平川亮、F1デビュー戦で初入賞 13位から他車のペナルティで10位に繰り上げ、1ポイント

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
ハースの平川亮(32)が、現地11月1日(日本時間2日)に決勝があったF1第19戦メキシコシティGPで10位に入り、F1デビュー戦で1ポイントを手にした。チェッカーを受けた時点では13位だったが、レース後にピアストリ、コラピント、ガスリーの3人へペナルティが出て、正式結果で10位に繰り上がった。エステバン・オコンの代役として、土曜の朝に決まった急きょの出場だった。日本人ドライバーのデビュー戦入賞は、2021年バーレーンGPの角田裕毅以来となる。
13位でチェッカー、3人のペナルティで10位に
決勝はメキシコシティのエルマノス・ロドリゲス・サーキットで、現地時間11月1日午後2時(日本時間2日午前5時)にスタートした。全71周のレースで、平川は首位のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)から25秒373遅れでゴールしている。
順位が動いたのはレース後だった。マクラーレンのオスカー・ピアストリはアービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)との接触の責任を問われ、10秒加算。アルピーヌの2台は黄旗区間で十分に減速しなかったとして、フランコ・コラピントに10秒加算、ガスリーにはストップ・アンド・ゴー(ピットで停止するペナルティ)が出され、レース後のため30秒加算に換算された。
| ドライバー(チーム) | ゴール時の順位 | ペナルティと理由 | 正式結果 |
|---|---|---|---|
| オスカー・ | 7位 | 10秒加算 | 13位 |
| フランコ・ | 8位 | 10秒加算 | 15位 |
| ピエール・ | 10位 | ストップ・ | 17位 |
3人とも、ゴールでは平川の前にいた。加算後のタイムで並べ直すと3台が平川の後ろに下がり、13位だった平川は10位へ上がる。F1の正式結果では、9位のアイザック・ハジャー(レッドブル)に続く10位、獲得ポイントは1と記されている。
アルピーヌは2台そろって入賞圏でゴールしながら、無得点で終わった。ガスリーは、黄旗での違反は自分のミスで、それが得点を逃す原因になったとしてチームに謝罪している。
レースはフェルスタッペンが優勝し、2位はルイス・ハミルトン(フェラーリ)。3位に入ったキミ・アントネッリ(メルセデス)が、この結果で2026年のドライバーズチャンピオンを決めている。
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18番グリッドから、赤旗とセーフティカーを越えて
予選はQ1で敗退した。終えた直後の順位は19番手だったものの、Q2に進んでいたリアム・ローソン(レーシングブルズ)が技術規則違反で予選失格となり、F1の正式な予選結果では18位に上がっている。決勝もそのまま18番グリッドから出た。一部で「予選19位」と伝えられたのは、失格が反映される前の順位だ。
スタートはミディアムタイヤで、1周目に1つ順位を上げた。36周目にソフトへ交換した後、バルテリ・ボッタス(キャデラック)の高速クラッシュでコース脇のバリアが壊れ、レースは赤旗で中断する。47周目のスタンディングスタートでの再開は17番手からだった。
終盤の59周目、今度はリンドブラッドのクラッシュでセーフティカーが入る。平川はここで使用済みのソフトに履き替え、15番手から最後の追い上げに出た。終盤にウィリアムズのカルロス・サインツ、アレクサンダー・アルボンを続けて抜き、13位でゴールしている。
チームメートのオリバー・ベアマンは、赤旗明けの再スタートでニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)に追突されてリタイアした。ハースで完走したのは平川だけ。チームのポイントは平川の1点だった。
「本当にうれしい」デビュー戦を終えた平川と小松代表
レース後、平川は序盤について「スタートと1周目は簡単ではなかった」と話した。特にターン1への進入では、周りを他車に囲まれた状態でブレーキングポイントを考えなければならなかったという。完走して学ぶことを優先し、余裕を取りすぎたとも認めている。
最初のスティントは苦しかったものの、ほかのドライバーの走りから多くを学び、セーフティカー明けにソフトタイヤを履いてからは自信を持てた、と平川は続ける。最後のセーフティカーの後に2台を抜けたことに満足だとし、この日は夢がかなった日だと明かして「本当にうれしい」と喜んだ。
チーム代表の小松礼雄は、平川のデビュー戦をこう評価した。1回目のスタートは良く、予想していたとおりレースを通じて良くなり、冷静さを保っていたという。2回目のスタートはそれほど良くなかったとしながら、そこからウィリアムズの2台を抜き返した走りを高く評価し、平川は自分の走りを誇っていいと語った。
チーム全体の結果は「残念」としつつ、小松は内容としては悪くない1日だったと振り返った。大きな変更があったなか、どのセッションも欠かさず走りきったスタッフにも礼を述べている。
金曜のFP1から一転、土曜の朝に決まった代役
平川はもともと、10月30日(金)のフリー走行1回目(FP1)だけを走る予定だった。ハースのリザーブドライバーとしてこのシーズン3回目のFP1で、結果は15番手だ。
ハースが「平川がメキシコシティGPの残りの日程でオコンに代わって走る」と発表したのは、翌31日(土)の朝だった。フリー走行3回目と予選、71周の決勝を走り、これがF1の決勝デビューになると説明している。交代の理由は明らかにせず、病気が原因ではないとだけ答えた。
オコンは金曜の夜に意見の違いから関係者との話し合いがあったことをSNSで認めつつ、一部で報じられた暴力行為は「断固として否定する」と声明を出した。オコンは2026年限りでハースを離れることが決まっており、チームは2027年の後任にラファエル・カマラを起用すると発表している。
平川にとっては、待ち続けた舞台だった。2023年9月にマクラーレンのリザーブドライバー就任が発表され、2024年の最終戦アブダビGPのFP1でF1の公式セッションに初めて出走。2025年はアルピーヌのテスト兼リザーブを経て、ハースのリザーブドライバーに移っている。
関連記事:平川亮、32歳でF1決勝デビューへ オコンの代役でメキシコシティGP、ル・マン制覇の経歴
ル・マン王者、次戦ブラジルは世界耐久選手権と同じ日
1994年3月7日生まれの32歳。トヨタの育成ドライバー出身で、国内では2017年にSUPER GTのGT500クラスでシリーズ王者になった。2022年のル・マン24時間レースでは、トヨタの8号車でセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレーと組んで総合優勝。世界耐久選手権(WEC)では2022年と2023年にドライバーズタイトルを手にしている。
日本人ドライバーがF1デビュー戦で入賞したのは、2021年バーレーンGPで9位に入り2ポイントを取った角田裕毅以来だ。平川の場合は、順位の確定がレース後の裁定にゆだねられた入賞となった。
次戦の第20戦サンパウロGPは、決勝が現地11月8日(日本時間9日)。ハースは11月3日時点で、ブラジルで誰を走らせるかを発表していない。同じ現地8日には、WEC最終戦のモンツァ6時間レースが行われる。平川はトヨタの8号車でドライバーズランキングの首位に立ち、2位の7号車と17点差でこの最終戦を迎える。2つの舞台が重なるため、ブラジルGPへの出場は難しいと報じられている。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 南條楓]











































































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