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川島連十、延長10回完投で二松学舎大学附属高等学校を決勝へ 父・慶三がスタンドで観戦

川島連十、延長10回完投で二松学舎大学附属高等学校を決勝へ 父・慶三がスタンドで観戦

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

秋季東京都高校野球大会の準決勝が11月1日にスリーボンドスタジアム八王子であり、二松学舎大学附属高等学校が東海大学菅生高等学校に延長10回タイブレークの末、2対1で逆転サヨナラ勝ちした。2年生エース左腕の川島連十が10回を4安打1失点、9奪三振で1人で投げ切り、2年ぶりの決勝進出。スタンドでは、10月30日にDeNAとの来季のコーチ契約が発表された父・川島慶三(43)が観戦していた。

9回まで0対0、10回2死からの逆転サヨナラ

試合は9回まで両校とも1点も入らなかった。

川島は立ち上がりから直球で押した。5回2死で東海大菅生の6番・小津聖人(2年)に中前安打を打たれるまで、14人の打者を続けてアウトにし、そのうち8人から三振を奪っている。中盤からは右打者にカーブ、左打者にスライダーを使い、打たせて取る投球に切り替えた。6回以降の三振は1つだけだったが、それでもスコアボードには0が並ぶ。

9回表には、中前安打で出た関祐太朗がこの試合で初めて二塁へ進んだ。ここで川島と1年生の坂井誠史郎がけん制で二塁走者を刺し、ピンチの芽を摘んだ。

相手も崩れなかった。東海大菅生の先発・中島龍之介(2年)は8回を無失点に抑え、9回からは140キロ台後半の直球を投げる河合英伸(2年)がマウンドに上がる。宮原上総監督が勝ちパターンと語る継投で、二松学舎大付の9回裏は三者凡退に終わった。

勝負は無死一、二塁から始まるタイブレークへ。10回表、川島は2死までこぎつけたが、河合に適時二塁打を浴びて1点を失った。

その裏、二松学舎大付は2死二、三塁と攻め立てる。1番・高須翔己(2年)がフルカウントからファウルで粘り、10球目を左前へ運んで同点。続く2番・若村駿希(1年)が初球を右前にはじき返し、サヨナラ勝ちを決めた。

アウトあと1つから、試合はひっくり返った。

「最後まで川島で」市原監督が託したマウンド

市原勝人監督(61)は試合後、「今日は最後まで川島で。交代させる気持ちはなかった」と語った。10回をすべて任せたエースの投球を「大会であれだけのピッチングができれば大したものだと思います」と評価した。一方で、タイブレークで2死を取りながら打たれた1本には「もうひと踏ん張りしてほしいですね」と注文も付けている。

川島本人は、序盤は少し飛ばしすぎたと振り返り、本来は打たせて取るタイプだと話した。10回表に先制打を浴びた場面については「終わったなと思った」と苦笑いし、逆転してくれた打線には「本当に感謝しかない」と話した。自己採点は85点で、減点はタイブレークで打たれた1本だという。

この秋の川島は、強豪相手に完投を重ねてきた。主な試合は次のとおりだ。

日付回戦結果川島の投球
10月18日3回戦二松学舎大付2対1帝京2安打1失点
10月27日準々決勝二松学舎大付6対2日大鶴ケ丘9回2失点で完投
11月1日準決勝二松学舎大付2対1東海大菅生(延長10回)10回4安打1失点、9奪三振で完投

3回戦では、前年の秋の東京王者だった帝京高等学校を破った。準々決勝のあと、市原監督は「大黒柱であるのであれば、安心して攻撃できるように、点を取った後の回をピシャッと抑えないと」とげきを飛ばしていた。点を取った直後の回に失点した課題を指摘された数日後、準決勝では9回まで1点も与えなかった。

父・慶三は秋初観戦、試合後に気づいた息子

スタンドには父の慶三の姿があった。父が試合会場に来たのは、この秋では初めてだったという。

川島は試合中には全く気づかなかったと明かした。「試合後、スタンドを見たら姿を見つけて。ちょっとだけいいところを見せられたかな」と話し、笑みを見せた。

慶三は長崎県立佐世保実業高等学校、九州国際大学を経て、2005年の大学生・社会人ドラフト3巡目で日本ハムに入団した。2008年から2014年途中までヤクルト、2014年途中から2021年までソフトバンク、2022年は楽天でプレー。内野も外野も守れる選手として、4球団で現役を続けた。

