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大の里、二所ノ関一門の連合稽古で琴桜と20番14勝6敗 九州場所へ「厳しくやっていく」

大の里、二所ノ関一門の連合稽古で琴桜と20番14勝6敗 九州場所へ「厳しくやっていく」

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二所ノ関一門の連合稽古が11月2日、福岡市東区の佐渡ケ嶽部屋であり、横綱大の里が大関琴桜と20番続けて取って14勝6敗だった。九州場所は11月8日に初日を迎える。師匠は「先場所よりもかなり出来がいい」と評価し、大の里は初日まで「厳しくやっていく」と話した。

琴桜との三番稽古は20番で14勝6敗

連合稽古は、同じ一門の部屋が集まって胸を合わせる場所前の恒例行事だ。会場は琴桜が所属する佐渡ケ嶽部屋の福岡市東区の宿舎。大の里にとっては、福岡入りしてから初めて関取衆と相撲を取る機会になった。

相手は同じ一門の大関琴桜。同じ相手と続けて何番も取る「三番稽古」で、20番を取り切った。結果は大の里の14勝6敗となる。

内容も目を引いた。右を差して前に出る得意の形に加え、もろ差しを狙ったり、左からのおっつけ(相手の差し手を外側から押さえつける技)を使ったりと、攻め手を変えながら攻めた。立ち合いから鋭く前に出る内容で、順調な仕上がりを示した。

大の里は番数を十分にこなせたことに手応えを示した。そのうえで、調子がいいときに限って痛い目を見てきたとして、油断しないと強調し、初日まで1週間弱あることを踏まえて「厳しくやっていく」と話した。

一方の琴桜も、6勝のうちには大の里を一気に寄り切ったり押し出したりした相撲がある。琴桜は数をこなせたことと感覚の良さを口にし、ここから1週間で仕上がりを作っていくと前を向いた。

二所ノ関親方「先場所よりもかなり出来がいい」

稽古を見守った二所ノ関親方は、動画で弟子の動きを確かめたうえで、先場所と比べた仕上がりを高く評価した。「先場所よりもかなり出来がいい」。そう語ったうえで、慢心しないよう求める言葉も続けた。「これでいいやと思わず、このまま伸びてくればいい」。

親方は琴桜についても、先場所より圧力があったと認め、両者にとって良い稽古になったとの見方を示した。ただし大の里については、好調だった昨年の水準にはまだ届いていないとも話しており、復調の途中にあるとの認識だ。

左肩に不安を残してきた横綱は、右差しから一気に攻める鋭い出足と、威力十分の左おっつけを見せた。

九州場所はまだ優勝なし、昨年は千秋楽を休場

大の里が慎重な言葉を重ねるのには理由がある。

九州場所では、まだ一度も賜杯を抱いていない。2025年の九州場所は、14日目を終えて11勝3敗と優勝争いの先頭に並んでいた。ところが13日目の安青錦戦で左肩を痛めており、千秋楽の11月23日に「左肩鎖関節脱臼で1カ月間の安静加療が必要」との診断書を出して休場した。2023年夏場所の初土俵以来、初めての休場だった。賜杯は、千秋楽に琴桜を破り、豊昇龍との優勝決定戦も制した安青錦が手にした。安青錦はこの初優勝で大関昇進を決めている。

大の里は、昨年けがをした場所なので嫌な残像が残っているとして、それを払拭したいと語っている。

左肩の不安は、その後も尾を引いた。2026年は左肩痛で2場所続けて休場し、7月の名古屋場所で土俵に戻っている。名古屋場所前の7月6日にあった二所ノ関一門の連合稽古では、休場明けを控えた大の里が琴桜と11番取って全勝し、復調を印象づけた。

大の里は石川県河北郡津幡町の出身。中学から新潟県糸魚川市へ相撲留学し、新潟県立海洋高等学校を経て日本体育大学に進んだ。2023年夏場所で初土俵を踏み、大関を経て横綱に昇進した。

