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孫穎莎、11月4日の誕生日を前に声明 応援イベントは開催・参加・許可・奨励いずれもせず

孫穎莎、11月4日の誕生日を前に声明 応援イベントは開催・参加・許可・奨励いずれもせず

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

卓球女子中国代表の孫穎莎(25)が10月19日、自身のWeibo(微博)に投稿し、11月4日の誕生日に向けた応援イベントを開かず、参加せず、許可せず、勧めもしないと表明した。自分の名義で応援を企画したり宣伝したりしないよう、ファンに求めている。中国では行き過ぎたファン活動への対策が続いており、男子の王楚欽も5月に同じ趣旨の投稿をしていた。

Weiboで示した「4つの不」

投稿は中国時間10月19日の午前で、中国メディアは同日午前10時26分(日本時間午前11時26分)には全文を報じている。発信元は所属団体や代理人ではなく、孫穎莎本人の個人アカウントだ。投稿の時点で、誕生日までは16日あった。

投稿は2段落の短い文章だった。原文と日本語訳は次のとおり。

1段落目:祝福への感謝と練習への思い

原文は「大家好,生日将近。每年这个时候都会收到满满的祝福,特别感谢大家一路以来的支持与鼓励。我更希望把精力放在训练上,好好打好每一场球,用赛场表现回馈大家的支持。」。

訳すと「皆さん、こんにちは。誕生日が近づいてきました。毎年この時期にはたくさんの祝福をいただき、これまでずっと支え、励ましてくださったことに心から感謝しています。私は力を練習に注ぎ、一試合一試合をしっかり戦い、試合でのプレーで皆さんの応援にお返ししたいと思っています」となる。

2段落目:応援活動への「4つの不」

続く段落の原文は「因此我不会举办、不参与、不授权、也不鼓励任何生日应援活动,请大家不要以我的名义组织或宣传相关应援。希望大家都能好好生活,我们赛场见!」。

日本語にすると「そのため私は、どのような誕生日の応援活動も開催せず、参加せず、許可せず、勧めることもしません。私の名義で関連する応援を企画したり宣伝したりしないでください。皆さんが毎日をしっかり過ごせますように。会場で会いましょう!」となる。

「不授权」は、許可や公認を与えないという意味の言葉だ。開く・参加する・認める・勧めるの4つをすべて否定し、名義の使用にもくぎを刺した。

報道によると、ファンからは「しっかり休んで、しっかり練習して、会場で会おう」「健康がいちばん大事」といった書き込みが寄せられた。

大型ビジョンにドローンショー、膨らんだ誕生日の祝い方

なぜここまで細かく線を引いたのか。

投稿の文面は理由に触れていないが、1年前の誕生日には祝い方が大きく膨らんでいた。2025年11月、孫穎莎の25歳の誕生日には、各地の大型電子看板にメッセージが流れ、ドローンショーや全国のショッピングモールでのファンイベントまで開かれたと報じられた。

2026年5月10日には、国家体育総局の関係部門の責任者の発言が国営メディアで伝えられた。責任者は、商業施設の大型スクリーンへの写真掲示やファンが集まっての応援で国家代表選手の誕生日を祝う活動が各地で見られると指摘した。この種の活動は公共の資源を大量に使い、選手の試合準備にも支障を出しやすいと説明している。主催者や商業施設が選手の肖像を無断で使えば、選手の権利を侵す疑いもあるという。そのうえで、選手の試合での活躍に目を向け、誕生日などの祝いの活動を企画も参加もしないよう呼びかけた。

その2日前の5月8日未明、王楚欽(26)が自身のSNSで「关于即将到来的生日,我不提倡也不会参与任何形式的生日应援活动」と書き込んでいる。「間もなく来る誕生日について、どのような形の誕生日応援活動も勧めないし参加もしない」という意味で、26歳の誕生日だった5月11日の3日前の投稿だった。「大家多关注比赛就是对我最好的支持(試合にもっと注目してくれることが、私にとって一番の応援です)」とも添えた。

