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大橋信、200m平泳ぎ2分08秒79で優勝し100mと2冠 四條畷学園高等学校の17歳

大橋信、200m平泳ぎ2分08秒79で優勝し100mと2冠 四條畷学園高等学校の17歳

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

男子200m平泳ぎの世界記録保持者、大橋信(17)=枚方SS/四條畷学園高=が11月2日、東京アクアティクスセンターで行われた第57回東京SC優秀選手招待水泳競技大会の男子200m平泳ぎ決勝を2分8秒79で制した。10月30日の100mに続く優勝で、大会の平泳ぎ2冠。前半100mを1分4秒25に抑え、後半100mは9月のアジア大会決勝より0秒40速い1分4秒54だった。

前半を抑えて後半勝負、2位に3秒07差

大会は10月30日から11月3日までの5日間、東京・江東区の東京アクアティクスセンターで開かれている。招待大会には国内の大学生や高校生に加え、オーストラリアのクイーンズランド州や西オーストラリア州の選手も出場した。

200m平泳ぎは大会4日目の11月2日に予選と決勝があった。大橋は予選を2分12秒47の全体1位で通過し、決勝は4レーンに入った。決勝では予選から3秒68タイムを縮めている。

大会の公式記録に残る途中時間は、50mが30秒25、100mが1分4秒25、150mが1分35秒79。50mごとに区切ると、30秒25、34秒00、31秒54、33秒00となる。100mから150mまでの3つ目の50mで一気に上げ、最後の50mで少しタイムを落とした計算だ。

2位は東洋大学の大岩真海羽(19)で2分11秒86。大橋との差は3秒07あった。3位は慶應義塾大学の齋藤龍と中央大学の川平治樹が2分14秒01で並んでいる。

順位選手(所属)記録
1位大橋信(枚方SS)2分8秒79
2位大岩真海羽(東洋大)2分11秒86
3位齋藤龍(慶應義塾大)2分14秒01
3位川平治樹(中央大)2分14秒01

50m(長さ50メートルのプール)で200mを泳ぐのは、9月のアジア大会以来になる。

「感覚をつかみたかった」後半を試したレース

狙いははっきりしていた。

レース後、大橋は2分4秒83の自己ベストからさらにタイムを縮めるには後半を上げる必要があると話し、「感覚をつかみたかった」と明かしている。前半はあえてゆっくり入り、後半にどれだけ上げられるかを確かめるレースだった。

数字を並べると、その意図が見える。世界記録を出した9月24日のアジア大会決勝は、前半100mが59秒89、後半100mが1分4秒94。11月2日の決勝は前半が1分4秒25で、アジア大会より4秒36遅い。一方で後半は1分4秒54で、アジア大会より0秒40速く泳いでいる。

ただ、すべてが狙いどおりにはいかなかった。100mから150mまではうまくいったものの、最後の50mは疲れが出たと反省も口にしたと報じられている。途中時間でも、3つ目の50mの31秒54に対し、最後の50mは33秒00。終盤の失速が数字に表れた。

世界記録をさらに縮めるため、大橋はこれからも試行錯誤を続ける考えだ。「新しい発見ができれば」と話している。

関連記事:アジア大会閉会式の日本選手団旗手に大橋信、JOCが発表 平泳ぎ2冠で世界記録の17歳

初日の100mは日本記録に0秒23差、50mは2位

大会初日の10月30日には男子100m平泳ぎがあった。大橋は予選を1分1秒34の3位で通過すると、決勝では50mを27秒50のトップで折り返し、58秒77で優勝している。自身が8月のパンパシフィック選手権で出した日本記録58秒54まで、0秒23に迫るタイムだった。決勝で1分を切ったのは大橋だけだ。この種目の日本記録は、3月の日本選手権で大橋が58秒67を出して8年ぶりに塗り替え、8月にさらに0秒13縮めた。

