張本智和、パク・ガンヒョンに3-2で16強 チャイナスマッシュ最終ゲームで観客のフラッシュも

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
卓球のWTTチャイナスマッシュ(中国・北京)で10月7日、男子シングルス2回戦があり、10月5日発表の世界ランキングで3位の張本智和(23)=トヨタ自動車=が韓国のパク・ガンヒョン(朴康賢)に3-2で競り勝ち、16強に進んだ。最終ゲームは8-10とマッチポイントを握られてから4連続得点。追い上げの途中、9-10の場面では客席からカメラのフラッシュがたかれ、主審が観客に注意を呼びかけた。
2ゲーム先取から追いつかれ、最終ゲームは8-10から逆転
試合は10月7日の日本時間13時10分(現地12時10分)ごろに始まり、36分20秒で決着した。ゲームスコアは張本から見て11-6、11-8、7-11、5-11、12-10だった。
序盤は張本のペースで進む。第1ゲームはパクの両ハンド攻撃に得点を許しながらも、ラリー戦で少しずつ差を広げて先取。第2ゲームも中盤に追い上げられたものの、11-8で取り切った。
流れが変わったのは第3ゲームからだった。張本は試合後、パクについて「もともとパワーのある選手ですし、振って入った時はなかなか速いスピードで取れないボールがある」と語り、そのボールを第3ゲームから狙われ始めたと明かしている。パクは0-2から攻撃を強め、第3、第4ゲームを連取。勝負は最終ゲームにもつれた。
第5ゲームは張本が5-2と先行し、5点目を取ってチェンジコートを迎えた。ところが7-7から連続で失点し、8-9からは相手のロングサービスに対応できず、8-10。先にマッチポイントを握ったのはパクだった。
ここから張本が4点を続けて奪う。レシーブからの得点で9-10とし、10-10に追いつくと、相手のミスでマッチポイントを握り返し、最後はフォアハンドで台の奥へコントロールして12-10。ベンチの岸川聖也監督と笑顔でハイタッチを交わした。
9-10でフラッシュ、張本が指を差して主審に訴え
最終ゲームの9-10の場面で、客席からカメラのフラッシュがたかれた。張本は「フラッシュ」と左手で指を差しながら主審に声をかけ、主審も「ノーフラッシュ、プリーズ!」と場内に呼びかけた。場内がざわつく中でも、張本はレシーブで踏みとどまり、同点に追いついている。
試合後の取材で張本は、フラッシュは8-10の時点でもあったと明かした。8-10では「やばいな」と思っていたため言わなかったものの、9-10になって追いつけるのが現実になり、今度は伝えたという。ラリー中にもフラッシュがあったと話しつつ、この日は少ない方だったとも付け加えた。
勝った直後、張本は左手を左耳に当てて客席に向けるしぐさを見せた。その意味を問われると、これまでの中国での試合で一番多く自分のファンが来てくれた一方、半分ほどは「とりあえず張本の対戦相手を応援する」観客だったと説明。第1ゲームから中国語のヤジが続き、ずっといら立っていたと打ち明けた。
「観客も対戦相手だと思っている」
張本はそう話し、ヤジに対して自分の感情を出したと語っている。
最近の国際大会では、客席からのフラッシュが続く。9月24日にスカイホール豊田であったアジア競技大会の男子団体決勝では、日本の松島輝空(19)が中国の王楚欽と戦った試合中にフラッシュを受けて客席を指さした。松島はそれより前、9月のWTTチャンピオンズマカオで被害に遭った際にも、自身のインスタグラムで「プレー中の邪魔になる行動をしないでください」と訴えていた。張本自身も10月5日の1回戦の後、わざとかどうか分かるようになってきたほど増えていると話している。
1回戦のグロート戦も0-2から逆転、2試合続けてフルゲーム
張本は10月5日の1回戦でも苦しんだ。世界ランク42位のジョナサン・グロート(デンマーク)に2ゲームを先取され、第3ゲームを11-2で取り返すと、第4ゲームは9-9から2点を続けて奪取。最終ゲームも6-9とリードを許したところから5点を連取し、11-9で逆転勝ちした。
