工藤公康監督が高知入り「みんなが成長できる」 中日秋季キャンプで背番号81のユニホーム姿を初披露へ

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
中日の工藤公康監督(63)が11月1日、秋季キャンプのため空路で高知入りした。キャンプは11月2日から16日まで高知市の高知県立春野総合運動公園野球場で行われ、工藤監督は初日から指導にあたる。背番号81の中日のユニホーム姿は、このキャンプが初めてのお披露目になる。到着後には「みんなが成長できる」キャンプにしたいと語った。
本隊とは別便で高知へ、第1クールの4日まで指導
チームは11月1日、名古屋から空路で高知龍馬空港に到着した。正午すぎの到着ロビーでは歓迎セレモニーがあり、高知県観光コンベンション協会から村松開人内野手と中西聖輝投手に花束が贈られた。「推し」の選手名を書いたタオルやプラカードを手にしたファンも出迎えている。香南市から来た野球少年は、仲地礼亜投手のファンだと明かし、「頑張れーって言いたい」と話した。
工藤監督の姿は、その輪の中になかった。仕事の都合でチーム便とは別の便を使い、羽田空港から高知へ向かったためだ。セレモニーには参加せず、到着後に空港内で取材に応じると、「みんなが成長できる」秋季キャンプにしたいと話した。11月2日の初日から、しっかり取り組む考えも示している。
指導期間は限られる。高知の滞在は第1クールの11月4日までの予定で、16日までのキャンプのうち、監督が直接見るのは最初の3日間だ。就任後、選手が監督のユニホーム姿を目にするのも、このキャンプが最初になる。
関連記事:工藤公康、中日監督就任会見で「自分のふるさとに帰って」 母校は愛知工業大学名電高等学校
秋季キャンプの日程と参加選手
球団の発表によると、2026年の秋季キャンプは高知とナゴヤ球場の2カ所に分かれて行う。どちらも期間は同じで、高知は全日程で入場無料の一般公開となる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 期間 | 11月2日(月)〜 |
| 休日予定 | 11月5日(木)、 |
| 会場 | 高知県立春野総合運動公園野球場(高知市)、 |
| 高知の公開 | 全日程、 |
| ナゴヤ球場 | スタンド開放・ |
高知組は25人。投手14人、捕手2人、内野手5人、外野手4人という構成で、セレモニーで花束を受け取った村松と中西のほか、岡林勇希、森駿太、土田龍空らが名を連ねた。
高知での中日の秋季キャンプは、2025年に続いて2年連続となる。県内では阪神が安芸市で、オリックスが高知市でそれぞれ秋季キャンプを張っており、11月の高知は3球団が汗を流す場所になる。現地へ行けないファンには、球団公式YouTubeチャンネルが11月2日と3日の高知の練習を、9時から15時30分の予定でライブ配信する。
就任から半月、ユニホーム姿は春野で初めて
工藤監督の就任会見は10月15日だった。背番号はソフトバンク監督時代と同じ81に決まり、球団公式サイトは2027年度から指揮を執ると伝えている。会見で工藤監督は、名古屋出身の自分が故郷に帰って監督を任されたことへの思いを口にし、「名古屋の人に少しでも恩返しをしたいという気持ちを持って」要請を引き受けたと語った。
それから半月。会見直後からナゴヤ球場での秋季練習に何度も足を運び、訓示や面談を重ねてきた。10月30日の視察は23日以来4度目で、大島洋平、涌井秀章、大野雄大らとは1対1で話している。キャンプ期間中には、全選手との個別面談を終える考えだ。ナゴヤ球場で練習する選手とも、その時期に面談する予定だという。
それでも、監督として中日のユニホームに袖を通すのは高知が最初になる。愛知工業大学名電高等学校(当時は名古屋電気高校)から1981年のドラフト6位で西武に入団し、ダイエー、巨人、横浜、再び西武と渡り歩いて通算224勝。地元出身ながら、選手としてもコーチとしても中日に在籍した経験はない。ソフトバンクでは2015年から2021年までの7年間でリーグ優勝3度、日本一5度に導いた。背番号81を背負った中日のユニホーム姿は、春野で初めて披露される。
キャンプのテーマは「体づくり」
春野で何を求めるのか。
答えは高知入りの際にはっきり語っている。キャンプのテーマの一つに挙げたのは「体づくり」だった。よく使われる「心技体」について、工藤監督は3つを同じ並びとは考えていない。技術を身につけるには反復練習しかなく、その反復に耐えられる体がなければ練習は続かない。技術が身につけば心は自然と高まる。だからこそ土台は体にある、という考え方だ。
オフの過ごし方にも持論がある。10月30日のナゴヤ球場での秋季練習では、フェニックス・リーグ組も合流した全員を前に、オフは自分の体を鍛えるためにあると訴えた。オフは休みではなく、練習に耐えられる、故障しない体をつくるために鍛える時期という位置づけで、高知でもこの方針が練習の軸になる。
自身の経験も、その裏付けになっている。高知入りの際には足の速さに話が及び、工藤監督は自身について「球速上がりました。足も速くなりました」と話した。どんなメニューを課すのかについては、練習を見ていればやるかもしれないし、時間が押したらやれないかもしれない、と含みを持たせた。
高知は工藤監督にとって、縁の深い土地でもある。現役時代、西武の一員として高知で過ごした経験があり、当時の1軍の宿舎は桂浜の近くにあったと振り返った。宿舎からは桂浜から広がる太平洋を望めたという。近くの2軍の宿舎では朝食に伊勢エビのみそ汁が出ると聞き、そちらのほうがいいと思ったという思い出話も披露した。西武時代以来、今度は監督として高知に戻ってきた。
最下位からの立て直しへ、組閣も進む
中日は球団創設90周年の2026年シーズンを最下位で終えた。リーグ優勝から遠ざかって15年、Bクラスは6年連続となる。井上一樹前監督が辞任し、球団は外部から工藤監督を招いた。
立て直しに向けて、組閣も動いている。投手コーチには吉見一起の就任が決定的と報じられ、10月30日の秋季練習ではナインにあいさつし、コミュニケーションを大事にして指導していきたいと話した。来季の打撃コーチに就任する予定の球団OB山崎武司は工藤監督の高校の後輩にあたり、10月31日にナゴヤ球場の秋季練習へ合流した。秋季キャンプでは、ナゴヤ球場組を指導する予定だ。
関連記事:山崎武司への中日打撃コーチ要請、工藤新監督が「要請はしております」と認める 愛知工業大学名電高校の先輩・後輩
会見で工藤監督は、強制的にああしろ、こうしろと言うのは今の時代の監督の仕事ではないとしつつ、足りないものはしっかり身につけてもらうと話していた。失敗についても「失敗しない人間なんていないです」と述べ、悔やむより経験から次に何を学ぶかが大事だと強調している。チームづくりでは「野球はチームで戦うもの」として、能力、体力、技術、メンタルの向上が総合的にかみ合えば強いチームになるという考えを示した。対話を重ねてきた半月を経て、11月2日からはグラウンドでの直接指導が始まる。背番号81のユニホーム姿で臨む3日間が、来季に向けた最初の積み上げになる。
[文/構成 by スポーツ担当ライター TAKU]








































































コメントはこちら