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小島和哉が国内FA権を行使「悔いのない決断をしたいと思います」 通算59勝とFAランク

小島和哉が国内FA権を行使「悔いのない決断をしたいと思います」 通算59勝とFAランク

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ロッテは11月2日、小島和哉投手(30)が国内フリーエージェント(FA)権を行使すると発表した。プロ8年間の通算成績は172試合で59勝63敗、防御率3.60。FAランクは公表されないが、報道では推定年俸1億4500万円から補償が必要な「Bランク」と推定されている。本人は球団を通じ、残留も含めて考えると明かした。

ロッテが11月2日に発表、残留も選択肢に

小島は11月2日、FAの権利を行使するための手続きをしたと球団を通じて報告した。国内FA権は今季取得したもので、他の11球団とも話ができる立場になる。

コメントは長文だった。まず、ドラフトで選んでくれた球団と、監督・コーチ・チームメイト・ファンへの感謝を述べ、「FA宣言をするかしないか、とても悩みました」と打ち明けている。

決断の理由も自分の言葉で説明した。8年間、自分のことよりチームのことだけを思って腕を振ってきたとしたうえで、「そんな自分のプロ野球生活に対する他球団からの評価を直接聞き、客観的に自分を見つめ直してみたいという思いが強くあり、今回の決断に至りました」と語った。

ただ、移籍を決めたわけではない。「もちろん、これまでお世話になったマリーンズへの感謝の想いと愛着はとても強いです。残留の選択肢もじっくりと考え、悔いのない決断をしたいと思います」。今後は話ができる全ての球団の言葉を真摯に受け止め、自分が一番納得できる決断をしたいとも書いている。

行使を認めたロッテへの思いもつづった。「自分の思いを汲んでくださったマリーンズには、本当に感謝しています」。FA権の行使は球団との関係を断つ手続きではなく、残留交渉の道も残る。国内FA権を行使した選手は、在籍球団を含めた全ての球団と交渉できるからだ。

コメントの終盤では「振り返ると、プロの世界に入ってあっという間の8年でした」と8年間を振り返った。残りの野球人生も充実した日々にできるよう、考え抜いてから決めるという。

通算59勝、8年間の歩みを数字で見る

小島は浦和学院高等学校、早稲田大学を経て、2018年のドラフト3位でロッテに入団した。浦和学院では2年生エースとして2013年の選抜高校野球大会で優勝した。決勝は済美高等学校に17-1で勝ち、埼玉県勢として45年ぶりの選抜制覇となった。早稲田大学では4年時にエースと主将を兼ね、東京六大学リーグで投げ続けた。1年目の2019年から一軍で登板し、今季で8年目を迎えた。

日本野球機構(NPB)の個人年度別成績で、通算59勝を検算した。

年度登板勝敗投球回防御率
2019103勝5敗54回1/34.31
2020207勝8敗113回1/33.73
20212410勝4敗146回3.76
2022243勝11敗143回1/33.14
20232510勝6敗158回1/33.47
20242512勝10敗163回1/33.58
2025248勝10敗145回3.72
2026206勝9敗117回1/33.53
通算17259勝63敗1041回3.60

各年の勝ち星を足すと、3+7+10+3+10+12+8+6で59勝になる。負け数も同じように足すと63敗で、通算では4つの負け越しだ。勝率は.484だ。2桁勝利は2021年、2023年、2024年の3度。3年目の2021年に10勝4敗で初の2桁勝利を挙げ、2024年の12勝がキャリア最多になった。2024年は5完投を記録しており、先発で長いイニングを投げる力がはっきり数字に出た年でもある。

目を引くのは投球回の安定感だった。2021年から2025年まで、5年連続で規定投球回に届いている。2022年は防御率3.14ながら3勝11敗と勝ち星に恵まれず、勝敗だけでは測れない1年もあった。

通算の投球回は1041回に達し、今季中に1000投球回の節目も越えた。2025年までの7年間で積み上げた投球回は923回2/3で、今季の117回1/3で大台に乗せた計算だ。2023年から2025年まで、3年連続で開幕投手を任された。

今季は20試合に先発して6勝9敗、防御率3.53。7月22日の楽天戦では9回2失点で2季ぶりの完投を記録し、3勝目を挙げた。一方で、序盤の四死球から失点した試合ではサブロー監督から厳しい評価を受けたことも報じられている。なお、一部の報道では今季成績を6勝8敗としているが、NPBの記録では6勝9敗だ。

