『存在のすべてを』野本貴彦役は高橋一生 佐藤浩市・木村文乃・鈴木杏の追加キャストと役柄

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西島秀俊が主演し、瀬々敬久が監督する映画『存在のすべてを』の追加キャストが11月2日に発表された。消息を絶った写実画家・野本貴彦を高橋一生が演じ、佐藤浩市、木村文乃、鈴木杏も出演する。原作は塩田武士のミステリー小説で、公開は2027年2月5日、配給は東映だ。
高橋一生は消えた写実画家、佐藤浩市は銀座の画廊主
新たに名前が並んだのは4人だった。高橋一生(45)が演じる野本貴彦は、比類ない才能を見いだされながら、消息不明になった写実画家。その才能を見いだしたのが、佐藤浩市(65)演じる岸朔之介で、銀座の老舗画廊「六花」の店主として、謎の多い天才写実画家・如月脩を支える人物になる。
木村文乃(39)は貴彦の婚約者・木原優美を担う。鈴木杏(39)が演じる内藤瞳は、誘拐事件の被害児童・内藤亮の実母で、主人公の新聞記者・門田次郎(西島秀俊)の取材に応じるうちに、30年間誰にも明かさなかった「ある手紙」の存在を打ち明ける役どころだ。
発表に合わせて、4人のソロカットも公開された。画家の役を担う高橋は、本作の絵画の提供と監修を務める写実画家・大畑稔浩のもとで絵画の指導を受けて撮影に臨んでいる。
これまでに発表されたキャストと合わせると、主な登場人物は次のとおりだ。役柄の説明は、各発表時に公表された内容に基づく。
| 俳優 | 役名 | 役柄 |
|---|---|---|
| 西島秀俊 | 門田次郎 | 事件当時に警察を担当していた新聞記者 |
| 志尊淳 | 内藤亮 | 4歳で誘拐され、 |
| 広瀬すず | 土屋里穂 | 亮の同級生で、 |
| 高橋一生 | 野本貴彦 | 朔之介に才能を見いだされたが、 |
| 佐藤浩市 | 岸朔之介 | 写実画家・ |
| 木村文乃 | 木原優美 | 貴彦の婚約者 |
| 鈴木杏 | 内藤瞳 | 亮の実母。「ある手紙」の存在を門田に打ち明ける |
| 仲村トオル | 中澤洋一 | 門田と旧知の神奈川県警の刑事 |
| 斎藤工 | 先崎隆明 | 中澤の後輩刑事 |
| 青柳翔 | 真木慎一 | 事件当時の警察庁捜査一課長 |
| 光石研 | 藤島光一 | 大日新聞の本社記者 |
| 永島敏行 | 三村智也 | 神奈川県警捜査一課の管理官 |
| 奥田瑛二 | 木島茂 | 亮の祖父 |
1991年の二児同時誘拐事件、30年後に動き出す取材
物語の発端は、1991年に神奈川県で起きた「二児同時誘拐事件」になる。同じ日に2人の児童がさらわれ、1人は無事に保護された。もう1人の内藤亮は行方が分からないまま、3年後に突然、祖父母の家に姿を現す。
だが、亮は空白の3年間について何も語らなかった。
事件は未解決のまま時効を迎える。事件から30年後、事件当時に警察担当だった新聞記者の門田は、旧知の刑事だった中澤洋一の死をきっかけに、もう一度真相を追い始める。取材の先に浮かぶのは、写実画家として活動する亮の過去と、亮を思い続けてきた同級生・土屋里穂の存在だった。
追加されたのは、物語の深層に関わる4人だ。画廊主の朔之介、消えた画家の貴彦、その婚約者の優美、そして亮の実母の瞳。誰が何を知っているのかは、映画の公開を待つことになる。
原作は、2023年に朝日新聞出版から刊行された塩田武士の同名小説だ。第9回渡辺淳一文学賞を受け、2024年の本屋大賞では3位に入った。文庫版は2026年4月に朝日文庫から出ている。塩田はグリコ・森永事件を題材にした『罪の声』で山田風太郎賞を受け、『踊りつかれて』は第173回直木賞の候補になった。
4人が語った役への思い
佐藤は、何度も組んできた瀬々監督について「昭和の映画作りの良さと今の時代との折り合いをつけるのが非常にうまい方です」とコメントした。朔之介という人物の立ち位置は、監督と互いの経験から来る「暗黙知」で認識をすり合わせながら撮影に臨んだという。