この試合で張本が問題にしたのが、グロートのサービスの間合いだった。サービスに20秒、30秒かけてきたと指摘し、「審判次第では即イエローやレッドが出る内容です」と語った。一方で、こうした相手の工夫を「自分が強くなった証」とも表現し、何をされてもフルゲームにならないよう、落とすにしても1ゲーム程度に留めなければならないと課題を挙げていた。
関連記事:張本智和、チャイナスマッシュ1回戦でグロートに0-2から逆転勝ち 相手のサービスの間合いに「審判次第では即イエローやレッドが出る内容です」
2回戦の後、張本は「初戦の反省を活かして、出だしはいい入りができて」と序盤の内容には手応えを示した。それでも2試合続けて最終ゲームまでもつれたのは事実だ。5-2でリードした最終ゲームについても「5-2でリードした状態で勝つのがセオリーだったのかな」と語り、次戦へ向けて体のキレなどを調整すると話した。
相手のパク・ガンヒョンと、日本男子の勝ち上がり
パク・ガンヒョンは韓国の選手で、世界ランクは48位。1回戦ではドイツのアンドレ・ベルテルスマイヤーを3-1で破って勝ち上がってきた。国際大会での張本との対戦はこれが初めてだった。2026年1月のWTTスターコンテンダー・ドーハでは、キム・ナヨン(金娜英)と組んだ混合ダブルスで決勝に進み、準優勝している。
日本男子のシングルスで16強に残ったのは、張本と松島の2人だ。10月5日発表の世界ランキングで初めて1位に立った松島は、1回戦でアメリカのカナック・ジャーを3-0で退け、2回戦も世界ランク47位のフィン・ルー(オーストラリア)に3-0で勝った。第2ゲームは11-1。試合後は、前日の夜から鼻水とせきが出て体調が良くないと明かしながらも、勝ち切れたことを喜んだ。
関連記事:松島輝空、卓球の世界ランキング1位に 日本人の1位は46年ぶり、19歳の出身高校とこれまでの歩み
ほかの日本男子は初戦で姿を消した。戸上隼輔は韓国のオ・ジュンソン(呉晙誠)に2-3で敗れ、最終ゲームは17-19。篠塚大登はルーマニアのダリウス・モビレアヌに0-3、吉村真晴は第1シードのフェリックス・ルブラン(フランス)に1-3で敗れ、吉山僚一は予選1回戦で敗退した。松島と戸上の男子ダブルスも、10月7日の2回戦で中国の温瑞博、袁励岑組に2-3で敗れている。一方、松島は張本美和と組む混合ダブルスで、同じ日の準々決勝で中国の黄友政、陳熠組を3-2で破り、準決勝へ進んだ。
10月8日の3回戦は中国の周啓豪、松島とは準決勝で当たる組み合わせ
張本の3回戦は10月8日で、相手は中国の周啓豪に決まった。周は2回戦で同じ中国の向鵬に0-2から逆転し、3-2で勝ち上がっている。最終ゲームは13-11だった。張本は周と1月のWTTチャンピオンズドーハ2回戦で初めて対戦して3-1で勝ち、9月のWTTチャンピオンズマカオ準々決勝でも4-1で勝っている。松島の3回戦の相手は、中国の梁靖崑を3-1で破った台湾の郭冠宏だ。2人がこのまま勝ち進めば、準決勝で顔を合わせる。
3回戦で中国選手と当たることについて、張本は意外な見方を示した。中国選手には自国の選手を応援する前向きな声援がほとんどなので、むしろやりやすいという。「応援の一つ二つで技術を覆されることはない」と話し、自分の技術と戦術を信じて臨む考えだ。
張本の2026年は浮き沈みが激しい。8月のヨーロッパスマッシュでは準決勝で松島を4-3で下して決勝に進み、フェリックス・ルブランに1-4で敗れて準優勝。9月24日のアジア競技大会男子団体決勝では王楚欽を3-0で破り、日本の60年ぶりの金メダルに貢献した。一方、9月26日の男子シングルス準々決勝では当時世界344位のノシャド・アラミヤン(イラン)に3-4で敗れ、メダルを逃している。
張本は1回戦の後、この大会の結果次第で自力で世界ランク1位に立つ可能性があると話し、「今大会が終わったら僕だ」という気持ちで臨んでいると明かした。松島とは「ライバルであり友達でもある」。北京で続く2人の戦いは、次の世界ランキングにも直結する。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]









































































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