FAランクは推定B、獲得球団に補償

FAランクは、旧所属球団の日本人選手の中での年俸順位で決まる。NPBも球団もランクを公表していないため、報道の数字は推定にとどまる。

小島の今季年俸は推定1億4500万円。報道では、この金額をもとにチーム内の順位から「Bランク」と推定されている。

2026年オフのBランクは、チーム内の年俸順位で4〜10位にあたる。初めてFA権を使って移籍する選手の場合、獲得した球団は旧所属球団に「人的補償と年俸の40%の金銭」か「年俸の60%の金銭」のどちらかを支払う。どちらを選ぶかは旧所属球団が決める。仮に推定年俸1億4500万円で計算すると、40%は5800万円、60%は8700万円になる。

NPBは10月30日、人的補償を2027年オフから撤廃し、ドラフト指名権か金銭に切り替えると発表した。翌年4月1日時点で35歳以上の選手を補償不要にする例外は今オフから始まるが、30歳の小島は当てはまらない。小島の移籍には、これまでどおり人的補償の可能性が残る。

関連記事:FA人的補償、27年オフから撤廃し指名権か金銭に 今オフから35歳以上は補償不要で筒香が該当

阪神など複数球団が調査と報道

行使の判断は、10月の段階から注目されていた。10月5日には「ここまで使ってもらったから取れた権利でもあります。本当にしっかりと、考えたいなと思います」と話し、熟慮する考えを示していた。

報道によると、今季は複数球団が小島の登板をほぼ毎試合視察していた。阪神は10月28日までに、権利行使に備えて獲得調査を進めていると報じられた。阪神はオリックスの中川圭太、中日の上林誠知も調べているとされ、小島には先発ローテーションを担う左腕としての期待がかかる。行使の発表後には、阪神が交渉解禁直後の条件提示に向けて準備を進めていると報じられ、DeNAの獲得調査も伝えられた。

ただ、これらは球団の正式発表ではない。FA宣言した選手は11月10日に公示され、11日から交渉が解禁される。どの球団が実際に交渉の席に着くかは、その後に明らかになる。

FA権を持つ選手の判断は、11月に入って相次いでいる。NPBのFA有資格選手名簿では、有資格者は105人で、今季新たに国内FA権を得た選手は22人いる。10月19日の公示時点では104人だったが、のちにオリックスの石川亮が国内FA権の今季取得者に加わった。行使する選手もいれば、熟考の末に残留を選ぶ選手もいる。西武の高橋光成も11月2日、海外FA権の行使を表明した。

関連記事:高橋光成、海外FA権を行使へ メジャー最優先もソフトバンクが獲得調査、移籍先の行方と交渉解禁の日程

先発左腕の行き先、ロッテ残留の道も

ロッテにとって、小島は8年間ローテーションを支えてきた先発左腕だ。5年連続の規定投球回と3年連続の開幕投手という実績は、球団内の先発投手の中でも重い。今後はロッテとの残留交渉と、他球団との交渉を並行して進めることになる。

獲得する側から見ると、Bランクの補償が判断材料になる。人的補償を選ばれれば、プロテクトから外れた選手を1人失う可能性がある。それでも複数球団の調査が報じられているのは、2021年から5年続けて140回以上を投げてきた左腕の需要が高いからだろう。

小島はコメントの中で、残留の選択肢を「じっくりと考え」ると書いた。最終的な結論は、各球団の評価を聞いた後に出る。

浦和学院高等学校で頂点に立ち、早稲田大学で主将を務め、プロで59勝を積み上げた30歳の左腕。8年目のオフ、自分の価値を確かめる交渉が始まる。

[文/構成 by スポーツ担当ライター 高瀬翔吾]

寄稿者

高瀬翔吾
Webメディアでスポーツ、エンタメ、時事ニュースなど、累計数千本の記事制作に携わってきたスポーツ系ライター。野球分野では、プロ野球の試合結果や選手の記録をはじめ、MLB、高校野球、ドラフト、移籍、契約更改などの記事を継続的に担当。数字や公式記録を基に情報を整理する記事を得意としており、結果を伝えるだけでなく、その記録が持つ意味や、選手・球団を取り巻く背景までわかりやすく解説することを心がけている。主な執筆分野は、プロ野球、MLB、高校野球、侍ジャパン、ドラフト、移籍情報。

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