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龍聖、ISKA世界戦で1R KO勝ち 左膝「限界が来てる」、病院を受診し今後を相談へ

龍聖、ISKA世界戦で1R KO勝ち 左膝「限界が来てる」、病院を受診し今後を相談へ

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

キックボクサーの龍聖(25)が10月25日、東京・テレビ東京天王洲スタジオで行われた『キックボクシングフェス.3 GOAT』でISKA K-1ルール世界スーパーフェザー級王座の初防衛戦に臨み、挑戦者のロドリゴ・ボガド(アルゼンチン)を1R2分10秒、左フックでKOした。試合後の会見では、左膝の状態について「限界が来てる」と明かしている。少し休んでから病院を受診し、今後の進め方を相談する考えだ。

1R2分10秒、右ストレートから左フックで決着

メインの第5試合は、3分3R・延長1Rで争うISKA K-1ルール世界スーパーフェザー級タイトルマッチだった。挑戦者のボガドは2000年3月14日生まれで、アルゼンチンのDemonios Teamに所属する。戦績は12戦9勝(4KO)3敗、ISKAムエタイルールのアルゼンチン・スーパーフェザー級王者で、日本での試合はこれが初めてだった。

王者の龍聖は開始直後から前に出て、ローキックやカーフキック、左ミドル、ボディへのパンチと攻撃を散らしながら、回り込もうとするボガドを追い続けた。

ボガドも腰を落とした構えから細かく動き、ローで応戦する。龍聖がボガドの右ストレートを受けて転倒する場面もあったが、前に出る足は止まらなかった。

決着は1R終盤。コーナーに追い込むと、ジャブから右ストレートでアゴを打ち抜き、崩れかけた相手に返しの左フックを打ち込んだ。ボガドは立ち上がれず、1R2分10秒でKO決着となった。

勝った龍聖は初防衛に成功し、100万円のKOボーナスも手にした。大会公式サイトが試合前に掲載していた戦績は26戦24勝(15KO)2敗で、この勝利で27戦25勝となる。

「限界が来てる」と語った左膝、手術も視野に

快勝の後、龍聖が口にしたのは膝の話だった。

試合後の会見で年末のKNOCK OUT出場について問われると、出場の可能性はあるとしたうえで、約2年前から左膝の調子が悪いことを打ち明けた。ずっと抱えながら試合と練習を続けてきたといい、「限界が来てる」と表現している。

今後については、いったん休んでから病院で診てもらい、どうするかを相談したいと話した。もし年末に出場できたとしても、試合までには2カ月ほど間隔が空くとも説明している。

手術の可能性を問われると、できるだけ手術をしない方向の治療を受けながら動いてきたと答えた。ただ、注射などの治療ではもう限界が来ているとも述べ、手術も考えているという。いくつもの病院を受診しながら、方法を探っている段階だ。

本人の説明では、もともと滑膜肥大があり、タナ障害と呼ばれるものらしいという。膝蓋骨のあたりで内出血が起きるなど、いろいろなことが起きているのではないかと話し、バランスが悪くなることもあるという。試合に支障が出るわけではないとしながら、今はトレーニングで走ることもできず、生活にも支障が出ている状態だと語った。団体や陣営からの正式な診断の発表や、次の試合の予定は10月26日時点で出ていない。

内容にも満足はしていなかった。体が予想以上に硬くなったと反省し、下がりながら戦う相手を追い詰める練習をやり直す必要があると語っている。地上波生中継の緊張が影響したことも、少なからずあったと認めた。

16年ぶりの地上波生中継、メインを1Rで締める

大会はテレビ東京系全国6局ネット(テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビ北海道、テレビせとうち、TVQ九州放送)で、10月25日午後4時から5時15分まで生中継された。キックボクシングの全国地上波生中継は16年ぶりだった。解説は武尊と中村拓己が務めた。

GOATは、主催のGOAT実行委員会が新しい団体ではなく「イベント」と位置づける大会だ。各団体やジムと協力して団体の垣根を越えたカードを組み、地上波テレビで放送することを掲げる。第1回は2025年10月30日、第2回は2026年5月28日にいずれも後楽園ホールで開かれ、第3回で初めて生中継が実現した。

関連記事:龍聖、ロドリゴ・ボガドとの初防衛戦へ計量パス GOATはテレ東で25日16時から生中継

放送では、ISKA世界タイトル3試合が第3試合から順に組まれていた。龍聖の試合は最後で、判定までもつれれば放送枠に収まらない恐れもあった。龍聖は前の2試合が長引いた分、全部持っていってやろうという思いで臨んだと明かし、その言葉どおり1Rで試合を終わらせた。

リング上のマイクでは、格闘技にはマイナスのイメージが多いとしたうえで、キックボクシングを野球やサッカーと肩を並べるスポーツにしたいと訴えた。新しいカリスマとしてそれを実現させると宣言し、来年またテレビ東京の舞台に戻ってくると約束している。

9月の会見では「普通に防衛したところで誰も見てくれないし、誰も覚えてくれない」と話し、勝ち方にこだわる姿勢を見せていた。前日の会見でも、回転技はできないとしながら、いつもより前に出て打ち合い、格闘技を知らない人にも伝わる試合をしたいと語っている。

前日の計量では58.95キロでパスしていた。リミットの59.0キロまで50グラムという仕上がりで、会見では「キングとしてふさわしい試合をしたい」と語っていた。

3本のベルトを持つ王者、他の世界戦は日本勢が2本奪取

龍聖は2001年4月11日生まれ、神奈川県相模原市出身。BRAID/TEAM SUERTEに所属する。2019年4月にプロデビューし、2021年10月に初代KNOCK OUT-BLACKフェザー級王者になった。

デビューからの無敗記録は17まで伸びたが、2024年6月に久井大夢に判定で敗れて途切れた。それでも同じ年の12月にISKA K-1ルール世界スーパーフェザー級王座を手にしている。2025年6月の久井との再戦は延長戦の末に判定で落としたものの、そこから白星を重ね、2026年はKNOCK OUT-BLACKとKNOCK OUT-REDのスーパーフェザー級王座も続けて獲得した。ISKAと合わせ、3本のベルトを持つ。2025年10月の第1回GOATにも出場し、ロムイーサン・TIGER REONに判定3-0で勝っている。

同じ大会のISKA世界戦では、日本勢が残る2本のベルトも手にした。第4試合の世界ライトクルーザー級タイトルマッチは、挑戦者の南原健太が王者ヴァンゲリス・ジョルジス(ギリシャ)を3R2分16秒、右フックでKOし、新王者になった。第3試合の世界スーパーライト級王座決定戦は、笠原友希が3Rに左ハイキックでダウンを奪い、ソヘイユ・ドリディ(フランス)に判定3-0で勝っている。

左膝の検査結果次第で、年末の予定も変わる。1Rで世界戦を終えた王者は、まず膝と向き合う時間に入る。

[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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