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桑木志帆「単純に、この試合に勝ちたい」 TOTOジャパンクラシック優勝なら初の年間女王、条件は

桑木志帆「単純に、この試合に勝ちたい」 TOTOジャパンクラシック優勝なら初の年間女王、条件は

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女子ゴルフの日米ツアー共催大会「TOTOジャパンクラシック」が11月5日、茨城県小美玉市の太平洋クラブ美野里コースで開幕した。国内ツアーの年間女王を決めるメルセデス・ランキングで首位を走る桑木志帆(23)=大和ハウス工業=は、2位の佐久間朱莉に878.63ポイント差をつけて大会に入る。優勝すれば、その時点で初の年間女王が決まる。単独3位以上で佐久間より上の順位でも決まり、2022年にポイント制へ一本化されてから最も早い戴冠となる。

11月5日開幕、桑木志帆は優勝で年間女王が確定

TOTOジャパンクラシックは日本ツアー(JLPGA)と米ツアー(LPGA)の公式戦を兼ねる大会で、日程は11月5日から8日までの4日間。会場の太平洋クラブ美野里コースは6598ヤード、パー72に設定され、米ツアー勢43人と日本ツアー勢35人の計78人が出場する。賞金総額は210万ドル、優勝賞金は31万5000ドルだ。

桑木は初日、同じ岡山県出身の渋野日向子、タイのシャネッティ・ワナセンと同じ組で回る。前夜から降り続いた雨でコースの状態が悪く、第1ラウンドのスタートは1時間遅れとなり、桑木の組も当初の午前9時28分から午前10時28分(1番ホール)に繰り下げられた。前週の樋口久子 三菱電機レディスは欠場して休養にあて、この大会に備えた。

今季の桑木は、国内ツアーで4勝を挙げている。8月2日(現地時間)には海外メジャーのAIG女子オープン(全英女子オープン)でプレーオフを制し、日本女子として7人目のメジャー優勝者になった。10月25日のマスターズGCレディースで国内4勝目、ツアー通算7勝目を挙げ、ランキングの独走態勢を固めている。

関連記事:桑木志帆、マスターズGCレディースで今季国内4勝目「自分に負けないぞ」 岡山県岡山市出身

878.63ポイント差、年間女王が決まる計算

11月1日時点のメルセデス・ランキングは、1位の桑木が3324.18ポイント、2位の佐久間が2445.55ポイント。その差は878.63ポイントに開いた。3位の荒木優奈は1839.87ポイントで、桑木との差は残り4試合の優勝ポイントをすべて足した1200ポイントを上回る。年間女王の可能性を残すのは、桑木と佐久間の2人だけだ。

ポイントの計算で鍵になるのは、TOTOジャパンクラシックの後に残る3試合だ。

大会競技日数優勝ポイント
TOTOジャパンクラシック4日間300
伊藤園レディス3日間200
大王製紙エリエールレディス4日間300
JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ(最終戦)4日間400

TOTOの後に残る3試合の優勝ポイントを合計すると900ポイントになる。佐久間が3試合すべてで優勝しても、900ポイントを上積みするのが限界だ。つまり、TOTOが終わった時点で両者の差が900ポイントを上回っていれば、逆転の可能性は消える。

現在の差は878.63ポイントなので、桑木がこの大会で佐久間より約22ポイント多く稼げば条件を満たす。桑木が優勝すれば300ポイントが入り、佐久間は最高でも2位にとどまるため、この条件を必ず満たす。優勝しなくても、桑木が単独3位以上に入って佐久間より上の順位で終えれば、その時点で女王が決まる。順位とポイントの組み合わせ次第では、4位以下でも決まる場合がある。

逆に佐久間が上位に入り、桑木が伸び悩めば、決着は11月13日に始まる伊藤園レディス以降へ持ち越される。

この大会で決まれば、3試合を残しての戴冠になる。年間女王を賞金ランキング1位からメルセデス・ランキング1位に切り替えた2022年以降、最も早かったのは山下美夢有(2022年)と竹田麗央(2024年)の伊藤園レディスでの決定で、これを1試合上回る。

「単純に、この試合に勝ちたい」前日に語った本音

開幕前日の11月4日、桑木は会場で調整し、報道陣の取材に応じた。年間女王については、佐久間に逆転の可能性が残る以上「気が抜けない」と話した。そのうえで、意識しすぎると自分のプレーができなくなるとして、目の前の大会に集中する考えを示した。

