『我々は宇宙人』門脇康平監督(30)、シッチェス映画祭で最優秀長編アニメ賞 同賞の日本人監督として史上最年少

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門脇康平監督(30)の長編アニメーション映画『我々は宇宙人』が、スペインで開かれた第59回シッチェス・カタロニア国際映画祭のアニメーション部門「Anima’t」で最優秀長編アニメーション映画賞に選ばれた。映画祭は10月17日(現地時間)に受賞結果を発表。日本作品の受賞は2020年の『ぼくらの7日間戦争』以来6年ぶりで、製作のNOTHING NEWによると、門脇監督は同賞を受けた日本人監督として史上最年少となった。
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Anima’t部門の長編賞、日本作品は6年ぶり
シッチェス・カタロニア国際映画祭は、スペイン・カタルーニャ州の海辺の町シッチェスで1968年に始まったファンタスティック映画祭だ。ホラー、SF、ファンタジーといったジャンル映画を専門に扱い、59回目の2026年は10月8日から18日までの日程で開かれている。
映画祭の公式サイトは10月17日午前11時36分(現地時間、日本時間では同日午後6時36分)に全部門の受賞結果を掲載した。アニメーション部門「Anima’t」の最優秀長編アニメーション映画賞は『我々は宇宙人』。審査員は『ゴッホ~最期の手紙~』の監督として知られるヒュー・ウェルチマン、チェロ・ロウレイロ、メアリー・ヤンコの3人が務めた。同じ部門の最優秀短編アニメーション映画賞は、ジョアシャン・エリセ監督の『The Flesh Dress』に贈られている。
映画祭全体の最高賞にあたる公式コンペティション部門の最優秀作品賞は、マリオン・ル・コロレール監督の『Sanguine』だった。
製作と配給を手がける株式会社NOTHING NEWは、日本時間の10月17日午後7時すぎに受賞を発表した。2020年に村野佑太監督の『ぼくらの7日間戦争』が受賞して以来の日本作品の受賞となり、門脇監督については「先日30歳を迎えた」としたうえで、同賞を受賞した日本人監督として史上最年少だと伝えている。門脇監督は1996年生まれだ。
細田守、新海誠らが受けてきた賞
Anima’t部門の長編賞は、日本のアニメーション映画と縁が深い。映画祭公式サイトの歴代受賞一覧をたどると、2000年代から日本の監督の名前が何度も並ぶ。
| 年 | 受賞作 | 監督 |
|---|---|---|
| 2004年 | スチームボーイ | 大友克洋 |
| 2006年 | 時をかける少女 | 細田守 |
| 2009年 | サマーウォーズ | 細田守 |
| 2012年 | おおかみこどもの雨と雪 | 細田守 |
| 2015年 | 百日紅~Miss HOKUSAI~ | 原恵一 |
| 2016年 | 君の名は。 | 新海誠 |
| 2018年 | 未来のミライ | 細田守 |
| 2019年 | きみと、波にのれたら | 湯浅政明 |
| 2020年 | ぼくらの7日間戦争 | 村野佑太 |
| 2026年 | 我々は宇宙人 | 門脇康平 |
賞の名称は年によって変わり、2004年から2011年までは「ガーティ賞」、2019年と2020年は若い世代の審査員による「Carnet Jove賞」の長編アニメーション賞として贈られた。細田監督は4度受賞している。2021年以降は海外作品の受賞が5年続き、日本作品はしばらく遠ざかっていた。
門脇監督は、長編デビュー作でこの列に加わった。
門脇監督「まさか、賞をいただけると思っていなかった」
受賞を受けて、門脇監督はNOTHING NEWを通じてコメントを出した。
「まさか、賞をいただけると思っていなかったので、驚きました。本当に嬉しいです。ありがとうございます。これをきっかけにより多くの日本の皆さん、そして世界の皆さんにこの作品が届くことを願っています」
