嵐富士が新入幕、福岡県宇美町出身で地元の九州場所へ 福岡出身は13年ぶり、鳥取城北高出身

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日本相撲協会が10月26日に発表した大相撲九州場所(11月場所)の新番付で、福岡県糟屋郡宇美町出身の嵐富士(22)=伊勢ヶ濱=が東前頭16枚目に名を連ね、新入幕を決めた。福岡県出身の新入幕は2013年5月場所の大喜鵬以来、13年ぶり。宇美町によると、同町から幕内力士が出るのは初めてだという。地元・福岡での場所に向け、嵐富士は「あわよくば優勝」と目標を口にした。
東前頭16枚目、地元の九州場所で幕内デビュー
九州場所は11月8日に初日を迎え、11月22日に千秋楽を迎える。会場は福岡市の福岡国際センターだ。子どもの頃から通った地元の場所が、そのまま幕内デビューの舞台になる。
新番付の発表を受け、嵐富士は10月26日、部屋の宿舎がある福岡県太宰府市の太宰府天満宮で会見に臨んだ。目標に掲げたのは2桁勝利。そのうえで「あわよくば優勝」と言い切り、得意の真っ向勝負で幕内の土俵に立つ考えを示した。番付表で自分のしこ名が少し大きくなったことにも触れ、お相撲さんになった実感が湧いたと笑顔を見せた。
会見には師匠の伊勢ヶ濱親方(元横綱照ノ富士)も同席した。親方は、小柄ながら前に出る正攻法の相撲を教えてきたと説明した。しこ名には「嵐」の一字が入る。親方は名前の由来に重ねて、幕内の土俵で「嵐を巻き起こして」ほしいと期待を寄せた。
協会の番付トピックスによると、福岡県出身の新入幕は戦後24人目で、前回は2013年5月場所の大喜鵬だった。そこから約13年半、県出身の力士が幕内に上がる場面はなかった。協会の力士一覧を見ても、九州場所の番付で福岡県出身の関取(十両以上)は嵐富士ただ一人だ。
この場所の新入幕は嵐富士、出羽ノ龍(出羽海)、旭海雄(大島)の3人。協会の番付トピックスによると、出羽海部屋からの新入幕は2015年11月場所の御嶽海以来、大島部屋からは現在の師匠が部屋を興してから初めてとなる。41歳11か月の玉鷲(片男波)が昭和以降で最も高齢での再入幕を果たすなど、見どころの多い番付となった。同じ番付では、鳥取城北高等学校の先輩にあたる美ノ海(木瀬)が沖縄県出身で初めての三役となる新小結に上がり、同じ母校の2人がそろって節目の番付を迎えた。
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宇美町から鳥取城北高等学校へ、付け出しで角界入り
嵐富士の本名は松井奏凪人(まつい・かなと)。2004年10月12日生まれで、宇美町立宇美小学校、宇美町立宇美中学校を卒業した。相撲を始めたのは小学4年のころで、協会の力士アンケートにも相撲を始めた年齢は10歳とある。
中学卒業後は、相撲の強豪として知られる鳥取城北高等学校(鳥取市)へ相撲留学する。3年生で出場した全国高校総体では個人戦で準優勝し、団体戦では優勝メンバーに名を連ねた。卒業後も鳥取に残って母校で稽古を続け、2023年10月の国民体育大会の成年の部個人戦でベスト8に入る。この成績で、幕下最下位格付け出しの資格を手にした。
入門先は宮城野部屋。2024年3月場所で幕下最下位格付け出しとして初土俵を踏んだが、翌月には部屋の閉鎖に伴い伊勢ヶ濱部屋へ移った。しこ名は本名の「松井」で長く取り、幕下には14場所在位した。
だが、関取の壁を越えてからは早かった。新十両の2026年7月場所(名古屋場所)は東十両13枚目で初日から7連勝し、8日目に初黒星を喫した後も白星を重ねて11勝4敗。新十両の場所で2桁勝利を挙げ、一気に十両上位へ番付を上げた。続く9月場所(秋場所)は西十両5枚目で9日目まで4勝5敗と苦しんだものの、そこから6連勝して10勝5敗で終える。十両をわずか2場所で通過した。2024年3月場所の初土俵から数えると、九州場所は17場所目。幕下で14場所を過ごした時間に比べ、関取になってからはわずか2場所で幕内まで駆け上がった。
身長172センチ、体重123キロ。幕内では小柄な部類に入る。協会のプロフィールで得意技は「押し」とあり、力士アンケートでは自分が相撲界で一番だと思う点に「低さ」を挙げている。座右の銘は「嘘のない稽古」で、好きな食べ物は牛タンと答えた。10月26日の取材では、下から攻めていく自分の相撲を徹底したことが番付を上げた理由だと語った。
宇美町役場で祝賀セレモニー、子どもたちの質問にも
番付発表のあった10月26日の午後、嵐富士はその足で故郷へ向かった。宇美町役場の1階ロビーで新入幕の祝賀セレモニーが開かれ、大きな拍手で迎えられた。町からは花束などが贈られ、集まった子どもたちの質問にも一つずつ答えた。
あいさつでは、応援してくれる人たちの期待に応えられる相撲を取りきり、「九州場所を盛り上げたい」と決意を述べた。
町を挙げての祝福は、これが2度目だ。2026年5月27日、東京・両国国技館の番付編成会議で新十両昇進が決まると、その日のうちに同じロビーでセレモニーが開かれた。急な開催にもかかわらず、町の発表では町内外から約200人が集まった。東京から帰郷した嵐富士は「十両昇進に満足することなく、さらに上をめざして頑張っていきます」と話していた。その言葉どおり、2場所後には幕内の番付にたどり着いた。
1年前は幕下、関取として帰る九州場所
1年前の2025年九州場所、嵐富士の番付は西幕下11枚目だった。4勝3敗と勝ち越したが、関取には届かない。それでも、翌年は関取として九州場所に帰ってくることを目標に掲げていた。小中学生のころは、毎年のように福岡国際センターへ九州場所を見に行っていたという。
子どもの頃に客席から見上げた土俵へ、今度は幕内力士として上がる。関取として帰るという1年前の目標は、幕内力士として果たされる。
所属する伊勢ヶ濱部屋は勢いづく。協会の番付トピックスによると、九州場所の同部屋の関取は嵐富士を含めて10人。同じ部屋から関取が10人そろうのは、1996年1月場所の二子山部屋以来だ。同部屋からの新入幕は9月場所の寿之富士に続き2場所連続で、新十両にも旭富士が名を連ねた。幕内には関脇の熱海富士、小結の義ノ富士、前頭の伯乃富士、尊富士、錦富士、寿之富士らがそろい、嵐富士も同じ部屋の先輩たちと並び、幕内の一員として地元の場所に臨む。
福岡県出身として13年ぶりの幕内力士、そして町によれば宇美町から初めての幕内力士。故郷の期待を背負う九州場所は、11月8日に始まる。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 南條楓]







































































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