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張本智和、日本男子52年ぶりのアジア選手権シングルス連覇 決勝の相手・李天陽は19歳のカットマン

張本智和、日本男子52年ぶりのアジア選手権シングルス連覇 決勝の相手・李天陽は19歳のカットマン

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卓球の張本智和(23)=トヨタ自動車=が10月25日、ウズベキスタン・タシケントで行われたアジア選手権の男子シングルス決勝で中国の李天陽を3-2で破り、2大会連続の優勝を果たした。0-2からの逆転勝ち。この種目で日本男子が連覇するのは、1972年と1974年に制した長谷川信彦以来52年ぶり2人目となった。

0-2から3ゲーム連取、決勝のスコアと試合の流れ

決勝のゲームスコアは1-11、9-11、11-7、11-8、11-7。張本にとって序盤は苦しい展開だった。相手の李天陽は、攻撃を織り交ぜながら台から離れて相手の強打を下回転で返すカットマンだ。第1ゲームはカットの回転の変化を読み切れず、1-0から11連続失点で1-11と落とした。

第2ゲームも主導権を握られた。1-5とリードを許したあと、8-6と一度は逆転したものの、終盤に押し返されて9-11。2ゲームを先に失い、あと1ゲームで敗れる状況に追い込まれる。

流れが変わったのは第3ゲームだった。打ち急ぐのをやめ、回転量の多いループドライブと短いストップを使い分けて相手のミスを誘うと、カットの球質にも次第に対応し、11-7で1ゲームを返した。第4ゲームもブロックがさえ、11-8で連取する。

最終第5ゲームは7-2と抜け出しながら、5連続失点を喫して7-7に追いつかれた。それでも7-7から4点を続けて奪い、最後はフォアハンドで決めて11-7。0-2から3ゲームを連取する逆転で、タイトルを守った。

大会は10月19日から25日までの日程で行われ、男子シングルスの決勝は最終日の25日にあった。

長谷川信彦以来の連覇、「52年ぶり」の根拠

前回のシングルスの優勝は2024年10月、カザフスタン・アスタナで開かれた第27回大会だった。張本は決勝で中国の林詩棟を3-1で破り、1974年の横浜大会で長谷川信彦が制して以来、日本勢として50年ぶりの金メダルを手にしている。2025年にインドで開かれた第28回大会は団体戦だけの開催で、シングルスは行われなかった。

このため、張本にとって第29回大会は、シングルス王者として臨む防衛戦の舞台となった。日本男子でアジア選手権のシングルスを連続で制したのは、これまで長谷川だけだった。1967年の世界選手権で男子シングルスを制した長谷川は、1972年の第1回大会と1974年の第2回大会で頂点に立った。張本の連覇はそれ以来、52年ぶりとなる。

勝ち上がりも簡単ではなかった。日本卓球協会の発表によると、張本は2回戦で香港の関文皓に3-0、3回戦で韓国の金民赫に3-1で勝った。男子シングルスは2027年世界選手権のアジア大陸予選を兼ねており、ベスト16に入れば出場枠を得られる。張本は3回戦を突破した時点で、その枠を確保した。

4回戦では中国の黄友政に3-0で完勝。準々決勝はチャイニーズタイペイの馮翊新に2ゲームを先に奪われながら、11-2、11-5、11-5と3ゲームを取り返して逆転した。準決勝では中国の温瑞博を11-5、11-7、11-5のストレートで退け、相手に与えた得点は3ゲーム合計で17点だけだった。

黄友政、温瑞博、李天陽と、中国勢3人を破っての優勝となる。日本の松島輝空と戸上隼輔はシングルスを棄権しており、日本男子でベスト8に残ったのは張本だけだった。

李天陽は19歳のカットマン、世界ランク66位から決勝へ

決勝の相手、李天陽は19歳の中国選手だ。大会時点の世界ランキングは66位で、張本の3位とは大きな開きがあった。それでも、近年の男子の国際大会では珍しいカットマンとして勝ち上がり、アジア選手権の男子シングルスで決勝まで進んだ。

カットマンは、相手の強打を台から離れた位置で下回転をかけて返し、守りからミスを誘う戦型だ。李は守るだけでなく、チャンスがあれば自ら打ちにいく攻撃型のカットマンとして知られる。決勝の第1ゲームで張本から11連続得点を奪った場面は、回転の変化と強打の組み合わせが最も効いた時間帯だった。

中国メディアによると、李は準々決勝で同じ中国の向鵬に3-0で勝ち、準決勝ではチャイニーズタイペイの郭冠宏をフルゲームの末に3-2で下した。張本との対戦は今回が初めてだった。

決勝で2ゲームを先取しながら敗れた李にとっては、悔しい銀メダルとなった。中国の報道は、張本が見事な逆転でタイトル防衛に成功したと伝えている。

妹・張本美和は銀、日本勢の大会成績

同じ25日には、妹の張本美和(18)=木下グループ=が女子シングルス決勝に臨んだ。準決勝で中国の蒯曼に3-2で競り勝って勝ち上がったものの、決勝は中国の陳熠に0-3で敗れて銀メダル。兄妹そろっての同日優勝はならなかったが、きょうだいでメダルを持ち帰った。

関連記事:張本美和、アジア選手権シングルス銀メダル 決勝で中国の陳熠に0-3、団体と混合ダブルスで2冠

張本美和は女子団体と、松島輝空と組んだ混合ダブルスで金メダルを手にした。早田ひな=日本生命=と組んだ女子ダブルスは決勝で中国ペアに1-3で敗れて銀メダル。4種目すべてで決勝に進み、金2つと銀2つを獲得した。

男子団体は準々決勝でカザフスタンに3-2で勝ったが、準決勝で韓国に1-3で敗れて銅メダルに終わった。張本智和は準決勝で1勝を挙げている。女子団体は決勝で中国を3-2で破り、優勝を果たした。

関連記事:卓球アジア選手権、日本男子団体は準決勝で韓国に1-3 1972年以来54年ぶりの金ならず

日本選手団は大会を通じて、男子シングルス、女子団体、混合ダブルスの3種目で金メダルを獲得した。

アジア大会の団体金から1か月、続いた大一番

張本は9月の愛知・名古屋アジア競技大会で、男子団体の決勝で中国を3-2で破り、日本に1966年バンコク大会以来60年ぶりの金メダルをもたらした一員だった。篠塚大登と組んだ男子ダブルスでも銀メダルを手にした一方、シングルスは準々決勝で敗れてベスト8にとどまっている。地元開催の大会から約1か月。タシケントでは0-2の崖っぷちから立て直し、シングルスでもアジアの頂点を守った。

アジア選手権のシングルスでの優勝は、2024年に続いて2度目。長谷川以来半世紀ぶりの優勝から2年がたち、今度は長谷川と並ぶ連覇を成し遂げた。

男子シングルスでベスト16以上に入った張本は、2027年の世界選手権の出場枠も手にしている。中国勢が上位を占める男子卓球で、中国の若手3人を続けて破った結果は、次の国際大会に向けた手応えになる。

[文/構成 by スポーツライター TAKU]

寄稿者

TAKU
ボールを使う競技なら何でも観ます、TAKUです。学生時代はずっとバスケ部、いまは週末にフットサル。スポーツを中心に書くWebライターになって5年です。Bリーグ、バレーボール、ラグビー、テニスを中心に、野球やサッカーも書きます。試合の流れが変わった瞬間を、スコアと一緒に伝えるのが得意です。

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