予想していなかった受賞への驚きと、国内外の観客へ作品が広がることへの期待を、短い言葉で語った。NOTHING NEWは、現地での公式上映や授賞式の様子、門脇監督のコメントを収めた写真と映像を後日あらためて公開するとしている。
門脇監督は東京藝術大学の出身で、アニメーション制作会社での勤務を経て独立した。舞台映像やCMの演出を手がけ、YOASOBIの「優しい彗星」のミュージックビデオなどで知られる映像作家だ。『我々は宇宙人』では企画、脚本、監督の3役を担い、本作が初めての長編作品になる。
約30年にわたる2人の少年の友情、坂東龍汰と岡山天音がW主演
『我々は宇宙人』は、2022年に「才能が潰されない世の中」を目指して立ち上がった映画レーベル、NOTHING NEWの初の長編アニメーション映画だ。フランスのMIYU PRODUCTIONSが協力し、配給はTOHO NEXTとNOTHING NEWが共同で担う。
物語の舞台は平成の田舎町。”普通”であることに悩む内気な少年・翼が、小学3年生の春にクラスの人気者で”特別”な存在の暁太郎と出会い、親友になる。ところが、ある日を境に暁太郎はクラスで浮いた存在になり、やがて取り返しのつかない出来事が起きる。約30年にわたる2人の友情を、大人になった2人の姿を交えて描く。
声の出演は、翼役の坂東龍汰と暁太郎役の岡山天音のダブル主演だ。翼と一番家が近いクラスメイトの小夏を櫻坂46の山﨑天、翼の友人で暁太郎のひそかなファンでもあるバタ原を令和ロマンの松井ケムリが演じる。子ども時代は、翼を槙木悠人、暁太郎を中込佑玖、小夏を鈴木咲、バタ原を末永陽が担当した。音楽はYaffle。主題歌「ささくれ」もYaffleが作詞・作曲を手がけ、adieuが歌う。
国内は公開15日間で興収2億円、16日から93館に
日本では9月25日に全国72館で公開された。公開8日目の10月2日に興行収入1億円を超え、10月10日に東京・TOHOシネマズ日比谷で開かれた舞台あいさつでは、公開15日間で興収2億円、観客動員12万人を突破したと発表された。
上映館が限られたなかでの数字だった。公開2週目の週末動員は初週の112%と、2週目に客足を伸ばしている。映画レビューサービスのFilmarksでは「初日満足度ランキング」で1位に入り、口コミが広がるなかで、10月16日からは21館を加えた93館での上映が始まった。
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受賞の知らせは、拡大上映が始まった翌日に届いた。
カンヌ、アヌシー、オタワに続く海外での評価
本作は、海外の映画祭で上映と受賞を重ねてきた。5月の第79回カンヌ国際映画祭では「監督週間」でワールドプレミア上映され、6月のアヌシー国際アニメーション映画祭2026では長編コンペティション部門に選ばれた。9月には第50回オタワ国際アニメーション映画祭で長編コンペティション部門のグランプリを受けた。
オタワでのグランプリは、門脇監督にとって初めての受賞だった。当時29歳だった門脇監督は「自分はこれまで一度も映画賞をもらったことがありませんでした」と明かし、「人生で初めて頂いた賞が、まさか世界3大アニメーション映画祭のコンペ部門グランプリとなるとは夢にも思いませんでした」とコメントしている。国内公開が始まった直後の受賞で、「贈り物のような朗報でした」とも語った。それから約3週間で、ジャンル映画の老舗映画祭でも長編賞が続く。アニメーション専門の映画祭で評価を集めてきた作品が、ホラーやSFを中心とするファンタスティック映画の祭典でも認められた。
国内では93館に広がった上映が続く。初長編で海外の賞を重ねる30歳の監督の作品が、国内の興行でどこまで伸びるのか。拡大上映後の数字が次の注目点になる。
[文/構成 by エンタメライター 和泉ユウスケ]












































































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