川村友斗、日本シリーズ初打席で決勝本塁打 初打席弾は史上17人目、元“育成三銃士”の経歴

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ソフトバンクの川村友斗外野手(27)が10月25日、横浜スタジアムで行われた日本シリーズ第2戦のDeNA戦で、3-3の延長10回に決勝ソロを放った。8回に代走で途中出場し、回ってきたシリーズ初打席での一発だった。日本シリーズの初打席本塁打は史上17人目で、ソフトバンクの選手では初めて。チームは4-3で勝ち、敵地で2連勝とした。
延長10回1死、2球目のチェンジアップをバックスクリーンへ
試合は終盤に大きく揺れた。ソフトバンクは3回に正木智也の左越えソロで先制し、4回には庄子雄大の右中間適時二塁打で2点目を加えた。先発のリバン・モイネロは7回を無失点に抑えたが、8回に2番手の松本裕樹が筒香嘉智に左越え3ランを浴び、2-3と逆転される。
9回1死、代打の山川穂高が左越えの同点ソロを放ち、試合は前夜に続いて延長へもつれ込んだ。
川村が出番を得たのは8回表だった。先頭の栗原陵矢が四球で出塁し、柳田悠岐が左前打で続いた場面で、柳田の代走として一塁へ向かう。その後は右翼の守備に就き、迎えたのが延長10回表の打席だった。
マウンドにはDeNAの7番手、伊勢大夢がいた。1死走者なし、1ストライクからの2球目。高めのチェンジアップを捉えた打球は、中堅のバックスクリーンへ飛び込んだ。NPB公式の試合経過には「センターソロホームラン(打点1)」と記録されている。
その裏は杉山一樹が2死から安打を許しながらも代打の宮﨑敏郎を右飛に打ち取り、ソフトバンクが逃げ切った。勝ち投手は9回を無失点でしのいだダーウィンゾン・ヘルナンデス、敗戦投手は伊勢。シリーズの対戦成績はソフトバンクの2勝0敗となった。
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狙っていた球とは違った。「日本シリーズでは初めての打席だったので、とにかく真っすぐを打とう」と考えて打席に入り、変化球に「体が勝手に反応した」と明かしている。試合後は「全然、打てると思っていなかったので打ててうれしかったです」と話し、自らの一打に驚いた様子だった。
第1戦は代走で生還、2024年のシリーズでも打席はなかった
「初打席」には少し説明が要る。川村は10月24日の第1戦にも出場していたからだ。
第1戦は7回に庄子の二ゴロの間に1点を先制したが、8回に牧秀悟のソロで追いつかれ、延長に入った。11回表、先頭の柳田が右翼線二塁打を放つと、川村が代走で送られる。1死一、二塁から庄子が左翼越えの適時二塁打を放ち、二塁走者の川村が勝ち越しのホームを踏んだ。ソフトバンクはこの回2点を挙げ、3-1で先勝している。NPB公式の打撃成績でも、第1戦の川村は「走右」として打数0、得点1と記録されている。
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日本シリーズの舞台自体も初めてではない。2024年のDeNAとの日本シリーズでも2試合に出場し、1得点を記録したが、打席は1度も回ってこなかった。2025年のシリーズには出場していない。つまり10月25日の延長10回が、公式記録の上で川村にとって日本シリーズ初めての打席となる。2試合連続の代走起用から、ようやく巡ってきたバットでの出番だった。
史上17人目、初打席弾が決勝点になったのは2人目
日本シリーズの初打席本塁打は、2022年第2戦の内山壮真(ヤクルト)以来で史上17人目。ソフトバンクの選手では初めてとなる。
記録はほかにもある。初打席の本塁打がそのまま勝利を決める一打になったのは、1990年第1戦のオレステス・デストラーデ(西武)に次いで2人目だ。
川村はレギュラーシーズンで本塁打がなかった。今季は103試合に出場したものの、打席は45にとどまり、打率は.095。シーズン0本塁打の選手が日本シリーズで本塁打を放つのは、2017年第6戦の白崎浩之(DeNA)以来、史上17人目にあたる。プロ通算でも194打席で本塁打は2024年9月の楽天戦で放った2ランの1本だけで、2年ぶりの一発がシリーズの決勝点になった。
小久保裕紀監督も「我々ベンチもまさかと思いましたね」と驚きを隠さなかった。
“育成三銃士”と呼ばれた3人、支配下までの道のり
川村は1999年8月13日生まれ、北海道出身。右投げ左打ちの外野手で、身長は182cm。北海高等学校では2年夏の甲子園で準優勝を経験し、仙台大学を経て2021年の育成選手ドラフト2位でソフトバンクに入団した。
入団3年目の2024年春、名前が広く知られるようになる。宮崎キャンプから1軍に帯同し、オープン戦でも結果を出したのが、川村と緒方理貢、仲田慶介の育成選手3人だった。3人は“育成三銃士”と呼ばれ、2024年3月19日にそろって支配下選手登録された。背番号は川村が61、緒方が57、仲田が69。この年に1軍監督へ就いた小久保監督のもとで、川村は開幕を1軍で迎えている。
支配下1年目の2024年は88試合に出場し、打率.268、1本塁打、14打点を記録した。シーズン序盤には一時打率4割を超え、外野のレギュラー争いに加わった。ところが2025年は15試合の出場にとどまる。
巻き返しを期した2026年は、代走と守備固めを中心に103試合へ出場した。5月に右足首を痛めながらも1軍でプレーを続けたが、打撃面で耐えきれない状態となり、9月28日に登録を抹消される。クライマックスシリーズ前に1軍へ戻り、日本シリーズのメンバーに名を連ねた。
同期の正木と山本恵大、早出練習の先にあった一打
支えになったのは同期の存在だった。2022年に入団した正木と山本恵大は、川村と同じ1999年生まれ。正木は今季1番打者に定着し、自己最多の28本塁打を放って主力に成長した。
「2人がスタメンで出て、僕が途中から(出場する)っていうのは悔しさもあった」と川村は語る。シーズン100試合出場を目標に掲げ、毎日の早出特打を欠かさなかった。第2戦では正木もシリーズ初本塁打で先制点を挙げており、山川の同点弾とあわせた3本のアーチのうち2本を同期の正木と川村が放った。
「毎日練習して、最後にこうやって報われたのかな。1年間やってきてよかったなと思います」。試合後、川村は穏やかな表情で1年を振り返った。小久保監督は2軍監督時代から川村を見てきた指揮官で、「あんな笑顔、5年付き合って初めて見ました」と喜んだ。
2年連続の日本一まで、ソフトバンクはあと2勝。第3戦は10月27日、舞台をみずほPayPayドーム福岡へ移して18時に始まる。限られた出番で役割をこなしてきた背番号61が、本拠地のファンの前でどんな姿を見せるか。
[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]









































































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