口にしたのは「単純に、この試合に勝ちたい」という言葉だった。

この大会の受け止め方は、夏を境に変わったという。6月ごろの桑木は、TOTOジャパンクラシックで勝つことが米ツアーへ挑戦する近道になると考えていた。米ツアーのメンバーでない選手がこの大会で勝てば、翌年の米ツアー出場権を手にできるからだ。ところが8月にAIG女子オープンを制し、その重圧はなくなった。大会を米ツアーへの入り口としてではなく、一つの試合として勝ちにいける状態だと語っている。

状態も悪くない。前週はゴルフをした日がわずかで、家でゆっくりしたり買い物に出かけたりして過ごし、冬服やバッグ、ピアスを買ったと明かした。最近は思うように打てていなかったパッティングも、少しずつ気持ちよく打てるようになってきたという。

2023年大会は首位で最終日、逆転負けの2位から3年

太平洋クラブ美野里コースは、桑木にとって因縁のある場所だ。

2023年のTOTOジャパンクラシックも同じコースで開かれた。桑木は畑岡奈紗と並ぶ首位で最終日を迎えながら、スコアを伸ばしきれずに逆転を許し、1打差の2位タイ。優勝者に与えられる翌年の米ツアー出場権を逃し、当時はとても悔しい思いをした。

それから3年。いまの桑木は、あの2位を前向きに受け止めている。経験のないまま米国へ行っていたら、いまのようにはなっていなかったと話し、「意味のある2位」だったと振り返った。悔しさを味わったコースだが、本人は相性のよさを口にしている。

あのとき手が届かなかった優勝が、今度は年間女王の確定に直結する。

年間女王はメルセデス・ランキング、賞金ランキングとの違い

国内女子ツアーの年間女王は、かつて賞金ランキング1位の選手を指していた。いまはメルセデス・ランキング1位の選手が年間女王になる。2022年から年間レースがこのランキングに一本化され、翌年のシード権もランキング上位50人に与えられる。

2つのランキングの違いは、何を数えるかにある。賞金ランキングは大会で手にした賞金の合計で順位が決まるので、賞金総額の大きな大会で勝つほど有利だ。メルセデス・ランキングは、国内ツアーと海外女子メジャーの順位をポイントに換えて合計する。賞金額ではなく順位をもとに数えるので、シーズンを通して上位に入り続けた選手が上に来る仕組みになる。

桑木が今季勝ったAIG女子オープンのような海外メジャーの成績もポイントに入る。夏に世界の舞台で勝ち、秋に国内で白星を重ねた結果が、いまの878.63ポイント差になった。

佐久間朱莉は2年連続の女王へ逆転を狙う

追う佐久間は、2025年の年間女王だ。11月1日に終わった樋口久子 三菱電機レディスで今季4勝目、ツアー通算8勝目を挙げ、200ポイントを上積みして差を詰めてきた。3日間をボギーなしで回り、連続ノーボギーを114ホールまで伸ばすツアー新記録も作っている。

関連記事:佐久間朱莉、地元・埼玉で初優勝し2年連続の年間4勝目 ツアー新114ホール連続ノーボギー

佐久間がこのTOTOジャパンクラシックで優勝すれば、翌年の米ツアー出場権が手に入る。開幕前の取材では、その場合は米ツアーへ行く考えを示したと報じられた。年間女王の逆転と米ツアーへの切符。2つがかかる佐久間と、勝てば年間女王が決まる桑木の争いは、初日から順位表の上で比べられることになる。

初日に同じ組で回る渋野は、桑木にとって憧れの同郷の先輩だ。桑木は開幕前日の取材で、この組み合わせを喜び、とても楽しみだと話した。2019年の全英女子オープンを制した渋野とともに、2026年の全英女子オープン覇者が4日間の戦いに臨む。

[文/構成 by スポーツ担当ライター 南條楓]

寄稿者

南條楓
学生時代に陸上の中距離を続けていたこともあり、記録で勝負が決まる競技に惹かれてスポーツを書くWebライターに。執筆歴は8年。陸上や水泳、体操、フィギュアスケートなど、記録と採点が結果を左右する競技を中心に、国際大会の速報から選手の歩みをたどる記事まで担当してきた。タイムや得点の意味、予選から決勝までの流れを、初めて観る人にも伝わる言葉で書くことを大切にしている。

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