坂井祥紀、TMKプロモーションと契約し現役復帰 12月に復帰戦、元日本ウエルター級王者の戦績

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プロボクシング元日本ウエルター級王者の坂井祥紀(35)が現役に復帰し、亀田和毅(35)が代表を務めるTMKプロモーションと契約した。11月4日に同プロモーションが発表した。2025年11月にいったん引退を表明しており、約1年での現役復帰となる。12月にメキシコで開かれるTMK主催興行で復帰戦に臨む予定だ。
坂井祥紀がTMKプロモーションと契約、12月にメキシコで復帰戦へ
発表は11月4日。大阪市のTMKジムを通じて、坂井が現役に戻り、元世界2階級制覇王者でWBA世界フェザー級2位の亀田和毅が率いるTMKプロモーションと契約を結んだことが明らかになった。坂井は練習拠点をすでにメキシコへ移し、メキシコ市を拠点とする和毅とともに練習を積んでいる。
復帰戦は12月、メキシコで開かれるTMK主催の興行「TMKBOX in México vol.2」を予定する。和毅も「近く開催する『TMKBOX in México vol.2』への出場も予定しています」とコメントした。ただ、11月5日時点で興行の正確な日付と会場、対戦相手、試合の階級やラウンド数は発表されていない。
階級はこれまでどおりウエルター級を主戦場にする。日本選手がまだ一度も世界王座に就いたことがない階級で、坂井はその頂点を目指すという。
契約の形は報道によって「所属選手契約」「プロモート契約」と表現が分かれ、日本ボクシングコミッション(JBC)のライセンスの扱いは11月5日時点で発表されていない。引退を表明するまでの所属は横浜光ジムで、田中空戦も横浜光の所属で戦っている。
引退表明から1年、坂井祥紀の決意
最後のリングは2025年10月21日だった。東京・後楽園ホールで東洋太平洋ウエルター級王者の田中空(大橋)に挑み、4回に左目上を切られると、5回に2度のドクターチェック。6回、3度目のドクターチェックの末にレフェリーが試合を止め、6回2分13秒TKOで敗れた。プロ48戦目で初めてのKO負けとなった。
その翌月の2025年11月、坂井はSNSで現役引退を表明する。2024年5月に豊嶋亮太(帝拳)に敗れて日本王座を失い、その後も佐々木尽(八王子中屋)、田中空と、国内のトップ選手に3連敗していた。
ところが、引退後に再びメキシコへ渡り、練習を再開していた。そこで契約を結んだのが、同い年で、同じくメキシコでプロのキャリアを始めた和毅のTMKプロモーションだった。坂井はTMKを通じて次のようにコメントした。
「この度、TMKプロモーションと契約し、現役復帰することになりました。もう一度上を目指す機会をくださった亀田和毅代表に、心から感謝しています。一度は現役を引退しましたが、再び挑戦することを決めました」
コメントでは年齢にも触れ、「35歳。ボクサーとして決して若くはありません。それでも、もう一度上を目指したいという気持ちは変わりません」と続け、「原点であるメキシコの地で初心に帰り、一から自分を磨き直します」と語った。最後は「一日一日を大切に積み重ね、リングの上で新しい坂井祥紀をお見せします。応援よろしくお願いいたします」と結んでいる。
迎える和毅は「坂井選手の、メキシコで磨き上げたボクシングテクニックとハートの強さを高く評価しています」とコメント。「同い年ということもあり、これから一緒に頑張っていきたいと思っています。残されたボクシング人生を悔いなく戦い抜けるよう、全力でサポートしていきます」と続けた。
元日本ウエルター級王者・坂井祥紀の戦績と主なタイトル戦
プロ戦績は48戦29勝(15KO)16敗3分け。メキシコを中心に海外で36戦を重ねたあと日本のリングに移り、日本では3度目のタイトルマッチで王者になった。主なタイトル戦は次のとおり。
| 日付 | 試合 | 相手(所属) | 勝者・結果 |
|---|---|---|---|
| 2021年4月8日 | 日本ウエルター級タイトルマッチ | 小原佳太 | 小原の勝ち。坂井は10回0-3判定負け |
| 2021年12月4日 | 東洋太平洋・ | 豊嶋亮太 | 豊嶋の勝ち。坂井は12回0-3判定負け |
| 2023年4月26日 | 日本ウエルター級王座決定戦 | 重田裕紀 | 坂井の勝ち。2回2分TKOで王座に就く |
