山下真瑚、中国杯SPで自己ベスト69.17点の5位発進 2020年NHK杯以来のGP、中京大の現在

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第3戦・中国杯の女子ショートプログラム(SP)が11月6日、中国・深圳で行われ、山下真瑚(23)=中京大=が69.17点で5位につけた。2018年スケートカナダで出した66.30点を上回る、ISU公認の自己ベスト更新。GP出場は2020年NHK杯以来で、女子フリーは11月7日に行われる。
1番滑走で自己ベスト69.17点、首位と6.91点差の5位
会場は深圳ユニバーシアードセンター。12人が出場した女子SPで、山下は1番滑走を任された。今季のSP曲はキャサリン・ジェンキンスが歌う「Bring Me To Life」だ。
冒頭のルッツとトーループの連続3回転を降り、2本目のダブルアクセル(2回転半)も決めると、演技後半の単発3回転フリップまで3本のジャンプをすべて着氷した。技術点は39.10点、演技構成点は30.07点。合計69.17点は、首位の千葉百音(21)=木下グループ=の76.08点に6.91点差の5位となった。
上位には実績のある顔ぶれが並ぶ。首位の千葉はミラノ・コルティナ五輪の代表で、昨季の世界選手権で2位。3位のイグナトワは旧姓トルソワで、2022年北京五輪の銀メダリストだ。2位のグバノワも75.05点と、千葉に1.03点差まで迫った。
表彰台圏内の3位とは3.20点差、4位のラーラ・ナキ・グットマン(イタリア)とは2.59点差しかない。フリー次第で順位が入れ替わる距離だ。
| SP順位 | 選手(国・地域) | 得点 |
|---|---|---|
| 1位 | 千葉百音 | 76.08 |
| 2位 | アナスタシア・ | 75.05 |
| 3位 | アレクサンドラ・ | 72.37 |
| 4位 | ラーラ・ | 71.76 |
| 5位 | 山下真瑚 | 69.17 |
| 6位 | イ・ | 67.49 |
| 11位 | 渡辺倫果 | 55.72 |
演技を終えた山下は「楽しく伸び伸び滑れた」と話し、大きなミスがなかったことに満足した様子だったという。キス・アンド・クライには本郷裕子コーチと座り、笑顔を見せたという。同じ日本勢の渡辺倫果=三和建装・法大=はトリプルアクセルで転倒するなどジャンプのミスが響き、11位で11月7日のフリーへ向かう。
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採点表に残った加点と、フリップの「!」
ISUが公開した採点表を見ると、得点の中身がよく分かる。基礎点10.10点の連続3回転ジャンプでは、9人のジャッジ全員がプラスを付け、GOE(出来栄え点)は1.52点の加点。ダブルアクセルにも0.61点の加点が付いた。
一方、3回転フリップには踏み切りのエッジ(スケート靴の刃の内側・外側)が不明瞭だとする「!」の判定が付き、GOEは0.15点の減点にとどまった。演技後半の基礎点1.1倍が適用されたため、このジャンプ単体の得点は5.68点だった。
スピンは3種類すべて、ステップシークエンスもレベル4。取りこぼしのない要素の積み重ねが、8季ぶりの自己ベストにつながった。
これまでのISU公認の自己ベストは、シニアのGPデビュー戦となった2018年10月26日のスケートカナダで出した66.30点だった。ジュニア時代の2018年3月の世界ジュニア選手権では66.79点を出しているが、これは採点方式が変わる前の記録として別扱いになる。どちらの数字も今回の69.17点が上回った。2020年のNHK杯のSPでは67.56点を出しているが、この大会の得点はISUのパーソナルベストに含まれていない。国内大会では2023年12月の全日本選手権のSPで69.92点を出しているが、国内大会の得点もISUのパーソナルベストの対象外だ。
スケートカナダ2位の2018年から、6季ぶりに戻ったGP
山下は名古屋市出身。2018年の世界ジュニア選手権で銅メダルを手にし、同じ年の秋にはシニアのGP初戦となったスケートカナダで2位に入った。ルッツとトーループの連続3回転を武器に、一気に表彰台へ駆け上がったシーズンだった。
ところが、その後のGPでは表彰台に届かない。2018年のロステレコム杯は7位、2019年はスケートアメリカで12位、NHK杯で5位。2020年のNHK杯も5位で、ここからGPの舞台を離れることになった。2020年のNHK杯はコロナ禍の大会で、海外から出場した女子は韓国のユ・ヨンだけだった。欧州や北米の選手と同じGPのリンクに立つのは、2019年のNHK杯以来となる。
再びGPの派遣をつかむまでに、6シーズンかかった。その間もエストニアのタリンク・ホテルズ杯で3位(2024年)、オランダのチャレンジカップで3位(2025年)など国際大会で結果を残し、2025年にはチャレンジャーシリーズの木下グループ杯(大阪)にも出場して6位だった。
今季は10月10日から12日に名古屋市の邦和みなとスポーツ&カルチャーで行われた中部選手権で、SP2位からフリー1位の126.63点を出し、合計190.73点で逆転優勝。GP出場について「超、楽しみです。せっかくもらったチャンスを自分のものにしたい」と語っていた。同じ時期には「6年経ってグランプリシリーズに戻ってきた人って、なかなかいないんじゃないかなと思う」とも話している。
中京大を卒業し、今も中京大所属で滑る23歳
山下は中京大学附属中京高等学校から中京大学スポーツ科学部へ進んだ。2024年9月のアジアンオープントロフィー(香港)で2位に入った際には、大学のニュースで「スポーツ科学部4年」として紹介され、2025年3月19日に名古屋市内で開かれた中京大学の卒業式に出席している。卒業時には、コロナ禍の影響もあった大学での競技生活を「いろんなことを感じた4年間」と振り返った。中京大中京高で同学年だったプロ野球・中日の高橋宏斗から刺激を受けていることも明かしていた。
卒業後も現役を続け、中国杯のエントリーや報道での所属表記は今も「中京大」だ。ISUの選手紹介ではクラブ名を中京大学、職業を「フルタイムのアスリート」と登録している。指導するのは山田満知子コーチや本郷裕子コーチらで、フリーの振り付けは鈴木明子が手がけた。
2026年5月に公開された愛知県のスポーツ情報サイトのインタビューでは、最近は楽しむために試合に出ていると感じられるようになったと語り、新しいシーズンは観客や審査員と”お話しするような滑り”をしたいと話していた。中国杯のSP後の「楽しく伸び伸び滑れた」という言葉も、同じ方向を向いている。
女子フリーは11月7日、NHK杯も控える
女子フリーは11月7日、現地時間16時30分(日本時間17時30分)に始まる。SP上位6人が入る第2グループで、山下は8番滑走。開始予定は現地時間17時39分(日本時間18時39分)だ。フリー曲はラヴェルの「ボレロ」で、中部選手権で逆転優勝を引き寄せたプログラムになる。
GPシリーズは今季、中国杯のあとに第6戦・NHK杯(11月27日〜29日、東京)にも出場する予定だ。8季ぶりに更新した自己ベストを足場に、フリーでどこまで順位を上げるか。地元・日本で迎えるNHK杯へ向けて、まず深圳で結果を出しにいく。
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[文/構成 by スポーツ担当ライター 南條楓]












































































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