平川亮、32歳でF1決勝デビューへ オコンの代役でメキシコシティGP、ル・マン制覇の経歴

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
TGRハースF1チームのリザーブドライバー、平川亮(32)が、F1第19戦メキシコシティGPの決勝に出場する。チームは現地時間10月31日、エステバン・オコンに代わって週末の残りのセッションを平川が走ると発表した。予選は18番手(予選8番手のリアム・ローソンが失格となり、19番手から繰り上がった)。決勝は現地時間11月1日14時、日本時間11月2日5時にスタートする。
予選当日の朝に決まったオコンとの交代
ハースが交代を発表したのは、現地時間10月31日の朝だった。発表は、リザーブドライバーの平川がメキシコシティGPの残りのセッションでオコンに代わって出走するという短い内容で、現時点でこれ以上の声明を出す予定はないとしている。
平川は前日のフリー走行1回目(FP1)で、すでにオコンのマシンを走らせていた。経験の少ないドライバーにFP1を任せる「ルーキー枠」での出走で、30周を走って1分19秒982の15番手。その後のフリー走行2回目(FP2)ではオコンがマシンに戻っており、この時点では予選と決勝もオコンが走る予定だった。
予定が変わったのは一夜明けてから。平川はフリー走行3回目(FP3)から予選、71周の決勝まで、オコンのマシンで出走する。FIA(国際自動車連盟)も同じ10月31日付の文書でドライバーの変更を認め、オコンに割り当てられていたパワーユニットとタイヤを引き継いで使う。カーナンバーは50。チームメイトはオリバー・ベアマンだ。
ハースは2024年からトヨタと技術面で手を組み、2026年はトヨタ・ガズー・レーシング(TGR)の名を冠したチーム名で戦う。チーム代表は日本人の小松礼雄。トヨタの支援を受けてきた日本人ドライバーが、その車でF1の決勝を走ることになる。
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理由は非公表、体調不良ではないとチーム
なぜオコンは外れたのか。
ハースは具体的な理由を明らかにしていない。チームはオコンの体調不良が理由ではないと説明しているが、それ以上の説明はなく、次戦以降にオコンが戻るかどうかも示していない。
報道によると、FP2ではタイヤの選択をめぐり、オコンとレースエンジニアが無線でやり取りしていた。ベアマンがロングラン用のミディアムタイヤを序盤に傷めたため、チームは計画を変え、ベアマンにソフト、オコンにミディアムを履かせた。オコンはソフトで走りたいと訴えたという。ただ、このやり取りと交代の関係ははっきりしていない。
オコンとハースの契約は2026年シーズンで終わる。チームはすでにオコンが今季限りで離れることを発表しており、2027年のシートにはフェラーリの育成ドライバー、ラファエル・カマラを起用する。カマラはブラジル出身の21歳。オコンは2025年にハースへ移り、2026年が2年目のシーズンだった。アルピーヌ時代の2021年ハンガリーGPで優勝した経験を持つベテランは、今季の残り数戦を前に、週末の途中でマシンを降りた。
初めての予選はQ1敗退、最後のアタックで渋滞
準備の時間はほとんどなかった。FP3は19番手で、ベアマンとの差は0.577秒。続く予選では、Q1で1分18秒958を記録したものの、セッション終了時点で19番手にとどまり、Q2進出はならなかった。
Q2へ進んだドライバーで最も遅いQ1タイムは、カルロス・サインツ(ウィリアムズ)の1分18秒521。平川はあと約0.44秒届かなかった。ベアマンはQ1を1分18秒083で突破し、平川との差は0.875秒。ポールポジションはフェラーリのルイス・ハミルトンが手にした。予選後には、8番手だったレーシングブルズのリアム・ローソンが、MGU-K(エネルギー回生システム)に関する技術規定違反で失格になった。FIAが現地時間10月31日夜に出した正式な予選結果では、平川は18番手、ベアマンは14番手に繰り上がっている。
予選後、平川は交代の知らせは当日の朝で大きな驚きだったと話した。そのうえで、リザーブとしていつでも走る準備はしてきたこと、決勝に出ることをずっと夢見てきたことを明かしている。最後のアタックでは前の車に引っかかり、Q1を通過できなかったことを悔やみつつ、決勝に向けて集中したいと語った。
決勝の舞台はメキシコシティのアウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス。スタートは現地時間11月1日14時で、日本時間では11月2日の早朝5時にあたる。
トヨタで世界王者、ル・マン24時間も制覇
平川は1994年3月7日生まれ、広島県出身。13歳でカートを始め、国内のトップカテゴリーで実績を重ねてきた。2017年にはSUPER GTのGT500クラスでニック・キャシディとともにチャンピオンになり、スーパーフォーミュラでも2020年にシリーズ2位に入っている。
世界の舞台で名前が知られるきっかけは、トヨタの耐久レースでの活躍だった。2022年のル・マン24時間レースでは、トヨタ・ガズー・レーシングの8号車でセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレーとともに総合優勝。同じ3人で、2022年と2023年にはFIA世界耐久選手権(WEC)のドライバーズタイトルも手にした。
F1との関わりが本格化したのは2024年。前年秋に初めてF1マシンをテストしたマクラーレンでリザーブドライバーとなり、同年のアブダビGPではオスカー・ピアストリのマシンでFP1を走った。シーズン後のアブダビでのテストでは、ハースのマシンにも乗っている。
2025年はアルピーヌのテスト兼リザーブドライバーとして迎え、鈴鹿での日本GPではジャック・ドゥーハンに代わってFP1に出走した。その直後の4月、ハースのリザーブドライバーへ移り、バーレーンGPを皮切りにFP1を担当。2026年もオーストリアGP、ハンガリーGPでFP1を走り、メキシコシティGPのFP1が今季3回目の出走だった。
マクラーレン、アルピーヌ、ハースと3つのチームで待ち続けた決勝のスタートが、32歳で巡ってくる。
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次戦ブラジルはWEC最終戦と重なる
メキシコシティGPのあとをどうするかは、まだ決まっていない。
平川は2026年もトヨタからWECに出場しており、9月27日の富士6時間耐久レースでは8号車で逆転優勝、10月18日のバルセロナ6時間でも勝った。中東情勢でバーレーンが中止になったため、WECの最終戦はイタリアのモンツァ6時間(11月6日から8日、決勝は8日)。F1の次戦ブラジルGPも11月6日から8日までで、日程が重なる。平川たち8号車の3人はWECのドライバーズランキングで首位に立っており、タイトルが懸かる最終戦を前に、F1との掛け持ちは難しい。ハースにはもう1人、ジャック・ドゥーハンもリザーブドライバーとして控えている。
ハースの説明がない以上、オコンが次戦で戻るかも分からない。決まっているのは、日本時間11月2日5時、予選18番手の平川がF1の決勝に臨むことだ。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 疾風(HAYATE)]










































































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