安保瑠輝也、シュマロフ戦は中止 9回目のハイドレーションも不合格で「もうONEに興味無くなったわ」

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
元K-1王者の安保瑠輝也(30)が10月17日に有明アリーナの「ONE SAMURAI 4」で戦う予定だったボグダン・シュマロフ(ブルガリア)とのライト級キックボクシングは、中止が決まった。前日計量で基準を満たせなかった安保は、時間外の再検査を当日朝の9回目まで重ねたが、尿比重が下がらなかった。試合の不成立を自らXで報告した安保は、続く投稿で「もうONEに興味無くなったわ」とつづっている。
ONEが中止を発表、9回目の検査も届かず
ONE Championshipは10月17日、第7試合に組まれていた安保とシュマロフの一戦を取りやめると発表した。公式リリースは「安保瑠輝也選手は、本試合に向けたハイドレーションテストおよび計量をクリアすることができなかったため、当該試合は中止となりました」と理由を説明している。英語版の公式サイトも日本時間12時40分付で記事を更新し、カードから外したと伝えた。
決め手は当日朝の検査だった。安保は17日、自身のXに「朝から9回目のハイドレーションテスト」と題した動画を投稿。体重を戻せないため前日の夜はバナナだけで過ごし、排尿しやすいようにカリウムを含む水分を大量にとって寝たと明かしたうえで、「朝一番の尿検査も不合格。結果、ONEの規定するハイドレーションテストをクリアできず、今回の試合は不成立になりました」と報告した。
ハイドレーションテストは、尿の濃さ(尿比重)を測って、極端な水抜き減量をしていないかを確かめる検査だ。ONEの公式規定では、尿比重1.025以下を合格とし、合格した選手はその場で計量に進む。
フェイスオフでは闘志、夜になっても数値は下がらず
つまずきは10月16日午前に始まっていた。午前10時から3時間の枠で行われた本計量で、シュマロフは1回で検査と体重の両方をパス。一方の安保は1回目の体重が169.4ポンド(約76.8キロ)とリミットの170ポンドを下回ったものの、尿比重が1.0292で不合格となる。
11時50分ごろの2回目は尿比重が1.0310に上がり、体重も170.2ポンド(約77.2キロ)とリミットを超えた。締め切りの午後1時ごろにもう一度会場へ姿を見せたが、検査を受けられないまま時間切れを迎えている。前回のONE参戦に続き、2試合連続で計量をクリアできなかった。
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それでも安保は、午後5時からの公開計量とフェイスオフに登壇した。割れた腹筋を披露し、シュマロフと向き合うと顔を近づけて言葉を投げ続け、あわや一触即発の場面もあった。試合をあきらめていない姿勢を、ファンの前ではっきり示したのだ。
ONEの規定では、3時間の枠内で合格できなかった選手も、枠の外で基準を満たす尿を出せば、相手陣営とキャッチウェイト(両者が合意した契約体重)での試合を交渉できる。ただし、交渉の条件は両者の体重が互いの105%以内に収まっていることで、検査を通らなければ話し合いの席にもつけない。安保に残された道は、まず検査を通ることだった。
しかし、数値は夜になっても下がらない。安保は16日夜、8回目の検査の様子を動画でXに投稿し、これも不合格に終わった。「計量ミスはプロ失格とか前提でハイドレーションいらんやろ」と書き、検査を通るまでは体重を3キロしか戻せないため、まともに食事もとれないと訴えた。
「ルールなんで」の一点張りに不満、相手にも呼びかけ
中止が決まると、安保の投稿は運営への不満に傾いた。何を言っても「ルールなんで」の一点張りだと訴え、検査を通るために飲み食いもできず、かえって体調を悪くしていると指摘する。そのうえで「仮にこの状態で試合ができたとしても、選手の健康を守れてないやろ。正直、アホくさすぎる」とつづった。
同じ投稿では、ファンへの謝罪も忘れなかった。「何より、試合を楽しみにチケットを買って、会場まで応援に来てくれる皆さん。本当に申し訳ありません」。
続く投稿で、怒りはONEそのものに向かう。「体調も仕上がりも最高で過去一の強さ見せれるのに尿が濃いから試合できんって冷静に考えて意味わからんすぎ。もうONEに興味無くなったわ」。
だが、その約5分後には再び試合を求めた。「てかシュマロフ異議申し立てて試合受けてや。それかグレゴリアンも中止になったから再戦でもいいからやらせてほしい」と書き込み、ONEのチャトリ・シットヨートンCEOにも「そういう柔軟性持とうよチャトリさん」と呼びかけている。
大会は予定どおり進行、グレゴリアンは戦わずに決勝へ
安保が名前を挙げたマラット・グレゴリアンも、この日はリングで戦っていない。フェザー級キックボクシングトーナメント準決勝の相手ルオ・チャオが155ポンドのリミットを守れず、キャッチウェイトでの交渉もまとまらなかったためだ。ルオはトーナメントから脱落し、グレゴリアンの決勝進出が決まっていた。安保が望んだ再戦も、実現しなかった。
大会そのものは予定どおり進んだ。メインイベントではONEバンタム級キックボクシング世界王者ジョナサン・ハガティーが、秋元皓貴を3回42秒TKOで退けて3度目の防衛に成功。吉成名高はアトム級ムエタイの王座戦で、前日計量に失敗したリファディン・マスドールを2回58秒、左ハイキックによるTKOで下している。勝敗にかかわらず王座は吉成が持ち続ける条件付きの一戦だった。
トーナメントのもう一つの準決勝では、野杁正明がモハメド・シアサラニに2-1の判定で勝ち、決勝でグレゴリアンと戦う。安保と同じライト級のキックボクシングでは、シンサムット・クリンミーが松倉信太郎を2回1分17秒、右ハイキックでKOした。
2戦連続の計量失敗、次の一戦は白紙
安保は2025年11月の「ONE 173」でONEデビューし、グレゴリアンと戦った。このときも計量とハイドレーションテストを時間内にクリアできず、155.4ポンド契約に変えて試合は成立したが、3回判定で敗れている。今回は減量の負担を軽くしようと、1階級上のライト級で再起を期していた。
大会前には体調面の不安も重なった。10月13日の大会前会見を、安保は軽度の体調不良で大事を取って欠席している。
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安保は今大会を、キックボクシングで戦う残り2試合のうちの1つと位置づけていた。その1試合が、リングに上がる前に消えた。「もうONEに興味無くなったわ」という投稿が、残る契約にどう響くのかはまだ分からない。安保の次戦や契約の扱いについて、ONEは10月17日夜の時点で発表していない。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]














































































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