千賀滉大、古巣ソフトバンクのCSファイナル第3戦を観戦 背番号41を継いだ前田悠伍が先発

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
メッツの千賀滉大(33)が10月16日、みずほPayPayドームで行われたパ・リーグCSファイナルステージ第3戦、ソフトバンク-日本ハムを観戦した。マウンドに立ったのは、千賀が2022年まで背負った背番号41を受け継いだ前田悠伍(21)。5回2失点(自責1)で勝ち投手となり、ソフトバンクは6-2で勝って3年連続の日本シリーズ進出を決めた。
サングラス姿でスタンドに、マウンドには背番号41
千賀の姿が映ったのは、試合を中継するテレビの画面だった。サングラスをかけてスタンドから試合を見つめる様子が流れ、一般のファンと同じ観客席で観戦していたと報じられている。元エースの思わぬ登場に、SNSでも反応が広がった。
この日の先発は前田だった。左腕にとってはこれがCS初登板となる。
立ち上がりは苦しんだ。1回、先頭の郡司裕也に左越えの二塁打を浴び、四球も絡んで2死一、二塁とされると、清宮幸太郎にフルカウントから右前へ運ばれて先制を許す。3回に庄子雄大の左前適時打で追いついたが、5回には一塁手・正木智也の失策も絡んで2死二、三塁となり、水野達稀の二塁への内野安打で勝ち越された。
流れを戻したのは、失策をした正木本人のバットだった。5回裏、庄子の左中間二塁打で1死二塁とすると、左中間へ逆転の2ランを放ち、3-2とひっくり返す。日本ハム先発の加藤貴之はこの一発で降板した。4回1/3で6安打3失点、球数は67球だった。前田は6回から鈴木豪太にマウンドを譲り、勝ち投手の権利を持ったまま降板した。
結果は5回を投げて93球、5安打1四球3奪三振の2失点。自責点は1にとどまった。ソフトバンクは6回に山本祐大の右越え適時三塁打と柳町達の右前適時打で2点、7回にも牧原大成の犠飛で1点を加えて突き放す。鈴木、ヘルナンデス、松本裕樹、杉山一樹とつないだ救援陣は4回を無失点で締めた。日本ハム打線は8安打を放ちながら、本塁を踏んだのは2度だけだった。試合は午後6時に始まり、3時間2分で終わっている。入場者数は3万9894人だった。
21歳2カ月でのCS勝利は、球団のCS史上最年少記録となった。
2勝のアドバンテージを含め5勝0敗で突破
2026年のパ・リーグのCSファイナルステージは最大7試合で、先に5勝した球団が日本シリーズへ進む。今季から、ファーストステージ勝者がリーグ優勝チームから10ゲーム以上離されていた場合などはアドバンテージが2勝になるルールが入り、日本ハムに13ゲーム差をつけて優勝したソフトバンクが制度導入後初めての適用を受けた。セ・リーグは今季、従来どおりの1勝で、6試合制だった。
ソフトバンクと日本ハムがCSファイナルステージで顔を合わせるのは3年連続。日本ハムはレギュラーシーズン3位から、ファーストステージで2位・西武に1敗から2連勝して勝ち上がった。それでも、ソフトバンクとはレギュラーシーズンの対戦成績で5勝18敗2分と大きく負け越しており、短期決戦でも差は埋まらなかった。
ソフトバンクは14日の第1戦を6-4の逆転勝ちで取り、15日の第2戦は2-2の9回に栗原陵矢が満塁本塁打を放って6-2でサヨナラ勝ち。第3戦も制し、アドバンテージを含む5勝0敗、無敗のまま3年連続の日本シリーズ進出を決めた。
関連記事:ソフトバンク、CSファイナル第1戦で日本ハムに逆転勝ちし3勝0敗 首痛から一転登録の柳田悠岐は出場なし、小久保監督「注射が劇的に効いた」
千賀が残した41、前田が受け継ぐまで
背番号41は、千賀がソフトバンクで2013年から2022年まで着けた番号だ。育成選手としてプロ入りした千賀は、「お化けフォーク」と呼ばれた落差の大きいフォークボールを武器に、2016年から7年連続で2桁勝利を挙げてエースに成長した。2022年オフにメッツへ移籍すると、空き番号になった41は2023年ドラフト1位で大阪桐蔭高から入団した前田に渡る。2023年12月、球団は新人選手の背番号を発表し、前田が41を継承することが決まった。2024年から前田がこの番号を背負っている。
番号だけのつながりではない。前田は2024年12月、千賀に誘われて東京で3日間のトレーニングをともにした。2025年のオフは12月から約2カ月、千賀の自主トレに同行し、福岡のタマスタ筑後や沖縄・宮古島、年末年始は米ノースカロライナ州のトレーニング施設で練習を重ねている。
前田はプロ1年目の2024年は一軍で1試合、2年目の2025年は3試合で1勝1敗。2025年9月末には左肘のクリーニング手術を受け、2026年は開幕ローテーション入りを逃している。
それでも、一軍に上がってからの成績は目を見張るものだった。高卒3年目の2026年は開幕から12連勝を記録し、レギュラーシーズンは19試合で12勝1敗、防御率2.10。9月19日の楽天戦で連勝が止まって今季初黒星を喫したが、負けはこの1つだけだった。
関連記事:前田悠伍、開幕からの連勝12でストップ 楽天戦で5失点、今季初黒星で13勝目ならず
千賀がねぎらい、前田は追い越す目標と語る
試合後、前田は千賀から93球の投球をねぎらわれたという。7年連続2桁勝利を挙げた先輩について、前田は少しでも早く追いつき、最終的には追い越したい存在だと語り、恩返しを誓った。
一方の千賀は、メジャー4年目の2026年に苦しい1年を過ごした。移籍1年目の2023年は先発で29試合に投げて12勝7敗、防御率2.98、202奪三振を記録し、2025年も22試合の先発で7勝6敗、防御率3.02と結果を残していた。2026年はシーズン途中から救援に回り、抑えも任される。31試合(先発8)で0勝9敗8セーブ、防御率7.34。防御率はメジャー移籍後で最も悪い数字に終わった。
そのシーズンを終えて帰国した千賀が見届けたのは、自分の番号を背負った後輩が日本シリーズ進出を決める試合での白星だった。
前田は翌17日、休日のみずほPayPayドームでキャッチボールを行い、日本シリーズに向けて動き出した。相手は、10月17日にセ・リーグのCSファイナルステージで阪神に4連勝したDeNAに決まった。2024年と同じ顔合わせだ。
ソフトバンクにとっては因縁の相手になる。2024年の日本シリーズは横浜スタジアムで2連勝しながら、そこから4連敗して2勝4敗で日本一を逃した。翌2025年は阪神を4勝1敗で下し、5年ぶりの日本一に輝いている。2026年は2年連続の日本一を懸け、2年前に敗れた相手と再び戦う。
日本シリーズは10月24日、横浜スタジアムで開幕する。第3戦から第5戦の舞台は、パ・リーグ本拠地のみずほPayPayドームに移る。
[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]














































































コメントはこちら