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岡本綾子が文化功労者に、ゴルフ界で3人目 「ゴルフは人生そのものでもあります」

岡本綾子が文化功労者に、ゴルフ界で3人目 「ゴルフは人生そのものでもあります」

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政府は10月23日、2026年度の文化功労者21人を発表し、日米欧で通算62勝を挙げたプロゴルファーの岡本綾子(75)が選ばれた。ゴルフ界からの選出は2014年の樋口久子、2024年の青木功に続いて3人目。岡本は日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)を通じて「わたしにとってゴルフは人生そのものでもあります」とコメントした。

「身の引き締まる思い」 岡本綾子が寄せたコメント

文化功労者は、文化の向上や発達に特に功績のあった人をたたえる国の制度だ。2026年度の21人には、ジャズサックス奏者の渡辺貞夫氏、アニメーション監督のりんたろう氏、日本画家の千住博氏らが名を連ねる。スポーツの分野からは、パラリンピック4大会で視覚障害者柔道の日本代表監督を務めた柿谷清氏(84)と岡本が選ばれた。

発表にあわせて示された岡本の業績は、米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王になるなど、日本の女子ゴルフの発展に貢献したというものだ。

選出を受けて、岡本はまず驚きと緊張を言葉にしている。

「このたびは、文化功労者という身に余る大きな栄誉を賜り、身の引き締まる思いです。わたしにとってゴルフは人生そのものでもあります。ゴルフに真摯に向き合い、挑戦を続けてきた歩みが、このような形でスポーツ文化の発展に寄与できたと評価していただけたのなら、これに勝る喜びはありません。」

ソフトボールからゴルフに転じ、半世紀以上クラブを握ってきた。その歩みを「人生そのもの」と言い切る短い一文に、競技との距離の近さがにじむ。

コメントの後半で、話は若い世代へ向かった。

「現在は、世界を目指して頼もしく羽ばたく若い選手たちが次々と生まれています。わたし自身も、ゴルフという素晴らしいスポーツからいただいた数多くの恩恵を次の世代へと繋いでいけるよう、これからも微力ながら後進の育成とゴルフ界の未来に力を尽くしてまいりたいと思います。」

最後は「これまで私を導き、支えてくださったすべての皆様に、心より深く感謝申し上げます」と結んでいる。

樋口久子、青木功に続く3人目 小林浩美会長も祝福

ゴルフ界から文化功労者が出たのは、2014年度の樋口久子が最初だった。1977年の全米女子プロ選手権で日本人として初めて海外メジャーを制し、国内外で通算72勝を挙げた女子ゴルフの草分けだ。2024年度には、1983年のハワイアンオープンで日本人として初めて米PGAツアーを制した青木功が続いた。樋口は日本女子プロゴルフ協会、青木は日本ゴルフツアー機構でそれぞれ会長を務め、ともに競技団体の運営にも長く携わった。

3人の並びには、もうひとつの共通点がある。世界ゴルフ殿堂でも、2003年の樋口、2004年の青木に続き、2005年に岡本が日本人3人目として殿堂入りした。日本のゴルフを世界に広げた3人が、同じ順番で国の栄誉にもたどり着いたことになる。

JLPGAの小林浩美会長は、祝辞で岡本の米国での足跡に触れた。「米国女子ツアーにおいては、日本人として初めて年間通して長い間、フル参戦した大先輩であり、米ツアー17勝という記録は、今なお日本人選手のトップとして輝いています」とたたえ、「プロスポーツ界の中で、グローバルに女性活躍を大きく牽引した1人だと強く感じます」と続けた。協会にとっても「大変栄誉であり、誇りです」と喜びを表している。

ソフトボールのエースから「世界のアヤコ」へ

岡本は1951年4月、広島県安芸津町(現・東広島市)で生まれた。中学ではソフトボール部に入り、愛媛の今治明徳高を経て大和紡績へ。実業団チームでエースと主軸打者を兼ねた。

やがてゴルフへ転じる。大阪の池田カンツリー倶楽部で研修生となり、2度目の挑戦だった1974年のプロテストに合格した。翌1975年の美津濃トーナメントで初優勝を飾り、1981年には年間8勝で国内の賞金女王になった。

国内の頂点に立った翌年、岡本は海を渡る。1982年に米女子ツアーへ本格参戦し、2月のアリゾナ・コパー・クラシックでプレーオフを制して米ツアー初優勝。1987年には4勝を挙げ、米国人以外で初めて米女子ツアーの賞金女王になった。日米両方のツアーで賞金女王に立った日本人は、岡本が初めてだった。

ツアー優勝数
日本女子ツアー44勝
米女子ツアー17勝
欧州女子ツアー1勝
合計62勝

米ツアーの17勝は、今も日本人選手の最多記録だ。国内でも通算30勝以上で得られる永久シードを持ち、2005年までツアーでプレーを続けた。所属は今もダイワボウホールディングスで、ソフトボール時代に身を置いた大和紡績の流れをくむ企業とのつながりが半世紀にわたって続く。同じ2005年に世界ゴルフ殿堂、2014年には日本プロゴルフ殿堂に名を刻んでいる。

年金350万円、11月4日に顕彰式

文化功労者の制度は1951年度に始まり、文化功労者年金法に基づいて終身の年金が支給される。額は年350万円で、毎年20人前後が選ばれる。文化勲章は原則として、前年度までの文化功労者の中から選ばれる。

2026年度の文化勲章は、任天堂の宮本茂氏ら8人に贈られ、親授式は文化の日の11月3日に皇居で開かれる。文化功労者の顕彰式は翌4日、東京都内のホテルで行われる予定だ。

ツアーを離れたあとの岡本は、指導者や解説者として女子ゴルフを見守ってきた。コメントにあった「後進の育成」は、ツアーを離れてからの約20年の延長線上にある。75歳で受けた国の栄誉を、次の世代へ渡す。そう宣言して、岡本は11月4日の式典に臨む。

ゴルフに向き合う岡本の考え方は、著書『岡本綾子ゴルフの、ほんとう。』でも読むことができる。

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関連記事:任天堂・宮本茂氏ら8人に文化勲章、ゲーム界初 年金はいくら?文化功労者との違いと2026年の受章者一覧

[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]

寄稿者

疾風(HAYATE)
スポーツニュースサイトでの執筆を経て、ゴルフ、競馬、大相撲、フィギュアスケート、陸上など、競技の枠を越えてスポーツ記事を書いてきたWEBライター。経験は6年。大会結果や記録、番付、レース展開など、数字と公式記録を土台に「何がすごかったのか」を整理する記事を得意としている。ルールや採点方式が分かりにくい競技でも、初めて観る人がその一戦を楽しめるよう、背景や見どころまでかみくだいて伝えることを心がけている。主な執筆分野は、ゴルフ、競馬、大相撲、フィギュアスケート、陸上、バスケットボール。

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