野田樹潤、育った美作市で一日警察署長 パトカーを初運転、全国地域安全運動

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
スーパーフォーミュラに参戦するレーシングドライバー、「Juju」こと野田樹潤(20)が10月13日、岡山県美作市で美作警察署の一日警察署長を務めた。10月11日に始まった全国地域安全運動に合わせた啓発活動で、自身初めてのパトカー運転も披露。小学生時代から過ごした地元で、詐欺被害の防止や地域の安全を呼びかけた。
制服姿で委嘱式、初のパトカー運転も披露
一日警察署長の委嘱は、本人の公式サイトで9月10日に告知されていた。告知によると、日時は10月13日午前10時から正午まで、会場は美作市湯郷の駐車場で、雨天時は美作市湯郷交流センターに変える予定とされた。内容はパトカー運転の披露、ヨーロッパで優勝したマシンの展示、防犯パトロール隊の出発式での号令の3つだ。
委嘱式で美作警察署から一日署長を委嘱されると、Jujuは「私が育ったこの美作で、こうして素晴らしい機会をいただいて、すごく光栄に思っています」とあいさつした。防犯ボランティアに向けたこのあいさつで「私自身まだまだ成長している途中です」と続けたところで言葉に詰まり、「すみません、制服を着てちょっと緊張しております」と打ち明ける場面もあった。
このあと、Jujuはパトカーに乗り込んだ。
自身にとって初めてというパトカーの運転では、隣の席から「Jujuさん通ります」とアナウンスが流れるなか、ハンドルを握った。地元のテレビニュースでは、その運転が「完璧なハンドルさばき」と紹介された。本人は「よく聞く声が隣から聞こえてきたんで、すごく楽しかったです」と笑い、普段のレーシングマシンとの違いを問われると「また違った緊張感が走ります」と答えた。
このあと防犯パトロール隊の出発式に臨み、「皆さん交通安全に気を付けて、まちの安心安全を守って下さい。それでは出発」と号令をかけた。会場ではチラシを配りながら、訪れた住民やファンに地域の安全・安心を呼びかけている。
「冷静に運転する秘訣」はレースに通じる
レースとパトカー。速さを競う世界と、安全を守る世界はまるで違って見える。
だが、本人は共通点を口にした。冷静に運転する秘訣を聞かれたJujuは「自分自身が気を付けていても事故に巻き込まれてしまう。状況をしっかり判断して危険をしっかり察知して、そういった部分は(レースに)通じる部分があると思う」と語っている。公道の運転でもサーキットでも、周りの状況を読み、危険を早めに察知する力が身を守る。
パトカー運転の感想として「(レースとは)違う緊張感があった。この気持ちでレースに向かいたい」とも話し、一日署長の経験を次のレースにつなげる考えを示した。
地元の子どもたちへの思いもある。制服姿のこの日、「地元の子どもたちに夢を挑戦する大切さや夢に向かって進む勇気を少しでも届けられたらと思います」と話していた。
美作市は「すごく大好きなふるさと」
Jujuと美作市の縁は、父・野田英樹氏が開いたドライバー養成機関「NODAレーシングアカデミー」にさかのぼる。元F1ドライバーの英樹氏は2013年に栃木県茂木町で同アカデミーを開校し、2015年に拠点を美作市へ移した。美作市と、市内にある岡山国際サーキットの支援を受けての移転だった。
3歳で父の影響からレースを始めたJujuにとって、美作市は小さい頃から練習を重ねてきた場所となった。2018年3月には美作市の勝田東小学校を卒業し、F1を目指して新たな道へ進んだ。卒業式後のインタビューでは、修学旅行の思い出を楽しそうに語り、「こっちに戻ってきてタイムカプセルも掘りたい」と話していた。
父と並んで走った経験も、美作市で暮らしていた時期のものだ。小学生だった2017年11月には、英樹氏とともに三重県の鈴鹿サーキットでF4マシンの練習走行に臨んだ。父の後ろについてコースに慣れ、やがて前を走ってタイムを上げると、英樹氏に「追いつけないところがあった」と言わせた。F4ドライバーとしては史上最年少での走行で、本人は「ここでレースができるような状況で帰ってきたいです」と話していた。
あれから約9年。20歳になったJujuは、この日の取材で、地元への思いをこう明かした。
「オフの時はフルーツ食べて湯郷の温泉に入りに行って、すごく大好きなふるさとです」
会場には県内外からファンが集まった。東京から駆けつけたというファンは「制服姿がかわいかった」と喜び、別の来場者は「小学生の時から知っているので大きくなっていてビックリした。目指しているのが世界なので美作の誇れる女の子」と目を細めた。赤磐市から来た人は「非常に誇らしい。もっと活躍してほしい」と話し、レーシングカートに乗っているという子どもは、目標とする人に「Jujuさん」の名前を挙げている。
地元の声援は、本人にとっても大きな支えになっている。「やっぱり故郷に帰ってきたときに、たくさんの方が『Jujuちゃん頑張ってね』と言ってくださると、地元以外でレースをしていても、『地元の皆さんにいい報告を持って帰りたいな』という気持ちになるので、本当に私自身たくさんのパワーと勇気をいただいています」
スーパーフォーミュラ3年目、11月の鈴鹿で最終大会へ
Jujuは2006年2月2日生まれの20歳。国内トップフォーミュラの全日本スーパーフォーミュラ選手権に、史上最年少かつ日本人女性として初めて参戦したドライバーだ。2024年にデビューし、2026年は3年目のシーズンを迎えている。所属はHAZAMA ANDO Triple Tree Racingで、車両番号は10。
10月10日と11日に富士スピードウェイ(静岡県)で行われた第9戦と第10戦は、第9戦が22位、第10戦は13位でフィニッシュした。第10戦はセーフティカー明けの再スタート時の追い越しで30秒加算のペナルティを受けている。第10戦終了時点で、まだポイントは獲得していない。
残るのは、11月に三重県の鈴鹿サーキットで予定される最終大会(第11戦、第12戦)だ。小学生のころ「ここでレースができるような状況で帰ってきたい」と話したコースで、今季初ポイントをかけて走る。
地元で受け取った「頑張ってね」の言葉を胸に、Jujuは今季最後の戦いに向かう。全国地域安全運動は10月20日まで続き、各地で防犯や交通安全の啓発活動が行われる。
[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]











































































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