高橋は、大畑から写実とは何かを教わった際、自分が目指す芝居の感覚に近いものを感じ、写実画にのめり込んでいったと明かした。作品については、現代で失われかけているかもしれない人間の根源というテーマとともに、「都合や合理性だけではない、人間の愚かさや美しさが内包されている」と述べている。登場人物たちの人間らしさに触れて楽しんでほしいとも呼びかけた。
木村は、人生はつらいことや悲しいことばかりではないと、観客にそっと寄り添える存在でいたいと考えて撮影に臨んだという。悲しみの中にも温かな希望を感じてもらえる作品だとして、気負わずに劇場で受け取ってほしいと呼びかけた。
被害児童の母を演じた鈴木の言葉は率直だ。瞳は外から見れば「ひどい親」と受け取られかねない人物だとしたうえで、「ただの分かりやすい人物にはしたくなかった」と語った。自分の人生に抗えなかった女性の内面の揺らぎを、大切に汲み取りながら演じたという。
西島秀俊と瀬々敬久は27年ぶりのタッグ
映画化が発表されたのは2025年8月20日だった。東映とテレビ朝日の共同企画・製作で、同じ月の下旬からクランクインする予定と発表されていた。
西島と瀬々監督が組むのは、1998年の『冷血の罠』以来27年ぶりになる。瀬々監督は『64‐ロクヨン‐』(2016年)や『護られなかった者たちへ』(2021年)といった社会派サスペンスから、『糸』(2020年)、『ラーゲリより愛をこめて』などの人間ドラマまで手がけてきた。発表時、西島は脚本を読み、二児同時誘拐事件をめぐるサスペンスと重厚な人間ドラマに感動したとコメントし、監督は原作を、塩田が現実の場所に足を運び、その空気を直に感じて書き上げた小説だと評している。映画化を「すこぶる難儀であり、大いなる挑戦になる仕事」と表現し、西島との約30年ぶりの映画作りが、30年前の事件に再び向き合う登場人物たちの姿に重なって感じられるとも語った。
キャストの発表は段階的に続いた。2026年3月25日に広瀬すずの出演が明らかになる。広瀬は西島と初共演で、瀬々組について監督が演出とともに熱量を共有してくれる現場だと語っていた。続く7月には仲村トオル、斎藤工、青柳翔、光石研、永島敏行、奥田瑛二の6人が加わる。9月18日には志尊淳が内藤亮を演じると発表され、高校時代から写実画家として活動する36歳までを1人で演じることも伝えられた。志尊もまた、大畑のもとで写実画の技法を学んで役に入っている。
画家を演じる俳優が2人とも同じ画家の指導を受けたことになり、作中の絵画がどう映し出されるのかも気になるところだ。
11月2日の4人が加わり、主な登場人物の顔ぶれがそろってきた。
2027年2月5日公開、佐藤浩市は2週間後にも出演作
『存在のすべてを』は2027年2月5日に全国で公開される。配給は東映。脚本や主題歌、本予告の公開時期は、11月3日時点で発表されていない。
佐藤浩市は、2週間後の2月19日に公開される映画『殺人の門』にも出演する。東野圭吾の小説を原作に、山﨑賢人と松下洸平がダブル主演を務める作品で、佐藤は幼い2人と出会う五目並べの男”ガンさん”を演じる。2月の映画館で、佐藤の出演作が続けて公開されることになる。
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高橋が演じる貴彦は、なぜ姿を消したのか。30年前の事件と、2人の写実画家をつなぐ糸がどこにあるのかが、作品の大きな見どころになりそうだ。
[文/構成 by Webライター 真柴 ことね]







































































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