引退後は2023年から2年間、楽天で打撃コーチを務め、2025年からはオリックスの1軍打撃コーチを担当した。オリックスは10月4日、本人からの申し入れを受けて川島打撃コーチが今季限りで退団すると発表している。

関連記事:オリックス、水本勝巳巡回統括コーチら4人の退団を発表 契約満了で由田・牧野・平井の3コーチも

DeNAは10月30日、慶三と来季のコーチ契約を結ぶと発表した。担当する役職と背番号は、11月2日時点で発表されていない。準決勝は、その発表から2日後の試合だった。連十の兄は、ボーイズグループ「STARGLOW」のメンバーとして活動するRUIだ。

夏の決勝の悔しさを神宮で晴らせるか

川島には忘れられない試合がある。2026年夏の東東京大会決勝で関東第一に敗れた一戦だ。先発しながら、2回途中5失点でマウンドを降りた。

その経験を、川島は前向きにとらえている。「夏の決勝戦より緊張する試合はない」と話した。夏の決勝については「もう悔しさしかない。やっぱりあそこ(神宮球場)で(優勝を)取れなかった分、今回は絶対甲子園行ってやろうっていう気持ちが強いです」と語った。

1年生だった2025年夏には、東東京大会の初戦となった東京都立両国高等学校戦で5回参考記録ながら無安打無得点を記録し、公式戦デビューを飾っている。それから1年あまりで、チームの大黒柱になった。

決勝は11月5日、岩倉と対戦

決勝は11月5日に予定され、相手は日本大学第二高等学校を3対1で下した岩倉高等学校に決まった。岩倉は準優勝した1988年以来、38年ぶりの秋の決勝となる。2026年夏の東東京大会5回戦では二松学舎大付が10対3の8回コールドで勝っている。岩倉もエース左腕の小林辰生(2年)が準決勝で9回1失点の完投勝利を挙げており、決勝は両校の左腕エースが看板の顔合わせだ。

関連記事:岩倉高等学校野球部、38年ぶりの秋季東京大会決勝進出 小林辰生が149球の完投勝利

二松学舎大付にとっては、優勝した2024年以来2年ぶりの頂点がかかる。市原監督は「体も心も整えて、2年前に勝った試合をイメージさせて楽しむようにやらせてあげたい」と抱負を語った。

東京大会の優勝校は、11月19日に開幕する第57回明治神宮野球大会に東京地区代表として出場する。大会の組み合わせでは、東京地区代表は11月20日の第1試合で、秋季四国大会を制した明徳義塾高等学校と初戦を戦う。

関連記事:明徳義塾高等学校、秋季四国大会で2年ぶり13回目の優勝 明治神宮大会の初戦は東京地区代表

来春の第99回選抜高校野球大会の一般選考枠は、関東・東京で6校。関東4校、東京1校を基本とし、残る1校は両地区の候補校を比べて決める。出場校が正式に決まるのは2027年1月29日の選考委員会だが、東京の優勝校は選出に大きく近づく。

「神宮のマウンドは最高。悔いなく、優勝して笑顔で終わりたい」。川島はそう話し、決勝を見据えた。

[文/構成 by スポーツ担当ライター 高瀬翔吾]

寄稿者

高瀬翔吾
Webメディアでスポーツ、エンタメ、時事ニュースなど、累計数千本の記事制作に携わってきたスポーツ系ライター。野球分野では、プロ野球の試合結果や選手の記録をはじめ、MLB、高校野球、ドラフト、移籍、契約更改などの記事を継続的に担当。数字や公式記録を基に情報を整理する記事を得意としており、結果を伝えるだけでなく、その記録が持つ意味や、選手・球団を取り巻く背景までわかりやすく解説することを心がけている。主な執筆分野は、プロ野球、MLB、高校野球、侍ジャパン、ドラフト、移籍情報。

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