吉成名高、左ハイで2回TKO勝ち 43連勝で2度目の防衛、ムエタイ世界王者の戦績

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時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
ONEアトム級ムエタイ世界王者の吉成名高(25)=エイワスポーツジム=が10月17日、東京・有明アリーナの「ONE SAMURAI 4」で挑戦者リファディン・マスドール(23)=マレーシア=に2回58秒TKO勝ちし、2度目の防衛に成功した。相手のバックハンドブローに左ハイキックを合わせた一撃で、連勝は43に伸びた。自身初のパフォーマンスボーナスも手にした。
2回58秒、回転技の終わりに左ハイ
試合は大会のセミファイナルにあたるコメインイベントで、5回戦のムエタイルールで行われた。結果は次のとおり。
| 勝者 | 敗者 | 決着 | ラウンド・時間 |
|---|---|---|---|
| 吉成名高(日本、王者) | リファディン・マスドール(マレーシア、挑戦者) | TKO(左ハイキック) | 2回58秒 |
挑戦者のマスドールは「マジックボーイ」の異名を持つマレーシアの23歳で、タイの名門ソー・ソンマイジムなどで腕を磨いてきた。ONE公式によると5連勝の勢いを持ってこの一戦に臨み、KO勝利でONE本戦との契約を勝ち取った経歴を持つ。数カ月前から王者への挑戦を口にし続け、試合前には強気のKO宣言もしていた。
1回、サウスポーの吉成は相手の右ミドルをつかんで倒し、左のローやミドルで削りにかかった。マスドールも右ハイキックから回転してのバックハンドブローといった大技を繰り出し、試合開始直後から強気に攻めた。流れが動いたのは1回の終盤。マスドールのパンチの打ち終わりに吉成がカウンターのパンチを合わせ、最初のダウンを奪った。
だが、挑戦者も引かない。強打で前に出るマスドールの攻撃を受け、吉成は鼻から出血し、顔を赤く染めながら戦う時間が続いた。2回には組み合いから投げられる場面もあった。
決着は突然だった。2回、蹴り足をつかまれたマスドールが体を回してバックハンドブローを放つと、吉成はそれをかわし、回転の終わりに合わせて左ハイキックを顔面へ打ち込んだ。マスドールは大の字に倒れ、何とか立ち上がったものの足元が定まらず、レフェリーが試合を止めた。
ONEの公式記録はTKO、2回58秒。ONEは吉成に10万ドルのパフォーマンスボーナスを贈り、国内では1500万円と報じられた。SNSでは「意味わからん」「初めて見た」といった投稿が相次ぎ、カウンターのハイキックに驚く格闘技ファンが目立った。
計量失敗で「勝てば防衛、負けても王座は動かない」一戦に
試合は通常の世界戦とは異なる条件で組まれた。10月16日の前日計量で吉成はアトム級の上限52.2キロ以内でパスした一方、マスドールはハイドレーションテスト(尿比重検査)を規定時間内にクリアできず、計量失格となった。
時間外でテストを通過した後に交渉が行われ、118.6ポンド(約53.8キロ)のキャッチウエート契約で実施が決まる。吉成が勝てば防衛戦として扱われ、敗れても王座は移動しないルールとなった。マスドールには勝っても王座を獲得する資格がない、変則のタイトルマッチだった。
吉成は計量後のフェイスオフで、対等な条件での世界戦を楽しみにしていたファンに触れ、それがかなわず残念だと心境を明かしていた。吉成の陣営からは試合を受けるべきではないとの声もSNSで上がり、開催そのものが危ぶまれる中で迎えたリングだった。
43連勝の中身 2019年7月から負けなし
43連勝は、ムエタイとキックボクシングを合わせた吉成の連勝記録だ。ONE公式によると、2019年7月を最後に負けておらず、プロ戦績は72勝6敗となった。
ONEでの歩みは次のとおり。2025年3月にONEデビューし、同年11月の「ONE 173」でヌンスリン・チョー・ケットウィナー(タイ)に判定3-0で勝って、新設されたアトム級ムエタイ世界王座の初代王者に就いた。2026年4月29日の「ONE SAMURAI 1」ではソンチャイノーイ・ゲッソンリット(タイ)に判定3-0で勝ち、初防衛。この時点で41連勝だった。
9月12日の「ONE SAMURAI 3」(横浜BUNTAI)では初めてキックボクシングルールに挑み、ハー・リン・オム(ミャンマー)に判定3-0で勝って42連勝とした。ただ、倒しきれなかった内容に本人は悔しさをにじませ、チャトリ・シットヨートンCEOも用意していたボーナスを見送っていた。
ONEでは7戦全勝。判定勝ちが3試合続いた後の、4試合ぶりのTKO勝利になった。
ラジャダムナン3階級制覇、ルンピニー王座も
ONE公式プロフィールによると、吉成は14歳でタイのルンピニースタジアムでプロデビューした。ラジャダムナンスタジアムの世界王座を3階級で手にし、ルンピニースタジアムの世界王座、WMCとWBCムエタイの世界王座も持つ。ONEは吉成を、ラジャダムナンの王座を3本獲得した唯一のタイ人以外の選手と紹介している。ムエタイの本場タイの二大殿堂で頂点に立った日本人王者が、ONEのベルトを守り続ける。
「ノーボーナス名高」を返上、試合後に語ったこと
試合直後、吉成はまず挑戦者に目を向けた。敵地の日本で調整が難しかったはずだと相手を気遣い、「リスペクトを持って戦えた」と話し、観客にマスドールへの拍手を求めた。
試合後の会見では、ゴング直後にマスドールが見せた回転技が頭に残り、その動きにハイキックを合わせられたと説明し、狙っていた技で倒せたことを「本当にうれしかったです」と喜んだ。一方で、4月の初防衛戦に続いて鼻血を出したことには、まだ直すところがあると反省も口にしている。
ボーナスの話題では表情が緩んだ。所属するエイワスポーツジムの仲間が次々とボーナスを手にする中、自分だけ「ノーボーナス名高」と呼ばれていたと明かし、会見場を笑わせた。ムエタイの面白さをONEの大舞台を通じて広めたいとも語り、もっと練習して王者であり続けたいと誓った。
ONE SAMURAI 4のほかの結果と配信
同じ大会のメインイベントでは、バンタム級キックボクシング世界王者ジョナサン・ハガティー(英国)が秋元皓貴を3回TKOで下し、3度目の防衛を果たした。フェザー級キックボクシングトーナメント準決勝では、野杁正明がモハメド・シアサラニ(イラン)に判定2-1で勝ち、決勝でマラット・グレゴリアンと対戦する。
関連記事:野杁正明、決勝進出も怪我を公表「12月は無理」 グレゴリアン戦の行方
ONE SAMURAIシリーズはU-NEXTが日本国内で独占ライブ配信している。ONE SAMURAI 4は10月18日時点で見放題の対象となっており、吉成の試合を含む大会の模様を12月5日まで見逃し配信で視聴できる。
\ ONE SAMURAI 4はU-NEXTで見逃し配信中 /
43連勝の先に何があるのか。挑戦者が体重を作れずに迎えた一戦でも、吉成は5回戦の残り時間を大きく残してリングを降りた。次の防衛戦の相手と時期は、10月18日時点で発表されていない。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]











































































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