流れが変わったのは9月の秋場所だった。12日目を終えて1敗で単独先頭に立ち、13日目に2敗目を喫しても先頭を守ったが、14日目に琴桜に突き落とされて3敗となり、安青錦に並ばれる。それでも崩れなかった。大の里は3敗同士で迎えた千秋楽の大関安青錦との相星決戦を突き出しで制し、12勝3敗で6場所ぶり6度目の優勝を果たした。前回の優勝は2025年の秋場所で、ちょうど1年ぶりの賜杯となった。一人横綱での優勝は、2024年名古屋場所の照ノ富士以来だった。

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秋場所の後は、10月25日に山口県宇部市で最終日を迎えた19日間の秋巡業を、途中で離れることなく最後まで務めた。大の里は体調を崩さずに完走できたことを喜び、九州場所では15日間を戦い抜ける体を作ると話している。

10月26日に発表された九州場所の番付で、大の里は東の横綱に座った。西の横綱は豊昇龍で、大関は安青錦、霧島、琴桜の3人が並ぶ。大の里にとっては、2場所連続優勝と九州場所での初優勝が同時にかかる場所となる。

琴桜は秋場所9勝6敗、勝ち越して九州へ

稽古相手の琴桜にとっても、上位との20番は大きな意味を持つ。

琴桜は千葉県出身で、佐渡ケ嶽部屋の師匠、佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)の長男にあたる。祖父は元横綱の初代琴桜。福岡は琴桜にとって縁のある土地で、2024年の九州場所では大関豊昇龍との千秋楽の相星決戦を制し、14勝1敗で初優勝を果たした。「琴桜」の名が賜杯に刻まれたのは、祖父が優勝した1973年名古屋場所以来51年ぶりだった。

九州場所の番付は西大関だ。7月の名古屋場所はかど番で迎え、8勝7敗で勝ち越して大関の地位を守った。9月の秋場所は9勝6敗で終え、千秋楽は霧島との大関対決に敗れた。

場所前の連合稽古で横綱と何番も胸を合わせられる環境は、同じ一門ならではだ。7月の名古屋場所前の連合稽古では、琴桜は大の里に11番続けて敗れていた。9月の秋場所前の連合稽古(9月7日、千葉県松戸市の佐渡ケ嶽部屋)では20番のうち4番を取り、今回は同じ20番で6番を取っている。秋場所の14日目には本場所の土俵で大の里を突き落としで破っており、横綱にとって簡単な相手ではない。二所ノ関親方が琴桜の圧力を認めた評価は、数字の上でも表れている。

初日は11月8日、福岡国際センターで15日間

九州場所は11月8日に初日を迎え、22日の千秋楽まで福岡国際センター(福岡市博多区)で15日間行われる。西の横綱豊昇龍は3場所連続で休場しており、7月下旬に手術を受けた右ひざの回復具合が注目される。秋巡業には10月10日に合流し、中盤以降は申し合いにも加わった。

関連記事:豊昇龍、九州場所へ「出るつもり」 右ひざ手術後の朝稽古で幕下以下と15番13勝2敗

九州場所の初日まで、残りは1週間を切った。秋場所で取り戻した勝つ感覚を、福岡でも続けられるか。大の里は、昨年の九州で残った嫌な記憶を、結果で塗り替えにいく。

[文/構成 by スポーツ担当ライター 疾風(HAYATE)]

寄稿者

疾風(HAYATE)
スポーツニュースサイトでの執筆を経て、ゴルフ、競馬、大相撲、フィギュアスケート、陸上など、競技の枠を越えてスポーツ記事を書いてきたWEBライター。経験は6年。大会結果や記録、番付、レース展開など、数字と公式記録を土台に「何がすごかったのか」を整理する記事を得意としている。ルールや採点方式が分かりにくい競技でも、初めて観る人がその一戦を楽しめるよう、背景や見どころまでかみくだいて伝えることを心がけている。主な執筆分野は、ゴルフ、競馬、大相撲、フィギュアスケート、陸上、バスケットボール。

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