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井岡一翔、約2年5カ月ぶりにラスベガス合宿 大みそか再起戦へ12月20日頃まで

井岡一翔、約2年5カ月ぶりにラスベガス合宿 大みそか再起戦へ12月20日頃まで

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元世界4階級制覇王者の井岡一翔(37)=志成=が、大みそかの再起戦に向けて米ネバダ州ラスベガスで長期合宿に入った。11月1日に日本を出発し、滞在は12月20日頃までの予定。長年指導を受けるイスマエル・サラス・トレーナーのもとでの合宿は、2024年7月の試合前以来、約2年5カ月ぶりとなる。

11月1日に出発、ラスベガスに約7週間

報道によると、合宿の予定は志成ジムの二宮雄介マネジャーが11月2日に明らかにした。井岡は11月1日に日本をたち、12月20日頃まで現地にとどまる。日数にすると50日近い長期滞在で、帰国から大みそかまでは10日ほどしかない。最後の仕上げまで、ほぼ米国で済ませる日程だ。大みそかは前戦の東京ドームから約8カ月。5月の敗戦後に手術と休養をはさんだ井岡にとって、今回の合宿は実戦に向けた本格的な準備の場となる。

拠点はラスベガスにあるサラス・トレーナーのジム。キューバ系米国人の69歳の名トレーナーで、井岡とは長く師弟関係が続く。二宮マネジャーは今回の合宿を「原点回帰」と表現し、再起戦にかける井岡の思いを代弁した。

サラス・トレーナーと志成ジムの佐々木修平会長は、ジムの後輩・堤麗斗が10月31日(現地時間)にサウジアラビアのリヤドで戦った試合のセコンドについた。堤はこの試合に勝ってプロ6戦全勝とし、2人はその後、リヤドからラスベガスへ向かった。

大みそかの再起戦は、志成ジムが主催する恒例の大みそか興行で行う。井岡の大みそかのリングは2025年に続いて2年連続だ。会場は東京・大田区総合体育館(EBARA WAVEアリーナおおた)と報じられた。対戦相手は11月3日時点で発表されていない。

「約2年5カ月ぶり」はマルティネス戦前の合宿から

数字の起点は、2024年夏の合宿にある。

井岡は当時WBA世界スーパーフライ級王者で、2024年7月7日に東京・両国国技館でIBF王者のフェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)との2団体王座統一戦を控えていた。その前に約1カ月間ラスベガスで合宿を張り、6月23日に帰国している。帰国時には「サラスさんと1年ぶりに合宿に行けて、スパーリング相手も食事の環境も良く、バッチリ過ごせた」と話し、マルティネス対策もサラス・トレーナーと同じ目線にすり合わせたと手応えを口にしていた。

2024年6月から2026年11月まで、ちょうど2年5カ月。サラス・トレーナーのジムでの合宿は、マルティネス戦の後の3試合をはさみ、4戦ぶりとなる。

この間の道のりは険しかった。マルティネスには判定で敗れて王座を失い、2024年の大みそかに組まれた再戦は相手のインフルエンザ感染で前日に中止。2025年5月の再戦も判定負けだった。そこからバンタム級へ上げ、2025年の大みそかにはWBA世界同級挑戦者決定戦でKO勝ちを収めている。

ラスベガス合宿は、井岡が大一番の前に繰り返してきた準備でもある。2022年の大みそかに東京・大田区総合体育館で行ったWBA・WBOスーパーフライ級王座統一戦の前には、12月19日まで2カ月近く現地で汗を流した。2023年6月のジョシュア・フランコ(米国)との再戦の前にも、約1カ月半の合宿を行った。帰国から試合まで10日から2週間ほどという流れは、2022年、2024年と今回で共通する。

東京ドームでの敗戦、眼窩底骨折の手術

再起の出発点は、5月2日の東京ドームだった。

井岡はWBC世界バンタム級王者の井上拓真(30)=大橋=に挑み、勝てば日本男子初の世界5階級制覇という一戦に臨んだ。だが2回に連打を浴びてダウンすると、3回にも右アッパーで倒される。最終回まで立ち続けたものの差は詰まらず、0-3の12回判定で完敗した。試合後は会見を取りやめて病院へ直行し、検査で右眼窩底骨折と診断された。眼窩底は眼球を下から支える薄い骨で、強い衝撃で折れやすい部分だ。井岡は後日、手術を受けている。

井岡を下した井上拓真は、9月27日に那須川天心との再戦にも判定で勝ち、2度目の防衛を果たしている。

井岡の側は、ハワイなどで長く休養した。現役を続ける意思を固め、8月にジムでの練習を再開。医師の許可を得て、10月20日にはスパーリングにも戻った。

9月2日には、横浜BUNTAIで後輩の吉良大弥がWBA世界ライトフライ級王座決定戦でカルロス・カニサレス(ベネズエラ)に7回TKO勝ちし、王座に就いた試合をリングサイドで見届けた。この日、井岡は初めて現役を続ける気持ちを口にしている。

10月22日の現役続行表明と「ラストチャンス」

正式な表明は10月22日だった。東京・港区のグランドプリンスホテル高輪で開かれた志成ジム創立5周年の記念祝賀会を前に、井岡は報道陣の取材に応じた。

リングを下りた瞬間から引退する気持ちはなかったと明かし、現役を続けられる選択肢があることに感謝しながら、今が「ラストチャンス」だと思うと語った。現役生活は長くないとしながらも、体も気持ちも大丈夫だと説明している。後輩たちには、諦めずに戦い続けた人間が最後に勝つ姿を見せたいとも語った。

再起戦の位置付けについても触れている。すぐに世界戦ができるならやりたいとしつつ、前戦で敗れた立場から、すぐにタイトル戦が決まらなくても仕方がないと受け止めた。井上拓真に負けたまま終わりたくない思いも隠さなかった。

関連記事:井岡一翔、現役続行を正式発表 大みそかに再起戦へ、右目眼窩底骨折の手術を経て

5階級制覇へ、残り2カ月の仕上げ

井岡は1989年、大阪府堺市生まれ。2011年のWBC世界ミニマム級を皮切りに、ライトフライ級、フライ級、スーパーフライ級と4階級で世界王座を手にした。2019年6月にWBO世界スーパーフライ級王座を奪った時点で、日本男子初の世界4階級制覇となっている。

プロ戦績は38戦32勝(17KO)5敗1分け。2017年の大みそかに一度は引退を表明しながら、翌2018年に復帰した過去もあり、再起を重ねてきたキャリアだ。11月2日の報道時点で世界ランキングはIBF7位、WBC8位、WBA11位で、引き続きバンタム級で5階級制覇を目指す。

バンタム級の世界王座は4団体にあり、どの団体でも王座に就けば日本男子で初めての5階級制覇となる。大みそかの再起戦がどのような試合になるかは、11月3日時点で発表されていない。敗戦、手術、休養を経た37歳が選んだのは、王者だった時期に何度も通ったラスベガスのジムだった。12月20日頃の帰国まで約7週間、サラス・トレーナーとの仕上げが続く。

関連記事:「雲の上の存在だった」「挑まずして終わるのは違う」――井上拓真vs井岡一翔、東京ドームで刃を交える日

[文/構成 by スポーツ担当ライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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