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工藤公康・中日新監督、22日のドラフト会議は欠席へ 指名はスカウトに一任「あとは僕らがどう育てるか」

工藤公康・中日新監督、22日のドラフト会議は欠席へ 指名はスカウトに一任「あとは僕らがどう育てるか」

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中日ドラゴンズの工藤公康新監督(63)が、10月22日のプロ野球ドラフト会議を欠席する見通しとなった。10月19日、秋季練習中のナゴヤ球場を訪れた際の取材で明かしたもので、半年前から10月の仕事が入っていたという。指名はスカウト陣に任せ、「あとは僕らがどう育てるか」と自らの役割を語った。

10月19日、ナゴヤ球場で欠席の見通しを明かす

工藤がナゴヤ球場に姿を見せたのは、10月15日の就任会見の直後に続いて2度目だった。コーチ陣とのミーティングや選手との面談を終えた後、報道陣の取材に応じ、22日のドラフト会議について「現時点では難しい」と参加しない考えを示した。

理由は日程にある。報道によると、10月の仕事は半年前から決まっており、ドラフト当日はライブ配信をリアルタイムで見ることもできない見込みだという。球団からの監督就任の打診は10月に入ってからで、仕事の予定はそれよりずっと前に組まれていた。

では、誰を指名するのか。

工藤の答えははっきりしていた。「僕は関わるのではなく、お任せしている」。1年間、足を使って選手を見てきたスカウトが最善と考える選手を獲ってもらい、「あとは僕らがどう育てるか」だと続けている。指名する選手に注文を付けず、獲った選手を一人前に育てるところに監督の仕事を置く考え方だ。

この姿勢は就任会見の時から変わらない。10月15日の会見でドラフトへの要望を問われた工藤は、ないと答え、「あれを取ってくれ」と頼むのは自分たちの仕事ではなく、編成やスカウト陣が獲ってくれた選手を育てていくという思いを口にしていた。この日の段階で、ドラフト会議に出るかどうかは未定とされていた。

ドラフト会議は10月22日16時50分から

2026年のドラフト会議は、10月22日(木)16時50分から東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪「国際館パミール」で開かれる。日本野球機構(NPB)の開催要項によると、テレビはTBS系列の全国ネットとスカイA、ラジオはニッポン放送、インターネットはDAZNとU-NEXTが中継する。U-NEXTは見放題作品としてライブ配信し、1巡目から育成指名の終了まで伝えるほか、11月5日14時59分までの見逃し配信も予定している。

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1位指名は12球団が一斉に名前を入れる入札方式で、重なれば抽選で交渉権が決まる。中日がくじを引くことになった場合に誰が引くのかは、10月20日時点で球団から明らかにされていない。

中日は工藤抜きで準備を進めてきた。10月9日、ナゴヤ球場に隣接する選手寮「昇竜館」でスカウト会議を開き、加藤宏幸球団社長らが出席するなか、指名候補の約60人を映像で確認した。話し合いは3時間を超えている。

関連記事:中日、スカウト会議で約60人を評価 2026年ドラフト候補の渡部海・鈴木泰成・宮原廉と出身高校、新監督就任が決定的な工藤公康は出席せず

この会議に、就任が決定的と報じられていた工藤は出席していない。リモートでの参加もなかった。加藤社長は会議前日の10月8日の取材で、工藤から、編成の基本的な部分は球団に任せるという趣旨の話があったと明かしている。

1位候補に青学大の鈴木泰成ら、織田翔希はメジャー挑戦を表明

中日は10月20日時点で、1位指名を公表していない。報道によると、上位の候補には青山学院大の右腕・鈴木泰成投手や、鈴木とバッテリーを組む渡部海捕手らが挙がる。187cmの長身から最速155kmを投げる鈴木は、今春から主戦を務め、最優秀投手とベストナインに選ばれた。ほかにも、慶応大の左腕・渡辺和大投手や近畿大の宮原廉投手の名前が候補として報じられている。

