武居由樹の次戦は11月26日、大嶋剣心と8回戦 那須川天心戦には「今そんなことを言っていられるような立場ではない」

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ボクシングの前WBO世界バンタム級王者・武居由樹(30)=大橋=の次戦が、11月26日に東京・EBARA WAVEアリーナおおた(大田区総合体育館)で行われる大嶋剣心(31)=KOD LAB=とのスーパーバンタム級8回戦に決まった。9月29日、大橋ジムが横浜市内のホテルで開いた会見で発表した。2025年9月に王座を失ってから再起2戦目となる。会見では、9月27日に井上拓真に敗れた那須川天心との対戦についても問われ、「自分は今そんなことを言っていられるような立場ではない」と答えた。
大嶋剣心とのスーパーバンタム級8回戦、テーマは「丁寧にぶん殴る」
会見は9月29日、大橋ジムの主催で横浜ベイシェラトンホテル&タワーズで開かれた。11月26日の興行は「Lemino BOXING」のダブル世界タイトルマッチで、メインはIBF世界フライ級王者・矢吹正道=緑=の防衛戦、セミはWBA世界ミニマム級王者・石井武志=大橋=の初防衛戦(挑戦者は調整中)。武居と大嶋の一戦は全7試合のうち第5試合、いわゆる”セミセミ”に組まれた。
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武居はまず感謝を口にした。「2戦続けてふがいない試合をしてしまったのにも関わらず、このような大きな大会で試合を組んでくださり」と述べ、配信するLemino、関係者、大橋秀行会長の名を挙げて礼を述べた。
試合の話になると、言葉は力強くなった。「今回のテーマは『丁寧にぶん殴る』です。最初からエンジン全開で行きたい。久しぶりにバチッと決めて勝ちます」。7月からは、パンチのタイミングに幅を持たせるためにリズムトレーニングを新たに取り入れた。「スパーリングしながら、1つ1つ意識して考えて言語化して練習している。1つ上の段階に入ったのではないかと思う」と手応えも口にした。
階級は、会見の時点で武居本人も完全には把握していなかった。スーパーバンタム級に「なるはずです。ちゃんと聞いてないですけど」と苦笑いしつつ、「最近、肩周りや腕周りが凄くデカくなっているのは感じるので、もしかしたらスーパーバンタム級の方が合ってるのかも」と体の変化を明かした。現在はバンタム級でWBO2位・WBA7位、スーパーバンタム級でIBF6位にランクされる。階級については「チャンスがある方でいきたいと思っています」と、両にらみの姿勢を示した。
天心戦を問われ「下から積み上げて」
武居は9月27日、TOYOTA ARENA TOKYOで行われたWBC世界バンタム級タイトルマッチを会場で見届けていた。大橋ジムの先輩で王者の井上拓真(30)が、挑戦者の那須川天心(28)=帝拳=を3-0の判定(114-113、116-111、116-111)で下し、2度目の防衛に成功した一戦だ。那須川は7回に井上からダウンを奪ったものの、2025年11月の王座決定戦に続く2度目の世界挑戦も実らなかった。
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「やっぱり、さすがの拓真さんだなというのももちろんですし、拓真さんとあそこまでやり合えて、ダウンまで取った天心選手のすごさも強く感じました。自分自身にも刺激になりましたし、本当にいい試合だったなという感想です」。武居は試合の感想をそう語った。
武居と那須川は、ともにキックボクシングからプロボクシングへ転向した。武居はかねて那須川との対戦を望み、両者は互いに「やりましょう」と将来の対戦を誓い合った間柄でもある。ただ、いまはどちらも世界王者ではない。その現状で天心戦の実現をどう考えるか問われると、武居は慎重に言葉を選んだ。
「自分は今そんなことを言っていられるような立場ではないので、またイチから、下から積み上げて、そこまで登った時に、もう一度言えたらなと思っています」
先に自分の立場を取り戻し、そのうえで再び名乗りを上げる。武居が示したのはその順番だった。王座を失ったメディナ戦、再起戦のワン・デカン戦と、2試合続けて納得のいく内容を見せられていないことが、この言葉の背景にある。
メディナ戦の4回TKO負けと東京ドームの辛勝
時計の針を2024年に戻す。