| 2023年9月2日 | 日本ウエルター級タイトルマッチ | 能嶋宏弥 | 坂井の勝ち。10回3-0判定で初防衛 |
| 2023年12月2日 | 日本ウエルター級タイトルマッチ | シーサー皆川 | 坂井の勝ち。10回3-0判定で2度目の防衛 |
| 2024年5月4日 | 日本ウエルター級タイトルマッチ | 豊嶋亮太 | 豊嶋の勝ち。坂井は10回1-2判定負けで王座陥落 |
| 2025年1月24日 | 東洋太平洋・ | 佐々木尽 | 佐々木の勝ち。坂井は12回0-3判定負け |
| 2025年10月21日 | 東洋太平洋ウエルター級タイトルマッチ | 田中空 | 田中の勝ち。坂井は6回2分13秒TKO負け |
王座を手にしたのは2023年4月26日の後楽園ホールだった。前王者の小原佳太が王座を返上し、前年10月の挑戦者決定戦で重田と引き分けながらも挑戦権を得ていた坂井と、重田とのダイレクトリマッチが王座決定戦になった。初回は重田にペースを握られたが、2回に右ストレートで重田をロープへ追い込み、連打で主審のストップを呼び込んだ。
王者としては2度防衛した。初防衛戦では元WBOアジアパシフィック・ミドル級王者の能嶋宏弥に98-92が3人という大差の判定勝ち。2度目の防衛戦はシーサー皆川との流血戦で、3回にダウンを奪い、95-94、96-93、96-93の3-0判定で競り勝った。
だが、2024年5月4日の3度目の防衛戦で、2021年12月に敗れている豊嶋亮太との再戦に1-2の判定で敗れ、王座を手放した。前半は坂井が右を軸にわずかにリードしたものの、6回以降は豊嶋に接近戦でボディを攻められた。
2025年1月24日には、当時の東洋太平洋・WBOアジアパシフィック同級王者の佐々木尽に挑み、12回をフルに戦った。それまで佐々木は20戦18勝17KOのハードパンチャー。判定は116-112、117-111、118-110で佐々木を支持したものの、それまで46戦でKO負けのなかった坂井は最後まで倒れなかった。
メキシコを中心に海外36戦、”逆輸入ボクサー”の歩み
坂井は兵庫県尼崎市出身。中学1年のときに尼崎ジムでボクシングを始め、兵庫県立西宮香風高等学校を卒業した。大阪のロマンサジムを経て、19歳でメキシコに渡る。現地では多くの世界王者を育てた名トレーナー、ナチョ・ベリスタインの指導を受けた。
2010年にメキシコでプロデビュー。2015年にはWBCスーパーライト級ユース王座を手にした。のちに米国のリングにも呼ばれるようになり、2017年8月にはラスベガスで世界挑戦経験のあるアシュリー・シオフェン(英国)に3-0の判定で勝っている。メキシコと米国のほか、ニカラグアでもリングに上がった。
約10年の海外生活を終え、2019年11月に帰国する。日本デビューを前にした2020年夏の時点で、海外での戦績は36戦23勝(13KO)11敗2分けだった。当時の坂井は、日本で立て直したうえで再び米国のリングを目指す考えを語っていた。
2020年8月31日、横浜光ジムの所属として新宿FACEで日本デビュー戦に臨み、重田裕紀に勝った。海外で長くキャリアを積んでから日本のリングに来た経歴から”逆輸入ボクサー”と呼ばれ、顔の前で両グローブを合わせる構えと固いガードが持ち味だ。
亀田和毅と同じメキシコ育ち、ウエルター級の世界を再び目指す
坂井と和毅には共通点が多い。ともに関西出身の35歳で、和毅も中学卒業後に単身でメキシコへ渡り、16歳で現地でプロデビューした。現在はTMKプロモーションを設立して複数の選手と契約し、メキシコで興行も開く。自身も現役選手として世界3階級制覇を目指している。
メキシコで始まったキャリアが、再びメキシコに戻る。19歳で渡ったメキシコに、35歳で拠点を戻した。12月の「TMKBOX in México vol.2」の日付や対戦相手は、TMKプロモーションからの続報を待つことになる。
ウエルター級は、日本選手が世界王座に届いていない階級だ。35歳の再出発は、その壁にもう一度挑む道のりになる。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 久遠(KUON)]








































































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