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井上尚弥vsバム、大橋秀行会長「一歩ずつ進んでいます」 来年3月の東京開催へ交渉は順調

井上尚弥vsバム、大橋秀行会長「一歩ずつ進んでいます」 来年3月の東京開催へ交渉は順調

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大橋ジムの大橋秀行会長(61)が10月28日、井上尚弥(33)=大橋=とジェシー・”バム”・ロドリゲス(26)=米国=の対戦交渉について「一歩ずつ進んでいます」と明かした。来年3月の開催に向け、交渉はプロモーター同士で進んでいるという。ただし10月29日時点で、契約の締結や試合日、会場の発表はない。

大橋会長が語った交渉の現状

発言が出たのは、東京都内で開かれた12月3日の興行「フェニックスバトル」の発表会見の後だった。会見を終えた大橋会長が報道陣の取材に応じ、井上とバムの交渉の進み具合を問われて「一歩ずつ進んでいます」と答えた。

12月3日の興行は東京・後楽園ホールで開く「Lemino BOXING フェニックスバトル164」で、賞金1000万円をかけたスーパーフェザー級トーナメントの決勝などが組まれている。

来年3月の開催かと問われると、大橋会長はそれを認めた。交渉は着実に進んでいるとも話し、ファンに楽しみにしてほしいと呼びかけている。

いま話し合いを担うのは、井上側とバム側のプロモーター同士だ。井上側と、バムを共同でプロモートする英興行大手マッチルームの間で条件を詰める段階にある。

開催地については、米専門誌が10月24日(日本時間25日)、東京での開催に向けて両陣営が契約締結へ動いていると伝えた。国内の報道では、会場は東京ドームが有力とされる。どちらも公式に発表されたものではない。

取材で大橋会長が口にしたのは、交渉が前に進んでいるという手応えまでだった。

2週間で何度も揺れた両陣営の言葉

ここまでの道のりは平らではなかった。

さかのぼると、井上は7月下旬の取材で、年内は試合をせず、次戦は来年2月ごろになると明言していた。相手はバム戦が第一候補で、実現しなければフェザー級に上げて初戦を迎えるという二択だった。バム戦の時期は、その後2月から3月へとずれていく。

焦点はずっと、バムが井上戦の前にもう1試合を挟むかどうかにある。バムは2026年6月にバンタム級(上限118ポンド=約53.5キロ)の王座を手にしたばかりで、井上が王座を持つスーパーバンタム級(上限122ポンド=約55.3キロ)は1つ上の階級になる。陣営は井上戦への準備として、12月にWBO世界バンタム級王者クリスチャン・メディナ=メキシコ=との統一戦を挟みたいと考えてきた。

秋に入っても、バム側の次戦は決まらなかった。そんな中、バムのトレーナー、ロバート・ガルシア氏が井上戦を来年4月か5月にしたいと話し、井上陣営は態度を硬くする。井上は10月13日、自身のSNSに「バムをダラダラ待つ気はない」と書き込み、フェザー級へ上げる準備も始めると明かした。

10月16日に米国で公開されたインタビューでは、ガルシア氏が12月にメディナ戦を戦ったうえで3月の井上戦に向かう道筋を描いていた。井上側が受け入れなかったのは、この順番だった。

10月22日には、都内のイベント後の取材で井上自身が条件を示した。バムが12月に試合をしてから3月に自分と戦う流れは現実的ではなく、やるなら間に試合を挟まない直接対決しかない、という考えだ。実現しなければフェザー級に上げ、5階級制覇を目指すとも語った。

これを受け、マッチルームのフランク・スミスCEOは22日(日本時間23日)、米メディアに対し、井上の気持ちは理解できると話した。そのうえで「来週中に決定を下す必要がある」と述べた。22日から見た「来週」は、10月の最終週にあたる。

10月24日には、井上の代理人ジョン・ルイス氏がマッチルームと試合の実現に向けて交渉していると米専門誌に語り、両選手とも対戦を望んでいるとの認識を示した。

関連記事:井上尚弥とバム、来年3月の対戦へ交渉 代理人が明言、中間試合なしが焦点

一方のガルシア氏は同じころ、井上側に契約書を送るよう強い言葉で求め、26日に記事になった米国の動画インタビューでは「井上はミスをする」と挑発もしている。

関連記事:井上尚弥、バム陣営ガルシアが「井上はミスをする」 待つほどバム有利と主張、対戦は未決定

大橋会長の「一歩ずつ」は、こうした応酬が続いたあとに出た言葉だった。

無敗の4団体王者と3階級王者

両者の主な記録は次のとおり(10月28日時点)。

項目井上尚弥バム・ロドリゲス
生年月日1993年4月10日2000年1月20日
戦績33戦33勝(27KO)24戦24勝(17KO)
保持王座スーパーバンタム級4団体WBAバンタム級
制覇階級4階級3階級

井上は2026年5月2日、東京ドームで中谷潤人に判定勝ちし、スーパーバンタム級の主要4団体王座を守った。フェザー級に上げれば、5階級制覇に挑む立場だ。

バムは米テキサス州サンアントニオ出身のサウスポー。フライ級、スーパーフライ級で世界王座を手にし、6月にアントニオ・バルガス=米国=を6回KOで破ってWBAバンタム級王座を奪取。3階級制覇を成し遂げた。井上に勝てば4階級制覇となる。

米専門誌「ザ・リング」が選ぶ全階級を通じた最強ランキング(パウンド・フォー・パウンド)では、井上が1位、バムが4位に並ぶ。上位同士が拳を交える一戦になる。

試合が実現すれば、井上が持つWBA・WBC・IBF・WBOの4団体王座をかけた防衛戦になると報じられている。バムにとっては1階級上げての挑戦で、118ポンドから122ポンドへの4ポンド(約1.8キロ)の差を、試合を挟まずに埋められるかも問われる。

正式発表まで残る課題

交渉が前に進んでいるのは確かだ。だが、決まったことはまだない。

10月29日時点で、契約の締結、試合日、会場、配信先はいずれも発表されていない。来年3月の東京開催は、大橋会長と報道が示した目標の段階にとどまる。

残る最大の点は、バム陣営が12月のメディナ戦を正式に見送るかどうかだ。メディナ戦も日程の発表はなく、スミスCEOが決定の時期とした「来週」は、10月29日時点ですでに始まっている。バム側がこのまま井上戦へ直接進むと決めれば、契約や会場の発表へ話は移っていく。

もし合意に届かなければ、井上はフェザー級への転向に向かう。2つの道のどちらに進むのか、答えが出る時期は近づいている。

[文/構成 by MediaDogs編集部]

寄稿者

MediaDogs編集部
メディアドッグス株式会社のMediaDogs編集部チーム。インターネットマーケティングに約10年携わるメンバーで編成し、企画・取材・執筆から公開後の改善まで一貫して担当。「出会いを、設計する。」のもと、人と企業が正しく出会える場をつくるために、一次情報の確認とファクトチェックを徹底。情報をわかりやすく誠実に届け、読者の疑問を解決します。

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