順位選手(所属)記録
1位大橋信(枚方SS)58秒77
2位ギデオン・バーンズ(オーストラリア・クイーンズランド)1分0秒05
3位ジョシュ・アンダーソン(オーストラリア・クイーンズランド)1分0秒68

レース後には「思ったよりもいい泳ぎができた。予想以上のタイム」と語った。10月12日に閉幕した日本選手権(25m)の後は3日間休み、その後は調子が上がらないまま、この日の状態は2割ほどだったという。それでも、来季は57秒台に入れそうだという見通しまで口にしている。

11月1日の50m平泳ぎは、予選2位の27秒33で決勝に進み、27秒12の2位。優勝したオーストラリアのバーンズには0秒18届かなかった。平泳ぎの3種目に出て、100mと200mの2種目で優勝したことになる。

10月には短水路で瀬戸大也の日本記録を更新

この秋、大橋の記録は長水路と短水路の両方で動いた。

9月24日、愛知・名古屋アジア大会の競泳男子200m平泳ぎ決勝。会場は11月2日と同じ東京アクアティクスセンターだった。大橋は2分4秒83で泳ぎ、2023年7月に覃海洋(中国)が出した世界記録を0秒65縮めて金メダルを手にした。100mでも優勝し、アジア大会の平泳ぎ2冠を果たしている。

その18日後の10月12日には、25mプールで争う日本選手権(25m)の最終日に、男子200m平泳ぎを2分0秒12で制した。瀬戸大也が2022年に出した短水路の日本記録を0秒23更新するタイムで、2位は同じ17歳の今泉悠成(ダッシュ新津)だった。同じ大会の100m平泳ぎでは今泉が55秒82で優勝し、大橋は56秒47で3位に終わっている。

関連記事:大橋信、男子200m平泳ぎで2分00秒12の短水路日本新 瀬戸大也の記録を4年ぶりに更新した四條畷学園高校3年の17歳

大橋は2009年生まれ、大阪府枚方市の出身。地元の枚方スイミングスクールに所属し、大阪府の四條畷学園高等学校に通う3年生だ。2026年3月の日本選手権では100mで日本記録を出し、平泳ぎ3冠に輝いた。8月のパンパシフィック選手権で初めてのシニアの主要国際大会に臨み、そこから約1か月半でアジア大会の世界記録にたどり着いた。

次の目標は12月の世界選手権(25m)

ここからは短水路のシーズンに入る。

当面の大きな目標は、12月1日から6日まで中国・北京で開かれる世界選手権(25m)。大会を主催する世界水泳連盟(World Aquatics)の公式サイトにも、この日程と開催地が載っている。残り約1か月で調整を重ねる。25mプールの200m平泳ぎの世界記録は1分59秒52で、10月に出した2分0秒12との差は0秒60。12月の北京は、短水路でも世界記録との距離を測る舞台になる。

2026年の大橋は、3月の日本選手権、8月のパンパシフィック選手権、9月のアジア大会、10月の日本選手権(25m)と大きな大会を続けて泳いできた。日本選手権(25m)から3週間足らずで迎えた11月の招待大会でも、平泳ぎの3種目すべてで決勝に残っている。

その先には2028年のロサンゼルス五輪が控える。後半を上げる泳ぎが形になれば、2分4秒83の世界記録をさらに縮める道が見えてくる。11月2日の1分4秒54は、その途中経過の数字だ。

[文/構成 by スポーツ担当ライター 南條楓]

寄稿者

南條楓
学生時代に陸上の中距離を続けていたこともあり、記録で勝負が決まる競技に惹かれてスポーツを書くWebライターに。執筆歴は8年。陸上や水泳、体操、フィギュアスケートなど、記録と採点が結果を左右する競技を中心に、国際大会の速報から選手の歩みをたどる記事まで担当してきた。タイムや得点の意味、予選から決勝までの流れを、初めて観る人にも伝わる言葉で書くことを大切にしている。

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