指名挑戦権を手にした。日本のリングは初めてではない。2024年4月には大阪でタノンサック・シムシー(タイ)と戦い、12回判定で敗れてOPBF東洋太平洋ライトフライ級王座を失っている。タノンサックは現在のIBF世界ライトフライ級王者だ。
KO率の高い者同士の対戦になる。
会見の矢吹「めちゃくちゃかみ合うと思う」
会見の冒頭、矢吹は「2回目の指名試合で3度目の防衛戦なんですけど、しっかり勝って次の大きなステップに行けるような内容にしたいなと思います」とあいさつした。
挑戦者の印象を問われると、「すごいパワーがあって、フックとかボディーがすごく強くて上手い選手だなと思っています」と警戒を隠さない。そのうえで「めちゃくちゃかみ合うと思う。結構前半で倒している選手なんで、前半しっかり集中して中盤、後半フィニッシュにつなげれたらいい」と、序盤をしのいでからのKOを思い描いた。
矢吹はここ7試合続けて愛知、三重の中京圏で戦ってきた。首都圏のリングに上がるのは2019年5月以来で、大橋ジム主催の興行に出るのも初めてだ。井上尚弥らが主戦場とするLeminoの興行でメインを務めることには、「楽しみですよ。Leminoというデカい舞台で戦えることは。今後もつながってくると思うので」と前向きだった。
不安があるとすれば減量の環境になる。いつもは自宅の浴室乾燥付きの浴室で汗を出して体重を落としており、遠征先では勝手が変わる。横浜に住む弟の力石は、自宅の浴室乾燥付きの浴室を兄に貸すことを「ノープロブレム」と引き受けた。力石は「サクッと倒して勝って、兄のサポートができれば」と話し、矢吹も「弟は早く試合して自分のセコンドに就いてくると思うので、しっかりと勝ってもらって、自分のサポートをしっかりしてほしいです」と注文をつけている。
家族の事情も一つある。高校総体の女子ライトフライ級を1年生で制した長女の佐藤夢月は、11月25日に宮崎で始まる全日本女子ジュニア選手権に出場する予定で、父の試合と日程が重なった。プロ24戦すべてのリングサイドで声援を送ってきた長女が、初めて会場に来られない。「初めて娘がこられない。本人にもボクシング人生があるから」と矢吹は明かした。
勝てば統一戦か、スーパーフライ級での3階級制覇か
矢吹が見ている先は、フライ級の外にもある。
「もう1個前の試合から本当は上の階級に上げたかったんですけど、なかなかチャンスが回ってこないんで防衛しながら待つしかない」と会見後の取材で語った。フライ級での減量はすでにきつく、他団体王者との統一戦についても「フライ級も前回からきつかったんで、(統一戦は)早くしてほしいですね」と求めた。
スーパーフライ級に上げる場合は「一番いいのはダイレクトでチャンピオンとやれるのが一番いい」と話す。ファハルド戦の減量の具合によっては、次戦から階級を上げる可能性もにおわせた。
6月の防衛戦の後、矢吹は「世界チャンピオンだったら誰でもいい」と次の相手を求めていた。その答えが出るのは、11月26日の結果次第になる。3度目の防衛に成功すれば、統一戦か3階級制覇か、次の一手が具体的に動き出す。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]








































































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