ホンダF1、アメリカGPで通算500戦目へ 1964年の初参戦からの歩みと記念グッズ

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
本田技研工業(ホンダ)は10月20日、F1第18戦アメリカGP(10月23〜25日、米テキサス州オースティン)で1964年の初参戦から通算500戦を迎えると発表した。アストンマーティンのマシン「AMR26」に記念ロゴを付けて走り、記念グッズも売り出す。決勝は日本時間10月26日(月)午前5時スタートだ。
アメリカGPで通算500戦 AMR26に「Honda500記念ロゴ」
会場はサーキット・オブ・ジ・アメリカズ。ホンダはこのチームにパワーユニット(PU)を供給している。
アメリカGPの正式名称は「Formula 1 MSC Cruises United States Grand Prix 2026」。ホンダは2026年からアストンマーティン・アラムコ・F1チームにPU「RA626H」を供給し、ワークスパートナーとして戦っている。ドライバーはフェルナンド・アロンソ(45)とランス・ストロール(27)の2人だ。
この週末、AMR26の車体には「Honda500記念ロゴ」が入る。サーキットで共に戦うホンダ・レーシング(HRC)のレースエンジニアも、同じロゴをあしらった特別ユニフォームを着てレースに臨む。
ホンダは発表と同じ日に、1964年からの歩みをたどる特設ウェブページを公開し、500戦を凝縮した記念動画も公式YouTubeとSNSで配信を始めた。
HRCの渡辺康治社長はコメントで「数々の挑戦と挫折、そして歓喜の瞬間を重ね、このたび通算500戦という大きな節目を迎えられることをうれしく思います」と喜びを表した。続けてファンやパートナー、ドライバー、アストンマーティンへの感謝を述べ、「500戦という数字に刻まれた歴史の重みと誇りを胸に、皆様に夢と感動をお届けできるよう、これからもF1への挑戦を続けてまいります」と結んでいる。
500戦の数え方 予選を通過して決勝に進んだGPが対象
ホンダの数え方には条件がある。エンジンやPUの登録名称が「Honda」で、なおかつ公式予選を通過して決勝の出走権を得たグランプリだけを数える。
ホンダのF1への関わり方は時代によって大きく変わった。車体もエンジンも自前のフルワークス、他チームへのエンジン供給、PUメーカーとしての参戦。こうした形の違いを問わず、ホンダの名前で決勝のグリッドに並んだレースを積み上げた数字が500となる。
一方、ホンダが2021年限りでF1参戦を終えた後、2022年から2025年まではHRCがレッドブル・パワートレインズに技術支援をする立場だった。特設ページに並ぶ節目のレースを見ると、450戦目は2020年ベルギーGP。全17戦だった2020年の残り10戦、2021年の全22戦、2026年のアメリカGPまでの18戦を足すとちょうど500になり、技術支援の4シーズンは数に入っていない計算だ。
特設ページが紹介する50戦ごとの節目は次のとおり。
| 戦数 | 年 | グランプリ | チーム | エンジン/PU |
|---|---|---|---|---|
| 1戦目 | 1964年 | ドイツGP | Honda | RA271E(1.5L V12) |
| 50戦目 | 1984年 | デトロイトGP | ウィリアムズ・ホンダ | RA164E(1.5L V6ターボ) |
| 100戦目 | 1987年 | オーストリアGP | ウィリアムズ・ホンダ/ロータス・ホンダ | RA167E(1.5L V6ターボ) |
| 150戦目 | 1990年 | イタリアGP | マクラーレン・ホンダ | RA100E(3.5L V10) |
| 200戦目 | 2000年 | イタリアGP | B・A・R ホンダ | RA000E(3.0L V10) |
| 250戦目 | 2003年 | ハンガリーGP | B・A・R ホンダ | RA003E(3.0L V10) |
| 300戦目 | 2006年 | ドイツGP | ホンダ/スーパーアグリ | RA806E(2.4L V8) |
| 350戦目 | 2015年 | イギリスGP | マクラーレン・ホンダ | RA615H(1.6L V6ターボ・ハイブリッド) |
| 400戦目 | 2017年 | ブラジルGP | マクラーレン・ホンダ | RA617H(1.6L V6ターボ・ハイブリッド) |
| 450戦目 | 2020年 | ベルギーGP | レッドブル/アルファタウリ | RA620H(1.6L V6ターボ・ハイブリッド) |
| 500戦目 | 2026年 | アメリカGP | アストンマーティン・アラムコ・ホンダ | RA626H(1.6L V6ターボ・ハイブリッド) |
1984年から1987年にかけて、3年あまりで50戦を重ねている。100戦目の1987年オーストリアGPには、ウィリアムズとロータスの2チームがホンダのエンジンで出走したが、数え方の対象は「グランプリ」なので1戦と数える。
1964年ドイツGPから始まった挑戦の歩み
始まりは1964年8月2日、ニュルブルクリンクでのドイツGPだった。ロニー・バックナムがドライブするRA271は予選22位からスタートし、15周のレースで11周を走ったところでアクシデントに見舞われる。記録上は13位。日本の自動車メーカーとして、手探りの船出だった。