孫穎莎の投稿は、この王楚欽の文面よりも踏み込んでいる。「開催しない」「許可しない」を加え、名義の使用まで止めた点が違う。

王皓監督への暴言事件、高まる取り締まりの流れ

秋に入ってからも、行き過ぎたファンの問題は続いた。

国家体育総局の高志丹局長は9月3日の記者会見で、2026年から始まる5カ年計画の期間中に、体育界の「飯圏(過熱したファンの集団)」の乱れの取り締まりを深めると述べた。会場でのマナーづくりを強め、前向きで健全なファン文化を育てる方針も示している。

その約1カ月後、事件が起きる。10月6日、北京の首鋼園で開かれていたWTT中国スマッシュの期間中、会場の通路を通った中国男子代表の王皓監督に対し、観客らが声をそろえて叫び、汚い言葉も浴びせた。名古屋アジア大会での選手起用への不満が背景にあったと報じられている。王皓監督は写真を撮って警察に通報した。

中国卓球協会は10月7日に声明を出し、一部の極端なファンが代表の監督や選手に罵倒、デマ、人格攻撃を続け、それが会場からネットへ広がっていると指摘した。通報への協力に加え、会場への入場禁止リストの仕組みづくりを進める考えも示している。

北京市公安局石景山分局は10月10日、20人が集まって公然と他人を侮辱したと認定した。情状が重いとされた19歳の女性2人と16歳の女性1人の計3人を行政拘留とし、残る17人には注意と指導を行ったと公表している。

孫穎莎の投稿は、この処分の公表から9日後だった。投稿の文面には、事件や当局の方針に触れた言葉はない。

26歳を迎える世界女王、アジア大会は1金2銀

孫穎莎は2000年11月4日、河北省石家荘市の生まれ。11月4日で26歳になる。

実績は女子卓球界でも頭一つ抜けている。五輪では2021年の東京大会で女子団体の金と女子シングルスの銀、2024年のパリ大会では王楚欽と組んだ混合ダブルスと女子団体で金、女子シングルスで銀を手にした。世界選手権の個人戦では、女子シングルスを2023年のダーバン大会、2025年のドーハ大会と2連覇している。ドーハの決勝は王曼昱とのフルゲームの末の勝利だった。混合ダブルスでも王楚欽とのペアで2021年、2023年、2025年と3大会続けて頂点に立った。

最近では、9月の愛知・名古屋アジア大会に出場した。9月24日の女子団体決勝で日本を3-0で下したチームの1番手として早田ひなに勝ち、金メダルに貢献した。9月26日の混合ダブルス決勝は王楚欽と組んで林詩棟/蒯曼に0-4で敗れて銀。9月27日の女子シングルス決勝でも王曼昱に2-4で敗れ、前回大会に続く連覇はならなかった。結果は1金2銀となった。

10月19日にウズベキスタンのタシケントで開幕したアジア卓球選手権には、中国のエントリーに名前がない。中国卓球協会は8月29日、王楚欽、孫穎莎、王曼昱ら5人が代表選考への参加を自ら辞退したと明らかにしており、国家代表の秦志戬総監督は、この後の主要な国際大会の日程と選手個人の事情を踏まえ、コーチ陣が同意したと説明した。

関連記事:アジア卓球選手権2026、日程は10月19日〜25日 中国は王楚欽・孫穎莎らエントリーなし

誕生日の11月4日は水曜日にあたる。投稿の結びは「我们赛场见(会場で会いましょう)」。試合でのプレーで応援に応えたいという1段落目の言葉と重なる結びだ。

[文/構成 by スポーツライター TAKU]

寄稿者

TAKU
ボールを使う競技なら何でも観ます、TAKUです。学生時代はずっとバスケ部、いまは週末にフットサル。スポーツを中心に書くWebライターになって5年です。Bリーグ、バレーボール、ラグビー、テニスを中心に、野球やサッカーも書きます。試合の流れが変わった瞬間を、スコアと一緒に伝えるのが得意です。

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