武居は2024年5月6日、東京ドームでジェイソン・モロニー(オーストラリア)に判定勝ちし、プロ9戦目でWBO世界バンタム級王座を奪った。同年9月には比嘉大吾との初防衛戦を判定で制し、2025年5月のユッタポン・トンデイ(タイ)戦は1回TKOで2度目の防衛に成功する。
流れが変わったのは2025年9月14日だった。愛知・IGアリーナで同級1位のクリスチャン・メディナ(メキシコ)を迎えた3度目の防衛戦で、1回にカウンターの右フックを浴びてダウン。4回、コーナーに詰められて連打を浴び、1分21秒でレフェリーが試合を止めた。プロ12戦目で初めての黒星となり、王座を明け渡した。
再起戦は2026年5月2日、東京ドームでのスーパーバンタム級8回戦。相手はWBA世界同級15位のワン・デカン(中国)だった。スコアは77-75、77-75、76-76の2-0判定。中盤から後退しながら被弾する場面が目立ち、勝利のアナウンス後には場内がどよめいた。試合直前のウオーミングアップで太ももの肉離れを再発していたことを、翌日に大橋会長が明かしている。
会見で武居は「言い訳になりますが、コンディションは良くなかった」と認めたうえで、「他の選手に比べて自分の評価を下げていると思うので、また一から。下から上げるのぼり方は分かっているので、また積み上げてトップ戦線に乗り込んでいきたい」と続けた。脚の状態については「しっかり休んでケアしたので今は心配ない」と説明し、「今回はコンディションもしっかり整えられるように気をつけたい」と話した。戦績は12勝(9KO)1敗。
キック時代の武居は、K-1のスーパー・バンタム級王者だった。2021年3月にプロボクサーとしてデビューし、デビューから8連続KO勝ちで世界挑戦までたどり着いている。一度頂点に立った選手が口にする「下から上げるのぼり方は分かっている」には、その道のりの裏付けがある。
大嶋剣心は4度のタイトル挑戦を経験
対戦相手の大嶋剣心は日本スーパーバンタム級10位で、戦績は9勝(5KO)5敗1分。元WBA世界スーパーフェザー級王者の内山高志が会長を務めるKOD LABに所属する。帝拳ジム、一力ジムを経て、2026年にKOD LABへ移籍した。
タイトル戦の経験は4度ある。2022年2月の日本バンタム級王座決定戦では澤田京介に5回負傷判定1-2で敗れ、同年10月には王者・堤聖也に挑んで9回TKO負け。2025年6月には大阪で東洋太平洋スーパーバンタム級王者の中嶋一輝に挑み、3回TKOで退いた。中嶋は武居と同じ大橋ジムの所属だ。2026年5月12日には後楽園ホールで日本スーパーバンタム級王者・池側純=角海老宝石=に挑戦したが、7回TKOで敗れ、ベルトには届かなかった。
4度とも敗れたが、日本と東洋太平洋のタイトル戦を戦った経験は軽くない。武居も「アマチュアの経験もありますし、日本タイトル、東洋(太平洋)タイトルを4度も経験されているので、『強敵だな』と思っています」と警戒を口にした。
弟分・石井武志の世界王座が刺激に
武居の背中を押すのは、同じ大橋ジムの弟分だ。同じ興行のセミで初防衛戦に臨む石井武志(26)は、キックボクサー時代からの知り合いで、武居がボクシング転向を勧め、大橋ジムへの入門を橋渡しした。その石井が9月2日、横浜BUNTAIでの世界初挑戦でウィルフレド・メンデス(プエルトリコ)を1回1分5秒でKOし、WBA世界ミニマム級王座を手にした。
「自分もうれしかった。負けてられない。今度は自分が武志の背中を追いかけるつもりで頑張りたい」。かつて自分が導いた後輩が先に世界王者になり、立場は入れ替わった。武居はその事実を隠さず、追いかける側に回ると言い切った。
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11月26日のリングは、石井にとっては王者として初めての防衛戦、武居にとっては世界戦線へ戻るための試合になる。大嶋を相手に「バチッと決める」内容を見せられるか。天心戦について「もう一度言えたら」と語った武居にとって、その言葉を再び口にするための第一歩が始まる。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]








































































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