堀中寛樹スカウト部長はスカウト会議の後、具体的な方針は明かさなかった。そのうえで、中長期的な視点で選手を獲りながら即戦力も必要だとし、投手に加えて捕手や野手も含めた全体のバランスを考えて臨むと説明している。

候補の一人だった横浜高の織田翔希投手は、状況が変わった。堀中部長が大学生や社会人を含めた候補の中でトップクラスの評価をしていると明かしていた右腕だが、10月15日に横浜市内の同校で会見を開き、世界一のピッチャーになり、世界で活躍するという最終目標に向けて「アメリカの地で挑戦することに決めました」と語った。若いうちから英語に触れ、言葉の壁を早く越えておきたいという思いもあったという。米国の大学への進学も視野に入れており、ドラフト会議当日の22日に会見を開くかどうかは未定とされている。

最下位からの再建、育成に軸足を置く理由

中日の2026年シーズンは60勝81敗2分け、勝率.426でセ・リーグ最下位に終わった。優勝した阪神とは19ゲーム差、5位のヤクルトとも1ゲーム差がついた。6年連続のBクラスで、井上一樹監督は9月29日に今季限りでの辞任を表明し、10月3日の最終戦まで指揮を執った。

後任として白羽の矢が立ったのが工藤だった。10月8日に就任へと報じられ、球団は10月15日に正式に発表した。名古屋市出身の工藤は、ソフトバンクを率いた2015年から2021年の7年間で5度の日本一を経験しており、背番号も当時と同じ81を背負う。

関連記事:工藤公康、中日監督就任会見で「自分のふるさとに帰って」 母校は愛知工業大学名電高等学校

ドラフトを任せる一方、育成の土台づくりには早くも手を付けている。10月19日はナゴヤ球場に約4時間半とどまり、その大半を話し合いに使った。コーチ会議では、今季の開幕直後にけが人が相次いだことに触れ、太ももの裏(ハムストリング)や脇腹のけがは春先に多いと分析する。オフシーズンを休む期間ではなく体を鍛える期間と位置づけ、春先のけがにつながらないよう選手をよく見てほしいとコーチ陣に求めた。

編成・育成を担当する荒木雅博球団本部長補佐らとも話し合い、杉浦稔大投手との面談も行った。1年目から結果を残すには、まず選手を知ることが必要だという考えで、15日の視察時からベテラン選手と一人ずつ言葉を交わしている。その15日には、会見を終えたその足でナゴヤ球場へ向かい、選手たちに、自分の能力を信じてほしいと呼びかけた。遠慮せずにどんどんアピールしてほしい、とも伝えている。

ドラフト後は11月の秋季キャンプへ

11月の秋季キャンプには、すでに入っている個人の仕事の合間を縫って可能な限り足を運び、指導も行う方針を示した。10月中のナゴヤ球場への再訪についても、できる限り来ると話している。

工藤自身も、スカウトに見いだされてプロの世界に入った一人だ。名古屋電気高(現・愛知工業大学名電高等学校)3年の1981年夏、甲子園でノーヒットノーランを達成し、その秋のドラフトで西武から6位指名を受けた。下位指名から実働29年で通算224勝を積み上げている。

自ら選手を選ぶのではなく、選ばれた選手を伸ばす。ソフトバンクで7年間に5度の日本一を経験した指揮官は、中日でもそこから始める。22日、スカウト陣が名前を書き込む新しい戦力が、工藤体制の最初の一歩になる。

[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]

寄稿者

高瀬翔吾
Webメディアでスポーツ、エンタメ、時事ニュースなど、累計数千本の記事制作に携わってきたスポーツ系ライター。野球分野では、プロ野球の試合結果や選手の記録をはじめ、MLB、高校野球、ドラフト、移籍、契約更改などの記事を継続的に担当。数字や公式記録を基に情報を整理する記事を得意としており、結果を伝えるだけでなく、その記録が持つ意味や、選手・球団を取り巻く背景までわかりやすく解説することを心がけている。主な執筆分野は、プロ野球、MLB、高校野球、侍ジャパン、ドラフト、移籍情報。

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