初勝利まで、そう時間はかからなかった。翌1965年10月24日のメキシコGPで、リッチー・ギンサーがRA272で優勝。1967年のイタリアGPではジョン・サーティースがRA300で2勝目を挙げ、エンジンも車体も自社製の「オールHonda」として戦った第1期は1968年に幕を下ろした。
1983年、ホンダはエンジンサプライヤーとして戻る。この年のイギリスGPでスピリットのマシンに積んだのが復帰戦となり、ここから1992年まで続く第2期の黄金時代が始まった。ウィリアムズ・ホンダが1986年にコンストラクターズタイトル、1987年にドライバーズとの二冠を手にすると、1988年から1991年まではマクラーレン・ホンダが4年連続でダブルタイトルを獲得した。
中でも1988年は、アイルトン・セナとアラン・プロストの2人で16戦中15勝を挙げたシーズンだ。セナが8勝、プロストが7勝。ほぼ全てのレースをホンダエンジンが制した。
2000年からの第3期は、B・A・Rとのエンジン供給と車体の共同開発で始まり、2006年からは再び「オールHonda」の体制となった。2006年8月のハンガリーGPでは、ジェンソン・バトンが14番グリッドから追い上げて優勝している。ただ、ホンダは2008年限りでF1を離れた。
2015年、PUサプライヤーとしてマクラーレンと組んだ第4期が幕を開けた。苦しい時期を経て、2018年にトロロッソ、2019年にレッドブルへの供給を始めると流れは変わる。2019年6月30日のオーストリアGPでマックス・フェルスタッペンが優勝し、2021年にはレッドブル・ホンダとしてドライバーズタイトルを手にした。ホンダはこの年限りでF1参戦を終えている。
その後もHRCはレッドブル・パワートレインズへの技術支援を続け、2022年と2023年にレッドブルが2年連続のダブルタイトル、2024年にはフェルスタッペンがドライバーズ4連覇を果たした。そして2026年、ホンダは新しいPUのルールが始まる年に合わせ、アストンマーティンのワークスパートナーとしてF1に戻った。
記念グッズは4種類 Honda Fun Shopでは11月8日まで受注
記念ロゴを使ったオリジナルグッズは国内で販売する。ホンダが発表したのは「リッド付ステンレスサーモタンブラー」「フライトタグキーホルダー」「ミズノ製Honda500戦記念レプリカユニフォーム」「ステッカーセット」の4種類。ユニフォームは、HRCのエンジニアが現地で着るものと同じデザインだ。
販売先はAmazonのHRC Brand Store、ホンダの公式通販サイト「Honda Fun Shop」、MobilityStationの3つ。Honda Fun Shopではステッカーセット(4枚組)が1,000円、フライトタグが1,500円、ステンレスタンブラーが4,000円(いずれも税込)で並ぶ。受注期間は10月20日午後5時から11月8日午後11時59分までで、発送は2027年1月中旬以降の予定だ。手元に届くのは年明けになる。
複数の商品をまとめて注文すると、いちばん遅い商品に合わせて発送される。先に受け取りたい場合は1点ずつ注文するよう、ショップは呼びかけている。レプリカユニフォームの価格と、ほかの2つの販売先での価格や受付期間は、ホンダの発表には書かれていない。
日本時間のスケジュールと、苦しいシーズンの中の節目
オースティンはこの週末も夏時間(米中部夏時間、UTC-5)で、日本との時差は14時間。F1公式サイトの現地時刻を日本時間に直すと、次のとおりになる。
| セッション | 現地時間(米中部夏時間) | 日本時間 |
|---|---|---|
| フリー走行1回目 | 10月23日(金)12:30 | 10月24日(土)2:30 |
| フリー走行2回目 | 10月23日(金)16:00 | 10月24日(土)6:00 |
| フリー走行3回目 | 10月24日(土)12:30 | 10月25日(日)2:30 |
| 予選 | 10月24日(土)16:00 | 10月25日(日)6:00 |
| 決勝(56周) | 10月25日(日)15:00 | 10月26日(月)5:00 |
表の時刻は各セッションのスタート時刻で、中継番組の開始時刻とは別だ。2026年から日本ではフジテレビがF1の放映・配信権を独占し、CSのフジテレビNEXTと配信サービスFODの「FOD F1プラン」が全セッションを生中継する。2025年まで配信していたDAZNでは見られない。番組の開始時刻は、フジテレビの公式番組表で確かめたい。
サーキット・オブ・ジ・アメリカズは1周5.513キロ。決勝は56周、308.405キロで争う。
節目のレースを迎えるアストンマーティン・ホンダの2026年は苦しい。F1公式サイトのコンストラクターズランキング(10月21日時点、第17戦シンガポールGPまで)で、チームは7ポイントの10位にとどまる。新しいPUのルールが始まった最初のシーズンで、上位との差はまだ大きい。
それでも500という数字は、勝利も撤退も復帰も含めた62年分の積み重ねだ。記念ロゴを付けたAMR26は、日本時間10月26日の早朝にスタートを切る。
[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]









































































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